日本語が、好きです。

みなさんこんにちは！寒いですね。りえです。12月だなんて信じられん。

今回はただのブログではなくて、私が所属しているデザインサークル「dp9」のアドベントカレンダー企画に投稿するための作品です👏

何を考えるべきか、いろいろ考えて、考えて、考えて、…………わからん！！！！！！！
となったので、もう今日はとにかく今まで語りたかった「わたしのかんがえるさいきょうにうつくしいにほんご」について書いちゃいます。やった〜🎉

1.前提：とてつもなく惹かれる日本語を食する喜びについて

話の前提として、まずわたしが有しているひとつの快楽について語ってみたいと思うんですけど、

美しい文章って美しくないですか？（進次郎構文）

あの、もう少し丁寧に言語化しますとですね、
なんかこう、たまらなく惹かれる文章を摂取すると、全身に戦慄が走るというか、体中がぎゅうっとなって火とか吹くんじゃないかなって思うんですよ。それでいてもたってもいられなくなって走り出したくなる気持ちになるというか。ぞくぞくして、とろんとして、もうほとんど官能的な何かに近い快楽を、美しい文章を摂取した瞬間に得るんです。

言語として何が正しいとか、そういう話じゃないんです。なんか、もう、根源的で身体的な、そして瞬間的な何かなんです。その文章が目に入ったら、理屈を考える前に体が反応する、そういう「美しさ」の話をしています。

だから、これはもうわたしにとっては欲であり官能だとわかっています。人それぞれ好きな食べ物が異なるように、人それぞれ好きな文章も違うと思う。ので、以下はただの性癖語りだと思って読んで欲しいんです。
あーこいつマグロは漬け派なんだなーみたいな（？）、それくらいのつもりで読んでください。そしてよければあなたの好きな文章もたくさん教えてくださいね。

2.私は漢字は7割弱が好きだ

前置き長かった。本編です。

人それぞれ、理想の漢字のバランスってあると思うんですよね。たとえば新聞なんかじゃ、結構「ひらく」って言ったりするでしょ。だいたいざっくり3割〜半分くらいが漢字なんじゃないのかな。多分そのあたりが一般的には好まれる量なのかなって思います。

だけど個人的には、自分の好きな文章は漢字7割弱くらいが多い気がします。ちょっと堅苦しいのが好きなのね。

例えば、
「あなたの好きな日本語はなんですか？よかったら教えてください。いろんな人と日本語の話をするのが楽しいんです。」
よりも
「貴方の好きな日本語をよければ教えて頂けませんか。色々な人と日本語の話をするのが趣味で。」
くらいの文章が好きです（全然7割にならなかったけど伝われ！！！）。

「いただく」は補助動詞だから平仮名が正解だよ、って言われても、漢字で書かれる方が好きです。個人的には。自分はくせで平仮名に修正しちゃうけども。漢字大正義！！！！！漢文苦手だけど！！！！！

3.わたしは意思を持った平仮名が好きだ

のわりに、不意に出てくる平仮名が大好物です。わたしは。これは漢字7割の範囲外なくらいに好き。

特に一人称。
「僕」と「ぼく」の違いは結構わかりやすいと思う（「ぼく」だとショタ感出るよね）のですが、「私」と「わたし」も、「俺」と「おれ」も違うと思っていて、そういうのが不意に出てくるのが本当にもう大好きです。

普段俺って書いてるひとの唐突の「おれ」、とてもよくないですか。逆もまた然りで。

ちなみに「人」と「ひと」とかも鉄板だよね。意思を持った平仮名。人が「ひと」になるだけでこんなに愛おしさを孕んだものになるって、これだから日本語はやめられない。そういう細やかな意思がチラ見えする瞬間に、わたしはもう動けなくなるほど胸が潰れます。

4.わたしは、句読点がしっかりと打たれているのが好きだ。

「、」「。」、、、、、、、、、、。。。。。。。。。。。。。

尊。

わかる！？来て欲しい瞬間に句読点が来たときの喜びとか、来て欲しい瞬間を裏切って句読点が来たときの妙への戦慄！！！！！

こ、こんな斜めの棒一本や小さな円一個ごときに……！！！って思うんですが（？）、やっぱり句読点が絶妙に挿入されているときの快感はひとしおですね。句読点っっっっっっっっ、、、、、、、！！！！！！！！ってなる。手先足先までもうぞくぞくきて止まらないもん。

基本的には、きっちり打たれてるのが好きです。多すぎず少なすぎず。

例えば、
「好きな日本語教えて〜」
よりも、
「あなたの、好きな日本語を教えてください。」
が好きです。
（※ちなみに超超余談ですがあなたがあなたか貴方かはキャラと文脈によるけど、わたしは割とあなたはひらく派で、でも貴方って使われて昇天しそうになるときもあるから、なんかもうほんとに時と場合によります。）

