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昔よく読んだ本について

高校生から大学生時代、よく永井均氏や京極夏彦氏の著作を読んだ。
永井氏は哲学者、京極氏は小説家。違うジャンルの人だが、共通点がある。

彼らの書いた文章にハマってしまうと、その枠組みの中でしか考えられなくなる、ということだ。

永井氏の独我論、京極氏の妖怪シリーズは、難解だが魅力的な思弁が、幻覚パウダーのような文体で書かれていて、それに酔ってしまって、他の考え方が出来なくなってしまう。

だが、今、私は彼らの著作を全く読まない。
歳をとって、いろいろ人生経験を積んで、心の中に作られた枠組みが解体されたからだ。

今でも、彼らのように考えることはある。

だが、それよりも、永井氏が少し馬鹿にした口調で言う「マジメな議論」の大切さを、今は知っている。世の中的に大切な議論だ。

いつか彼らの著作に戻って行くことはあるかもしれない。だが、何せ時間も精神的余裕も、全くないので。

今は、とにかく、やるべきことを一つ一つクリアしていく人生だ。

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