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星野源 inビバラロック2024

星野源のライブは2回目。

毎年さいたまスーパーアリーナで行われているビバラロックには2022、2023と家族4人で訪れていて、今年も参加予定だった。
すると、1番希望していた日に星野源が出演することが追加決定し、
年甲斐もなく家中を飛び跳ね、子供達にドン引きされたのである…。

遡ること7年前。

2017年のツアー「Cotinues」の追加公演
さいたまスーパーアリーナ。
「FamilySong」のシングルに封入されていたチラシでまさかの当選。
そこに4歳の娘と行ったのが、初めての星野源ライブだった。

度々運命というものを感じることがあるが、
今回も必然のような運命を感じた。

常日頃、いろんな音楽は聴くけれど
私の中には軸となるアーティストがいくつかいて
そのうちの1人が星野源。
ステージ全体が見渡せ、子供でも埋もれずに見られる正面のスタンド席についた。

1. 桜の森
2. SUN
3. Pop Virus
4. 喜劇
5. Ain’t Nobody Know
6. 仲間はずれ
7. くせのうた
8. ドラえもん
9. 恋
10. Hello Song
11. 地獄でなぜ悪い

2024.5.4星野源セットリスト

全11曲。
うち6曲は予想がついていて予習もバッチリだったが、あとの5曲はまったく予想すらしていなかった。

まず1曲目。
私は「桜の森」から始まる彼のセトリが大好き。
PopVirusから始まると思っていたので叫んだ!
ピンクの照明、揺れる会場。
踊らざるをえないサウンド!
星野源の歌う姿を目視で確認できる幸せを、噛み締めた。

2曲目は予想していたが思ったより早い「SUN」
ビーーっという始まりの音で会場が沸く。
ワンマンライブのような盛り上がり。
7年前もコロナではなかったが、またこうやって人が感嘆の叫びや歓声をあげ、アーティストに届けられるようになった喜びを感じた。

あまりの歓声に
「すごいね!笑
うるさいくらいだね!!笑」
と本人が言っていた気がする。笑

MCでは、
「自由に踊ってください!それぞれ自由な踊り方で。全然恥ずかしくないから!笑
俺なんて、フワちゃんに源さんの動きダセー!って言われたこともあるから!笑」
と言ってくれる。笑

自由に踊ろう!

7年前のライブでもそう言ってくれていた。
私も決められた振りや、周りに合わせる手の動きは苦手で。
しかし他のアーティストだと、そうは言われてもなかなか自由に踊る人は現れない。(経験上)みんな、あまり自由に踊ったことがないのだと思う。
星野源のライブは、全員の動きがバラバラだが会場全体が自由に揺れる中でものすごいグルーヴを感じる。
何万人もいるのに、こじんまりしたクラブのような自由さがある。
それはずっと変わらず、私がこの7年どこのライブに行っても得られなかった心地よさだった。
この空気感を出せるのが、星野源という人の魅力と音楽だと思う。

3曲目は「PopVirus」
これも死ぬほど今の星野源らしくて大好きな一曲。
アルバムのジャケットからも連想されるが、この曲のビートは鼓動のようだなと思う。

4曲目は「喜劇」
SPY×FAMILYのために書き起こされた、家族を描いた曲だ。家族で何度聴いて、歌った曲だろうか。
何気ない日常の美しさ。
ライブでは家族で手を繋ぎながら、揺れて聴いた。
生きて、こんなとこまで来て、横一列並んで
この曲を生で聴いている。
こんな幸せがあるだろうか?と泣いた、、

5曲目「Ain’t Nobody Know」
EP「Something」の一曲だが、フェスならSomethingをやると予想していたので驚いた。
美しい照明と音の浮遊感が心地いい。

6曲目、
この曲をやります…と前奏を聴いた瞬間
ギャー!とか叫んだ。
ここ最近で1番好きな曲だったから。
「仲間はずれ」
この曲に関しては別記事で取り上げたいくらい語りたいことがたくさんある。
音源よりももっと熱のこもった彼の歌声が、刺さって刺さってずっと涙が溢れていた。
息子とこの曲が聴けてよかった。

7曲目「くせのうた」
6畳一間で書いたこの曲を、何万人の前でやると毎回不思議な気持ちになるそうだ。
沸きに沸いた会場が、しん、となり
アコギの音が響く。優しい、優しい。
こんな優しいうたがこの世にあるだろうか。