こんな感じなので、電車で本読んでると挙動不審になってないか不安になりますね……。でもTwitterはもちろんのこと、LINEとかSlackとかメールとかで不意に性癖に刺さりまくりの文章に出会っても挙動不審になるので、もう逃げ場がねえ……ゲームしか……できない……

5.わたしは、時折混ざる話し言葉が好きだ。そのバランスの妙に、なんだか恋に落ちちゃいそうな気がするから。

書き言葉にほんのひとさじ混ざる話し言葉何〜〜〜〜〜〜〜！？！？！？

好き〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！！！！！！！！！

それが感情の発露によるものであっても、場を和らげようとした配慮によるものであっても、どちらにせよその話し言葉が混ざった瞬間の美しさよ……

恋なんですよこれはもう。恋。ほんとに恋。
頭抱えちゃうくらい好きで、何度も読み返しては反芻して味わい尽くして、神様ここに「ん」を入れてくれてありがとうとか、筆者様ここに「ので」を入れてくれてありがとうとか、そんなことをずっと思っている。

でも例えば、ファッションだって甘辛MIXとか（古い）そういうひとさじのスパイスに刺激されることってあるじゃないですか。カレーに隠し味でリンゴとか蜂蜜とか入れるじゃないですか。あれと同じ感じで、書き言葉中心の世界に不意に混ざる話し言葉は無限に味わえる。

大好きだよ。おれのかわいい日本語ちゃん。

6.〆：1.258億+αの日本語が、ここにある奇跡について。

ここまで蕩々と好きな日本語について語ってきましたが、無論これに全然当てはまらない日本語も好きです。この記事の〆に、わたしが時々感謝したくなるような奇跡について語ろうと思います。

日本語は（日本語に限らずどの言語も）時間をかけた芸術であるとともに、瞬間芸術でもあると思います。練り上げられた美しさのある日本語もたくさんあるし、不意に漏れた日本語に、思わず衝動のまま書き殴った日本語に脳天をブチ抜かれることもある。
さらには、多くの場合、発信者が芸術であることに気がつかない芸術でもある。書き手が文字通り人生をかけて熟成してきた日本語を、見る側が（わたしが）芸術的だと受け取っているだけ。

だからこそ、わたしは日本語が大好きです。

たくさんの日本語話者が、数えきれぬほどたくさんの日本語をこの世に生み出している。わたしはこの先も気が遠くなるほどの人生の切れ端に出会って、失神するほどの衝撃に見舞われるのでしょう。
その人生の切れ端は、きっと発信した当人にとってもたくさんの無意識と無作為があって、その無意識と無作為と作為の交錯の匂いを嗅いで、わたしは胸を詰まらせるのでしょう。
偶然とか奇跡とかそういった言葉でしか形容できない出会いが、たった十何文字の出会いが、わたしにはこれから待ち受けている。

わたしはその事実をずっと、愛している。

0.番外編：わたしの、一番大好きなもの。

ここからは番外編で、ちょっとだけ私×dp9について。

実は2020年からdp9に入り（入会の経緯はdp9のブログに書かせていただきました🙏こちらです）、デザインを勉強させてもらっているのですが、

なんだあの人たちバケモンか？？？？？

って経験を、現在進行形でたくさんしています。デザイン、イラスト、動画、建築、音楽、ファッション……さまざまなものに凄まじい熱量を向けている人たちがdp9には集結していました。

で……まあ手っ取り早く言うと心が折れました😇

ってのは冗談です！！！勉強する気満々ですよ！！！！！！
まあでもそういう、何かに強い熱量を持っている人を見ると、相対的に自分の熱量の少なさを感じることはよくありました。デザインも音楽もファッションも（イラストと建築は初めから専門外として）、私にとっては日常の一部として楽しいものであって、日常の全部を捧げるようなものではなくて。そんな自分に勝手に引け目を感じたり、すごいなあって周りを尊敬したり、良くも悪くも人の熱量に触れた一年半だったと思います。（一応断っておきますが、dp9はそういう人でも楽しめる居場所です。単に私が負けず嫌いで上見てすぐ悔しくなりがちなだけで笑、周りからプロフェッショナルであることを強制されることはないです！）

じゃあ自分がそんな熱量を持てるものって何かあったっけ。
日常の全部になりうるもの。いつ何時でも頭の片隅にあるもの。
他の人が気づかないような1px、1/30secの誤差にも気づけるもの。

あー、やっぱり日本語だな！

ってなわけで、今に至ります。
日本語という幹を持って、そこにデザインや音楽やファッションやその他たくさんの枝葉をわさわさと伸ばしていけたらいいな。私はそういう軸でdp9や、その他のものと関わろう。みたいなことを決めた一年半でした。

もちろん日本語だって、私は決してプロとしてデビューできてるわけでもないし、日本語のフィールドだって自分より遥かにすごくて熱量を持っている人はたくさんいるし、きっとこれからも何度もこの幹にチェンソーが当てられるんだろうけど、そういう世界だけど、
でも、やっぱり私はここに執着していたいのです。