『女子大に散る』 第7話・桜色ポリティクス
面接にやってきた午後の女子大キャンパスは、うららかな晴天の下で不気味なほど静かだった。
「どうぞお掛けになって」
「失礼します」
後に講師控室と知ったところで年配の女性と差し向かった。麗しい言葉づかいに誘われてのっけから談笑してしまう。
「先生ずいぶん背が大きいのね」
「それが中身は空っぽなんです」
「あらあら、そんなことないでしょう」
トヨムラ先生は、当時まだ三年めを迎えようとする看護学部の構想段階から関わってきた初代学部長で、ターミナルケアが専門の元看護師で