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妻と僕のPMDD生活7日目

触れるな危険は、
人間にも該当する。

✳︎

今更の話ですが、改めて妻はPMDDである。
月経前になると精神症状が現れる。
妻は主にイライラである。
1年に1度の頻度で鬱症状が出現する。

僕は妻の精神症状に関する
怒り状態を「イカリヤさん」、
鬱状態を「カナシミン」と
こっそりあだ名付けしている。

PMDDと戦うそんな妻が、
仕事を続けていることに心から尊敬する。
職場ではそれなりの立場らしい。

とは言えPMDD期の妻は、
仕事から帰るとヤバい。

出川哲朗氏も「ヤバいよ、ヤバいよ」と、
言えないくらい、いや、言わせないくらいに
ヤバいよ、ヤバいよの状態になっている。

✳︎

とある日、いつも通り出勤した妻が、
昼過ぎにイカリヤさんになって帰ってきた。

テレワーク中の僕は「早いな」と思いつつ、
妻を見ずともドアを開ける音で気がつく。
いや、正しくは負のオーラが充満している。

イカリヤさんに違いない。

ここで2つの選択肢が生まれる。
1つ目は仕事を中断し、妻に経緯を訊ねる。
2つ目は妻を無視し、そのまま仕事をする。
ちなみに、体験上両方とも不正解である。

1つ目は「うっさいねん!ほっとけ!」と
数々の罵声を浴びせられて終了する。

2つ目は仕事部屋を妻が開き、
「なんで仕事してんの?」とキレてくる。

イカリヤさんの時の妻は、
何をしても、どう動いても危険なのである。

愛犬だけでなく、観葉植物さえも、
妻のイカリヤさんに逃げてしまう。

「触れるな危険!」は毒薬だけではない。
イカリヤさんにも該当する。
或いは、イカリヤさん=毒薬なのか。

✳︎

イカリヤさんの時の僕の行動は、
至ってシンプルである。

妻が動くまで動かない。
妻が発するまで発さない。
つまりは透明人間になる。

ちなみに透明人間最長期間は1週間ほどだ。
1週間も家の中で透明人間をすると、
外でも透明人間なのでは?と疑ってしまう。

愛犬は1週間ブルブルと震えている。
電池が切れかかったアイボのようだ。
観葉植物は1週間シュンとしている。
ワックス前のリーゼントのようだ。

それでも、そのピリついた空気感が好きだ。
一発でアウト。
メイウェザーを目の前にしているような緊張感。
僕はスウェーでかわす。
時には重いパンチを食らう。
ヘラヘラと笑う僕。
やっぱりドMなのだと思うけれど、
何よりそんな状態で仕事に向かう妻を尊敬する。

✳︎

イカリヤさんは触れるな。
では、カナシミンは?

それはまたの機会に綴ります。

どっちも妻であることに変わりはなく、
そんな妻とのPMDD生活を楽しんでいる。

これからもきっと楽しめそうだ。

ただ70歳になっても透明人間になるのは、
ちょっとだけ勘弁して欲しいとも思う。

メガッパ

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