ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドの個人的な感想

Netflixにワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドが来てたので、もうネタバレしてもいい頃合いだろうと思い、個人的な感想を吐露します。激しくネタバレするので未視聴の方はブラウザバック推奨です。

さて、この映画は1969年ののハリウッドを舞台にしていますが、ここで核となるのがシャロン・テート殺害事件です。事件の詳細はこのサイトに譲りますが、新進気鋭の若手女優シャロン・テートは、ヒッピー集団のマンソン・ファミリーに”人違い”の上惨殺されます。これはハリウッド史上の重大事件であり、夫のロマン・ポランスキー監督にも計り知れない影響を与えます。(余談ながら、事件後初監督となる「マクベス」は緻密かつショッキングな暴力描写に定評があります)

これを知っているのと知らないのとでは、映画の見え方が180度違ってくると思うのです。つまり、マーゴット・ロビー演じるシャロン・テートは、”史実では”無残に殺されてしまうため、可愛らしい彼女が出てくるたびにハラハラし、どのような最期を迎えるのか想像せざるを得ないのです。しかも、グロテスクや暴力が得意なクエンティン・タランティーノ監督です。いったいどうなってしまうのか!?無論、知らなければそのような心配は無縁なんですが…

ここで映画は一捻り加えます。”人違い”でシャロン・テートを殺害するはずのマンソン・ファミリー一味は、”手違い”でリック・ダルトン邸宅に侵入し、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの手厚い歓迎を受けることになります。これにより一味は撃退され、シャロン・テートは生存、”古き良きハリウッド”は崩壊を免れるのです。

イングロリアス・バスターズではパリでヒトラーを暗殺したクエンティン・タランティーノ監督ですが、またしても歴史改変をオチにしてきました。2時間30分たっぷりシャロン・テートの身を案じていた自分としては、驚きが4割と、ほっとする気持ちが4割、そして暴力がシャロン・テートを覆うことを”期待”していた自分を恥じる気持ちが2割と、複雑な心境に陥りました。

なにはともあれ、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドは古き良きハリウッドを描くことでタランティーノ監督の映画への愛を示した作品です。細かいことは知っても知らずとも、ぜひご覧あれ。

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