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ハイレベル理系数学~3~

 このシリーズは、河合塾の「ハイレベル理系数学」の解答/解説に注釈をつけて、解りやすくしたものです。元の「ハイレベル理系数学(三訂版)」を見ながらでないと、このnoteだけでは何のことを書いてるか解らないです。


例題8

【解答1】

  • $${\rm{∠PMB}}$$を$${θ}$$とおき$${\rm{∠NMQ}}$$を$${φ}$$とおくと、$${\displaystyle \rm{∠PMQ} =θ+φ=\frac{π}{2} ⇔ θ=\frac{π}{2}-φ }$$。

  • $${\displaystyle \rm{∠QMC}= π-θ-\frac{π}{2} }$$に$${\displaystyle θ=\frac{π}{2}-φ }$$を代入して、$${ \rm{∠QMC}=φ }$$。

  • $${\displaystyle \rm{△ABC}}$$より$${ α+β=π-\rm{∠A}\displaystyle= \frac{π}{2} }$$。

  • $${\displaystyle α+β=\frac{π}{2} }$$だから$${\rm{∠PNQ}}$$は直角。

【解答3】

  • $${\rm{ △MPQ}}$$は直角三角形であるから、中心角の定理で見ると、$${\rm{∠QM_1P}}$$を中心角$${\rm{∠QMP}}$$を円周角として、中心角の定理が成り立つ。したがって、点$${\rm{P}}$$は$${\rm{M_1}}$$を中心とする円周上の点であるから、中心$${\rm{M_1}}$$からのそれぞれの点までの距離は半径であるので等しい。

【解答4】

  • $${\rm{MP}}$$と$${\rm{MQ}}$$を辺とする長方形でベクトル合成を考えると$${\rm{MP}}$$と$${\rm{MO}}$$の合成は$${\rm{2MM_1}}$$。

例題9

【解答1】

  • $${\rm{∠CBA'}}$$と$${\rm{∠A'AC}}$$は、中心角の定理で見て直角。

  • $${\rm{\square AA'BH}}$$は平行な2組の辺に囲まれているから平行四辺形。

  • $${\rm{N_1}}$$は$${\rm{AH}}$$の中点だから$${\displaystyle \frac{1}{2} \rm{AH=N_1H}}$$。

  • $${\rm{OM_1}}$$と$${\rm{N_1H_1}}$$が平行だから$${\rm{∠KOM_1=∠KHN_1}}$$、$${\rm{K}}$$は$${\rm{OH}}$$の中点だから$${\rm{OK=KH}}$$、$${\rm{OM_1=N_1H}}$$、よって$${\rm{△KOM_1≡△KHN_1}}$$。

  • 直角三角形$${\rm{N_1H_1M_1}}$$を中心角の定理で見ると、$${\rm{K}}$$は$${\rm{N_1M_1}}$$の中点だから、これを中心とした円に、点$${\rm{N_1、M_1、H_1}}$$が存在し、$${\rm{K}}$$からの距離は等しい。

  • $${\rm{CO}}$$を延長して外接円との交点を$${\rm{A'}}$$としたが、同様に$${\rm{AO}}$$を延長して外接円との交点$${\rm{B'}}$$とし、$${\rm{BO}}$$を延長して延長して外接円との交点$${\rm{C'}}$$として、同様の過程で、証明できる。

【解答2】

  • $${\rm{AB}}$$と$${\rm{CH}}$$が直角だから、$${\rm{AB}}$$に平行な線と$${\rm{CH}}$$に平行な線も直角に交わる。

  • $${\rm{BH_2}}$$と$${\rm{AC}}$$が直角だから、$${\rm{∠N_2H_2M_2}}$$が直角であり、中心角の定理でみて、これらの点は同じ円周上の点。

  • $${\rm{CH_3}}$$と$${\rm{AB}}$$が直角だから、$${\rm{∠N_3H_3M_3}}$$が直角であり、中心角の定理でみて、これらの点は同じ円周上の点。

  • $${\overrightarrow{ \rm{OM_1}}}$$と$${\overrightarrow{ \rm{N_1H}}}$$が等しいので、この2つのベクトルの始点同士を結ぶ$${\overrightarrow{ \rm{N_1O}}}$$とベクトルの終点同士を結ぶ$${\overrightarrow{ \rm{HM_1}}}$$は等しい。

  • 等しいベクトルは平行なので、$${\rm{OM_1、N_1H}}$$と$${\rm{N_1O、HM_1}}$$で囲まれる$${\rm{N_1OM_1H}}$$は平行四辺形。$${\rm{K}}$$はこの平行四辺形の対角線の交点。