知りたいと思うには
全部違うと知ることだ

この歌詞が大好きである。
脱線するがもう1つ、思い出がある。

7年前にこの会場で4歳だった娘は、この曲の途中で当時「ママ、うんち行きたい」と言ったのだ。
「うそだろ、ママの大好きな曲だよ。」
その言葉は堪えて、娘をトイレに連れて行ったのだ。5階席という最上フロアのトイレは、あんなに人がいるのに当たり前に誰もいなかった。
一緒に個室に入り、私は用をたす娘を見守りながら音漏れで聴こえる「くせのうた」を聴いたのだ。
ライブより、なぜかその時の光景を鮮明に思い出す。
「ライブ中に、うんちかい!」と言いながら笑いあい、私たちの声だけがトイレに響いていた。
早く戻るぞ〜!と言って小走りで場内へ戻ったことも。
娘はきっと覚えていない思い出に、涙腺が緩んだ。

8曲目「ドラえもん」
9曲目「恋」
子供たちは大喜びだがやると思わなかった2曲!
本人も「久しぶりにやりました!」と。
国民的アニメのタイアップソングだからじゃない、びっくりするほどライブ映えして盛り上がる曲だなと思った。
「恋」の前奏が鳴った瞬間、会場のボルテージも一気にあがり、完璧に振りをこなす者、うろ覚えではしゃぐ者、踊り狂う者。
みんなこの曲が大好きだ。

10曲目「Hello Song」
「最後の曲です…」たいって会場がざわめくと、
「最後なんですけどぉアンコールがあります!
一旦引っ込むんですけど、シャーンシャーンってみんながこう、手を叩いて何回かやるとね、また出てきますんで!実質あと2曲です!」
みたいなこと言ってくれて!!笑
会場を暖かく沸かすの、うますぎる。

「挨拶を交わす曲です」
この曲は聴きたくて、なぜか絶対やるだろうと思っていた!
サビではみんなで「ハロー!」と歌い、笑顔で手を振りあう。

何処の誰か知らないが
出逢う前の君に捧ぐ
この世未来切り開く
何でもない君に

(中略)

君と僕が消えた後
あの日触れた風が吹いて
その髪飾りを揺らす
あの歌が響いた

うずくまることばかりだけど
少しでも多く
僕らは今を作ろう


きーみとぼーくが消えたあと♪
なんてこんな明るく歌える人、いる?!
この曲も、死とか今とか未来が包括されていて大好き。
「また会えたら、笑顔で会いましょう!!」
もちろん!!!と心で即答した。

「会いにきて」でもなく「もしまた会えたときは」という謙虚さと、「その時にはお互い笑顔で会えるといいですね」という希望的観測。
最高。生きる。となりますよね(燃)

そして予言通りのアンコール。

〆は、最新曲の生命体か光の跡だろう。と思って
たくさん聴き込んできた。
どっちもラストに映えそうな曲だし。
確信に近かった。
しかし彼の口からは

「本当に世の中って、地獄ですよね!」

会場爆沸き、膝から崩れ落ちる人多数(私含め)!
娘ですらその一言で「うっわ〜!!!」と叫ぶほどに。

ラストは「地獄でなぜ悪い」

この曲もちょっと別記事にしなければいけない思い入れがあるので後日。
私だけじゃない、きっと多くの人が救われた、今も救われ続けているであろう曲。
笑顔で、地獄をくそくらえと叫ぶ。
星野源にかかれば、重すぎるヘイトも、
こんなにも明るいポップスに。
歌詞の一つ一つが、メロディの全てが、会場にいる人たちの心を包んだだろうな。

最高の締めくくり。
あっという間だけれど、ワンマンのような一体感と暖かさ。満足感がとんでもなかった!

帰りにふと、まだそんなにライブが得意ではない息子が言った。
「なんでこんなにたくさんの人がライブにわざわざ行くの?」

「いつもはみんな、お家や車、いろんなところでそれぞれ音楽を聴いて元気をもらってるでしょ。
そんなみんなが集まって、暗いけどあんなにライトが綺麗な場所で、毎日の嫌なことも忘れて、音楽だけに没入する時間なの。没入ってわかるかな?
本を読むとその世界に入れたみたいになるよね?音楽もライブで、体が揺れるほど大きな音で、音楽の中に入って包まれるような気持ちになるんだよ」

…わかりやすくしようとすると、説明が長くなる。

息子は「ふーん」とだけ呟いた。
娘は途中で聴いてくれなくなることがあるが、
こいつは聴いていないようで頭に入れている。

興味なさそうにしていたその後しばらくの日常で、
彼の鼻歌から、ライブでやっていた曲の節々が出てくる。
それでいい。
それがいい。

わからなくても、いつかはわかるし
経験したもの全ては無駄じゃない。
この世にある今を、
元気なうちに、自分の足で進み、
自分の手で掴んで、
芸術や表現をシャワーのようにたくさん浴びて
人は作られる、と思うのだ。

私はまたきっと、星野源に会いに行く。

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