#163 的確な回答は質問の解像度に比例する 24/5/7
みなさん、こんにちは。
今日は、「質問」のコミュニケーションエンジニアリングを考えてみます。
発端は、わたしの所属する採用部門のチームメンバーが、事業部門責任者に人材要件をヒアリングする様子を横から見ていて考えたことがきっかけです。
(ここからは実際の例を参照に加工しています)当該事業の採用したいスキルレベルを今の募集よりも引き上げたい要望がありました。一方、その求人は、同型の競合する求人との比較では競争力があるとは言えない特徴です。
そこで、そのタフな競争環境の中でも相対的に特徴を出しやすいターゲットを設定する作戦にしました。その時に、転職マーケット≒エージェントに特徴が伝わるよう人材要件をつくろうと折衝をしていました。
そのときの質疑応答がこんな具合です。
採用担当
「レベルを上げたいとのことですが、どんな人を採用したいですか?」
求人部門の部門長
「顧客のカウンターパートに立って、提案・交渉している経験があることが1つです。もう1つは、自分でも手を動かして実務を担える(プレイヤーの動きも一定割合あり)ことです」
「実務」の要件が募集対象職種を限定するため、この質疑応答のみで、初めの要件確認をほぼ終えました。
このあと、ターゲット設定が行き詰まったことは想像に難くない、ある意味当然の帰結です。
そして、ヒアリングは2ndラウンドに進みます。
その前に、わたしは同僚から助言を求められました。
そこで3つほど示しました。
今のお客様(マーケット)からの引き合いはどんな課題背景が多いのか。
そのニーズに対して、実際に担うジョブの範囲と提供する成果物は何か。
要するにどんな人を採りたいか、理想のパートナー像ではなく、マーケットとジョブの観点を捉えることが先では?と助言しました。
実際にこれを用いて2回目のヒアリングをしました、その場にはいなかったのですが、ヒアリング結果をまとめた内容を共有してもらいました。結果、まだその情報では、ターゲット設定に進めない様子でした。
実は、予想していたことです。
わたし自身は、先の助言に挙げた質問の解像度で返ってきた回答から、ターゲットまでイメージできる感覚を持っていました。
ですが、ほかの人とわたし、AさんとBさんは、それぞれ理解度のベースが異なります。ですから、自分の理解度に合わせた質問の解像度に変換することが必要です。
何を、どこまで、ヒアリングすることができたら=わかったら、人材ターゲットにまで落とし込むことができるのか、考えておくことです。自分の理解度に合わせて、助言をされた角度の質問を自分の解像度に合わせて、再編集する作業が必要と考えます。
質問と回答の原理はこうです。
具体的に質問をすればするほど、その回答もそれに応じた解像度で返ってきます。
抽象度が高ければ、その抽象度に合わせた回答がもたらされます。
たとえば、お昼のランチ時に
「何食べる?」
「う~ん、何でもいいですね。結構がっつり系がいいですかね」
「私は和食にしたいのだけど、希望ある?」
「私も和食がちょうど食べたかったです」
「今月、お財布事情が苦しくて1000円以内に抑えたいのだけど」
「いいですよ、弁当にしましょうか」
など質問の粒度に応じて、回答の解像度も変わります。
自分が出したいアウトプットを念頭に、それを作り出すために必要な回答、これを求める質問をする。それが質問設計であり、質問する側の質問責任と考えます。
もう1度まとめます。
質問の解像度に応じて、回答の解像度も変わります。
具体の情報が欲しければ、その具体に合わせた質問をする。
ビッグワードの質問であれば、ビッグワードの回答が返ってくる。
これが原則です。
さて、みなさんは質問で工夫されていることはどんなことですか。
それでは、また。
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