【解答3】

  • $${\rm{∠CAA'}}$$は、$${\rm{A'C}}$$が直径だから、中心角の定理で直角。$${\rm{H_1}}$$は$${\rm{B}}$$からの垂線と$${\rm{AC}}$$の交点だから$${\rm{∠BH_2A}}$$は当然に直角。よって、$${\rm{A’A}}$$と$${\rmBH}}$$は平行。

  • $${\rm{AA’}}$$と$${\rm{BH_2、A'B}}$$と$${\rmAH}}$$が平行だから、これらに囲まれた$${\rm{A'BHA}}$$は平行四辺形

  • $${ \overrightarrow{ \rm{AH}}=\overrightarrow{ \rm{A'B}}=\overrightarrow{ \rm{OB}}+\overrightarrow{ \rm{OC}} }$$。

  • $${\rm{CO}}$$を延長して外接円との交点を$${\rm{A'}}$$としたが、同様に$${\rm{AO}}$$を延長して外接円との交点$${\rm{B'}}$$とし、$${\rm{BO}}$$を延長して延長して外接円との交点$${\rm{C'}}$$として、同様の過程で、証明できる。

例題10

(1)_1

  • $${\rm{A_1A_2}}$$は直線であるから、$${\rm{∠A_1BD+∠A_2BC+∠DBC=π}}$$であり、$${\rm{∠DBC}}$$が鈍角だと$${\rm{\displaystyle \frac{π}{2}}}$$より大きい、$${\rm{∠A_1BD+∠A_2BC}}$$は必ず$${\rm{\displaystyle \frac{π}{2}}}$$より小さくなるので、$${\rm{∠A_1BD+∠A_2BC<∠DBC}}$$となって、四面体にならない。

  • 四面体の各面で三辺の長さがそれぞれに$${a,b,c}$$であるから、合同。

(1)_3

  • $${ |a|^2+|b|^2+|c|^2=|b|^2+|c|^2+|a|^2-2bc-2ca-2ab+|c|^2+|a|^2+|b|^2 ⇔ 0=|a|^2+|b|^2+|c|^2-2bc-2ca-2ab }$$。

  • $${ |a+b-c|^2=|a|^2+|b|^2+|c|^2-2bc-2ca+2ab }$$。

  • ベクトル内積が正ならば、鋭角。

  • $${\rm{CA}}$$も$${\vec{b}}$$、$${\rm{CB}}$$も$${\vec{a}}$$、$${\rm{AB}}$$も$${\vec{c}}$$。

(2)

  • $${\displaystyle \sqrt{ \frac{1}{2}(a^2+b^2+c^2)}=\sqrt{ \frac{1}{2}} \sqrt{a^2+b^2+c^2}=\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)\sqrt{a^2+b^2+c^2} }$$。

  • $${V}$$は四面体の体積。

  • 四隅の四面体は、ぞれぞれの辺が$${x,y,z}$$で直交していて全部同じ。

問25

  • 鈍角のときの円周角の定理で$${2 \rm{∠APB}}$$は、$${\stackrel{\large\frown}{AB}}$$の大きい方の中心角。

  • $${\rm{OA=OB}}$$で$${\rm{∠AOB}}$$が直角だから、$${\rm{△AOB}}$$は二等辺直角三角形。

  • 中心角が直角だから、円の$${\displaystyle \frac{1}{4}}$$。 あるいは、 円周$${=πr}$$

  • $${\rm{△AOB}}$$は二等辺直角三角形だから、$${\rm{∠OBA}}$$は$${\displaystyle \frac{π}{4}}$$。$${\rm{∠CBA}}$$も$${\displaystyle \frac{π}{4}}$$だから、$${\rm{∠OBC}}$$は直角。

  • $${\rm{△OBC}}$$は直角三角形なので、三平方の定理で$${\rm{OC^2=OB^2+BC^2}}$$

  • $${\rm{P}}$$円周上の点だから、$${\rm{CP_0=COー円の半径}}$$

問26

  • 円の外部にある1点から引いた2本の接線の長さは等しい。

  • $${\rm{△PAO}}$$と$${\rm{△PBO}}$$は合同なので、$${\rm{OP}}$$は$${\rm{∠APB}}$$の2等分線で、$${\rm{△APB}}$$は2等辺三角形だから、$${\rm{Q}}$$は$${\rm{AB}}$$の中点で、$${\rm{OP}}$$と直角に交わる。

