Blue & Gray
BTSの新しいアルバム『BE』のBlue & Grayという曲を、このところずっと聴いている。
悲しみに満ちていて、切なくて、同時に希望も見出せる曲。
メンバーの一人が、一番苦しい時に書いた曲だ、と言っていた。
この曲を聴きながら、何年か前の自分の誕生日に書いたメモのことを思い出した。人生で、一番絶望していた時のこと。
当時の写真には、周りの友人に用意してもらったバースデーケーキを前に、花束を抱えた私と娘が写っている。今よりもずっと若くて、ほっそりしていて、微笑んでいるようで奥底では泣いている私。
その時に味わった感情、悲しみや絶望感も、一緒に思い出した。
あんな気持ちになったのは後にも先にもあの時しかない。言いようのない絶望だった。本当に辛かったなと思って、ちょっと泣いた。
でも大丈夫だよって、あの時の私に言いたい。
その後も色々あって、当時味わったような絶望をまた何度か味わってギリギリで生きていくけど、私は人生を諦めないでいてくれた。勇気を出して、ちょっとでも幸せになれる方に動いてくれた。
そのおかげで今、自分の人生を生き直して、一生手に入れられないと思っていた幸せを、手に入れられている。
きっとびっくりするだろう。一緒にいる人も、住んでる場所も、あの時からすっかり変わってしまった。
でも、自分の心の声に従ったら、いつのまにかここに来てたんだよ。だから、自分の心を信じて。どうにか壊れないように頑張って。
そんなことを、窓の外を眺めながら思った。
結局のところ、本当の幸せは、のほほんと暮らしているだけでは手に入らないんだと思う。
幸せになるための努力と、人を愛する努力が必要だ。
私は、結婚した当初、それをしなかったんだと気づいた。
愛してくれなかった、と最後は悲しかった。
何の条件もなく、日々過ごしているだけで相手は自分のことをずっと好きでいてくれるもんなんだと思い込んでいた。
でもそんなわけはなかったし、何よりも自分も相手を愛する努力をしなかったんだ。それじゃあ、結末がアンハッピーで当たり前だ、と思った。それをわかってなかった若い頃の私は、あまりにも浅はかすぎた。
私が次に進むためには、自分の課題を、自分の中でちゃんと解決する必要がある。
心の中に引っかかりや課題を抱えたままで、自分自身と向き合わずに幸せになることはできない。人を幸せにすることもできない。
そのために、きっとまた苦しい思いをするのかもしれない。
でも、Blue&Grayを何度も聴きながら思った。
今でも過去の辛かったことを思い出して涙するけど、その度に優しさに触れたり、今の幸せを噛み締めたりして、それに対してもまた涙する。
こんな経験をこれから何度も何度も繰り返していって、次第に過去の辛さが自然に昇華されていくんだと思った。
もちろんそれだけじゃ不十分で、きちんと向き合うようなことも必要になっていくと思う。でも、今自分が触れている喜びや愛を大切にして、それを感じきって生きていくことが過去の浄化に繋がっているような気もした。
人生で一番苦手で、一番見たくなかったテーマがあるとしたら、それは実は人生で一番欲しているものなんだと思う。
ということは、そのテーマに正面から向き合わなければ本当の幸福は得られないということだ。
私の場合それは愛、家族、だと思う。
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