【短編訳】 最後の授業 (1873)
19世紀フランスの自然主義作家アルフォンス・ドーデによる、戦災としての「文化」の悲劇。
朝に家を出たときは、サボろうと思っていた。もう遅刻する時間だったし、まず国語の宿題をやっていない。またハメル先生にこっぴどく叱られてしまう。
暖かくて、空気の透きとおった朝、ツグミが清らかに歌っている。わざわざ行って怒られるより、このままぶらぶらしている方がいいよなあ。
そう思っていたのに、草地のむこうに演習中のプロイセン兵がいたから、急いで学校へ向かった。なるべくそっちを見な