  • $${\rm{∠CHP}}$$と$${\rm{∠CQP}}$$は直角だから、$${\rm{CP}}$$を直径とする円周上にこれらの点がある。

  • $${\rm{C,H,Q,P}}$$が同一円周上にあるから、円周角の定理で、$${\rm{∠QPC=∠QHC}}$$。また、$${\rm{∠POC=∠HOQ}}$$だから、$${\rm{△POC}}$$と$${\rm{△HOQ}}$$は相似。

  • $${\rm{△POC}}$$と$${\rm{△HOQ}}$$は相似だから、$${\rm{OQ:OC=OH:OP}}$$。よって、$${\rm{OCOH=OQOP}}$$。

  • $${\rm{∠OAP}}$$と$${\rm{∠AQO}}$$がともに直角、$${\rm{∠AOP}}$$と$${\rm{∠AOQ}}$$は共通なので、$${\rm{△OPA}}$$と$${\rm{△OQA}}$$は合同。

問27

  • 図3の各弧は、それぞれの中心からの距離が等しいから、$${\stackrel{\large\frown}{SO}}$$について直線$${\rm{PT}=2}$$、弧PRについて直線$${\rm{QT=2}$$、よって$${\rm{△PQT}}$$は正三角形なので、$${\rm{∠QPT}}$$と$${\rm{∠PQT}}$$は$${60°}$$

  • $${\rm{∠QPT}}$$が60°なので、$${\rm{∠SPT}}$$は$${ \displaystyle 30°= \frac{π}{6} }$$

  • $${\rm{△PQT}}$$の面積はこれを半分にした直角三角形で三平方の定理から底辺の長さを出せば計算できる。

  • 別解 https://www.youtube.com/watch?v=rllZisLn_7M

問28

  • 点$${\rm{H、K}}$$は円の外側。

  • 接弦定理より$${\rm{∠ABC=∠ACB=∠BPC}}$$。

  • $${\rm{OB=OC、∠OBA=∠OCA、OA}}$$が共通だから、$${\rm{△OBA≡△OCA}}$$。よって$${\rm{AB=AC、OA}}$$は$${\rm{∠BAC}}$$の二等分線、$${\rm{OAが$${\rm{∠BAC}}$$の二等分線だから、$${\rm{BM=CM}}$$。

  • 四角形の対角の和が180°のとき円に内接する。$${\rm{∠AHB}}$$と$${\rm{∠AMB}}$$は90°なので、その和は$${180°}$$だから、点$${\rm{A,H,B,M}}$$は同じ円周上の点。

  • $${\rm{∠AKC=∠AMC}}$$は$${90°}$$なので、その和は$${180°}$$だから点$${\rm{A,K,C,M}}$$は同じ円周上の点。

  • $${\rm{∠AKP=∠AHK}}$$は$${90°}$$なので、その和は$${180°}$$だから点$${\rm{A,H,P,C}}$$は同じ円周上の点。

  • $${\rm{A,H,K,P}}$$が同じ円周にあるから、$${\rm{∠HPK+∠HAK}=180°}$$よって$${\rm{∠A}}$$の外角をδとすると、$${δ+\rm{∠HAK}=180°}$$だから、$${\rm{∠HPK}=δ}$$。

  • 平行四辺形の対角線は、それぞれの中点で交わる。

問29

【解答1】

  • $${\displaystyle \rm{ \frac{△BCR}{△ABC}=\frac{△BCR}{△BCM}・\frac{△BCM}{△BCA}=\frac{7}{2} ← \frac{BR}{RM}・\frac{MC}{CA}・\frac{AN}{NB}=1 }}$$

  • $${\displaystyle \rm{ \frac{△CAP}{△CAB}=\frac{△CAP}{△CAN}・\frac{△CAN}{△CAB}=\frac{7}{2} ← \frac{BR}{RM}・\frac{MC}{CA}・\frac{AN}{NB}=1}}$$

【解答2】

  • $${\displaystyle \rm{ \frac{△AMB}{△ABQ}=\frac{△CBM}{△CBQ } ⇔ \frac{△AMB}{△ABQ}・\frac{△CBQ}{△CBM}=1 }}$$

  • $${\displaystyle \rm{ \frac{△ABQ}{△CBQ}・\left( \frac{△AMB}{△ABQ}・\frac{△CBQ}{△CBM} \right) = \frac{△AMB}{△CMB}=  \frac{AM}{MC}=\frac{2}{1}  }}$$

