はじまり

2018年9月13日(木)

集合は朝早かっただろうか。
かなり弾丸だった気がする。
レンタカーの予約、目的地は丸投げ
正直なところ、旅行のプランを組むのは苦手だったが
自分なりに頑張っただろうか
池袋のタイムズで借りた。
翌日の9時までのプラン。
丸一日借りた。ゆっくりとドライブができる。
このとき
8月29日に免許を取得したから、まだ20日弱ぐらいしか経っていない。
その練習という題目で、これが成り立ったのだ。

行きは順調だった。
運転するのは嫌いじゃないし、高速道路を運転できる絶好の機会だ。
運転できるというワクワクにとらわれていたのかもしれない。

目的地は奥多摩
八王子出身の僕からすれば、東京の西は自然に溢れているのを知っている
しかし、奥多摩にはいったことがなかった。

奥多摩は鍾乳洞をみたり、奥多摩湖をみたりとにかく自然に溢れていて、
ドライブがメインだったとは心が洗われた気分だ。
川の水が透きとおっていて、これが浅川に流れているんだと思うと、
なんか懐かしい気分になった。

画像1

お昼に食べたのは蕎麦だ。
「丹三郎」というお店
なんで、お店の名前を知っているのか。
それは今もInstagramをフォローしているからだ。

画像2

味にはもちろん満足していたが
その家屋の造りに、非日常の環境に吸い込まれた。

都内では感じることができない空気に、疲れてはいたけれど
充実した1日を送れていたはずだった。

はじまりは、1番大切な人とのはじまりだ。
夜だ。
大学前まで車が到着すると、
返却はまだ翌日だったのもあって近くまで送ることにした。
6人中2人は大学前で降り、残りの3人を送ることになった。
そのうちの1人が彼女だ。
2人は先輩だったし、先に送ったほうがいいのもあったし
ルート的に考えた時に彼女を最後に送ったほうがぐるっとして
自分の家に帰れたのでちょうどいいと考えたのは事実だったが
正直2人きりで話したかったのかもしれない

このみんなで遊ぶこと以前から
彼女とは頻度は多くないけれどLINEはしていたし
2人でご飯を食べに行ったこともあった。
やっぱり話して楽しかったし、なにより当時から圧倒的に可愛かった。
後輩とは、中々話すことがない自分が
唯一話すことができる数少ない人であった。

事件が起きたのは、1人目の先輩を下して
2人目の先輩を駅前下してすぐのできごと。

なんという駅か忘れてしまったが、JRの駅ではなかった。
そのとき駅前は工事をしていて、片側一車線だった。
誘導の人が停車を促す。
対向車できたのは、タクシーだった。
かなり道幅はせまく、誘導に近寄り過ぎたと思った僕は
善良の気持ちで、バックをした。
それが過ちのはじまり。
後ろをしっかりと確認していなかった僕は、
後続車に追突した。
がんっ
その時は頭が真っ白だ。
え?
疑問が頭の中をよぎる。
事故を起こしてしまった。
しかも、これから、ようやく2人きりになれたのに

救いだったのは、
ぶつかってしまった相手がタクシーの運転手だったこと
報告だけしないといけないから一応警察に連絡するねと
そのあと大丈夫だから、と言ってもらえた。
なにをすればいいのかわからなかったし、
とにかくパニックで
点数どのくらい引かれるんだろうとか
弁償いくら払うんだろうとか
そんなことがグルグルしていた気がする。
幸い、事故の規模も大きくなかった。
誰かを怪我させたわけではないし、
補償も1番手厚いのに加入していたので、お金を払うことはなかった。
状況確認を警察からされて、その場は終わった。

しかし彼女を家まで送らないといけない。
こんな事故を起こしたあとで
正直気分は正常じゃない、異常だろう。
なのに、こんなカッコ悪いところをみせて
「最悪だ」
もうこの一言に尽きる。
今すぐこの場所から逃げ出してもいいのなら逃げ出したい気分だった。

でも彼女は励ましてくれた。
気まずい沈黙が続くと思っていた。
それは予想とは180度違った角度から状況だった。

惹かれた紛れもないキッカケだ。
いや、もしかしたら決め手だったのかもしれない。
正直、どんな言葉で励ましてくれたかはパニックだったことも
運転することに必死で明確には覚えていない。

けれど、彼女を幸せにしたいと思った。
これは恩返しなのかもしれない。

家の近くまで送り、
帰ってから電話で話した。
不安で仕方ない、自分に付き合ってもらった。
表面じゃなくて、中を受け入れてもらったことが嬉しかった。
彼女と話していると自然と落ち着いてくる。
それは今も変わらないし、これからも変わらないだろう。

今は会えないし状況の中で
中々伝えるのは難しいけれど
こんなに可愛い彼女と一緒に入れることができて
幸せものだ。
もっと彼女を幸せにしたい。
ありがとう。


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