  • $${\displaystyle \rm{ \frac{△ABL}{△ABQ}=\frac{△CAL}{△CAQ} ⇔ \frac{△ABL}{△ABQ}・\frac{△CAQ}{△CAL}=1 }}$$

  • $${\displaystyle \rm{ \frac{△ABQ}{△CAQ}・\left( \frac{△ABL}{△ABQ}・ \frac{△CAQ}{△CAL}\right)=\frac{△ALB}{△ALC}=\frac{1}{2}  }}$$

【解答3】

  • $${\displaystyle \rm{ \frac{△ABQ}{△ABC}= \frac{△ABQ}{△ABL}・\frac{△ABL}{△ABC} }}$$

問30

(1)

  • $${\displaystyle \rm{△CDN=\frac{△PBC}{2}、△CDN=\frac{△PBC}{2}  }}$$

  • 底辺が対角線を作る点と一致していなくても、底辺からの高さだけに着目すれば、中点で$${\displaystyle \frac{1}{2} }$$になる。

  • $${\displaystyle \rm{△PAN=\frac{△PAC}{2}、△PCN=\frac{△PAC}{2}  }}$$

(2)

  • $${ \rm{AM=MC}}$$ だから、$${ \rm{△NMC=△NMA }}$$であり$${ \rm{△QMA=△QMC}}$$なので、$${ \rm{ \Box QANC=△NMC+△NMA+△QMA+QMC }}$$
    $${ \rm{=2\left(△QMC+△MNC \right) }}$$

  • $${ \rm{BN=ND}}$$だから、$${ \rm{△ADN=△ANB}}$$であり$${ \rm{△CDN=△CNB}}$$なので、$${\rm{ \Box ABCD=△ADN+△ANB+△CDN+△CNB }}$$
    $${ \rm{=2(△ANB+△CNB)=2 \Box ABCN }}$$

問31

  • 塔はそれぞれ高さも違う。立体で考える。

問32

  • 4つの球が全て接しているから、この四面体は正四面体である。

  • 4つの球の中心を結ぶ線もまた正四面体であり、頂点間の距離は$${2}$$。

  • 重心$${ \rm{G}}$$から各面への長さは$${ \rm{GH}}$$

  • $${ \rm{△ABC}}$$と$${ \rm{GH}}$$が直角だから、四面体$${ \rm{ABCG}}$$の体積は底面を$${ \rm{△ABC}}$$とし高さを$${ \rm{GH}}$$として算出可能。

  • 正四面体$${ \rm{ABCD}}$$は4つの球の中心を結んだ立体であるから、4つの球に外接する正四面体の面は、$${ \rm{ABCD}}$$の面から球の半径$${1}$$だけ遠い。

問33

(1)

  • $${ \rm{∠APB>90°}}$$となる点Pは、$${ \rm{△ABC}}$$内では少なくても$${ \rm{AB}}$$を直径とする円の内部にある。(中心角は直線で$${180°}$$だから円周角は常に$${90°}$$)

  • $${ \rm{E,F}}$$は円周上の点であるから、$${ \rm{OE=OF=1}}$$。$${ \rm{OA=OE}}$$であるから、$${ \rm{△OAE}}$$は2等辺三角形であり、$${ \rm{∠OAE=∠OEA}}$$。

  • 正四面体だから$${ \rm{△ABC}}$$は正三角形なので$${ \rm{∠OAE=60°}}$$よって、$${ \rm{∠OEA}}$$も$${ 60°}$$であるから、$${ \rm{△OAE}}$$は正三角形。同様に$${ \rm{△OBF}}$$も正三角形。

  • $${ \rm{△OAE}}$$と$${ \rm{△OBF}}$$が正三角形であるから、$${ \rm{∠BOF}}$$と$${ \rm{∠AOE}}$$は$${60°}$$なので、$${ \rm{∠EOF=60°}}$$。

(2)

  • $${ \rm{△OAE}}$$が正三角形であるから、$${ \rm{AE=1}}$$。

  • 図2は点Cと点Dを入れ替えても同じ事が言えるので、同様にして$${ \rm{AG}}$$も$${1}$$。

  • $${ \rm{△ACD}}$$は正三角形なので、$${ \rm{∠GAE}}$$が60°で、$${ \rm{AG=AE}}$$なので、$${ \rm{△AGE}}$$も正三角形。

  • $${ \rm{∠GAE}}$$を円周角とすると円周角の定理から中心角は$${120°}$$

  • 面$${ \rm{ABD}}$$について(1)と同じ。面$${ \rm{BCD}}$$について(2)と同じ。

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