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#123 問題解決は手札を切る順番がキモ【1/2】24/3/28

みなさん、こんにちは。
今日は、わたしの失敗談を含めた経験を通して得た問題解決についての考えを2回に分けて共有してみます。

8年ほど前だったと記憶しますが、わたしが人事として担当としてプロジェクトのひとつに、報酬水準の引き上げがあります。人事的に言うと、報酬制度の改定です。

当時の人事課題は離職率の高さです。業界平均よりも高い水準でした。これは畢竟、経営課題かつ中でも優先順位高に位置づけられました。

しかし、その根本原因は報酬水準の低さでした。

一方、当時は従業員のやりがいを向上すること、上長が仕事の意味づけをすること、メンバーの成長課題に向き合い勇気づけること、これらのことをレベルアップすることが課題である、としていました。

この課題設定に対して、それまでも恒常的に離職率に対する改善アクションをしていました。しかしながら、それは客観的に振り返り敷衍すると、いわゆるやりがい搾取の文脈を持った対策だった要素もある、と反省も多いところです。

報酬は、従業員自身が発達課題を克服して、成長して、お客様に提供できる成果がともなった結果として上がる、上げる、との理屈を盾にしていました。

仕事の紆余曲折しながら壁を乗り越えて、同時に自分の発達課題も克服する、その過程もひとつの働くことの醍醐味です。

そんなコンテクストを、経営陣も、人事も作っていたと振り返ります。そして、それをラインの課長や部長のミドルマネージャーのマネジメントスタイルとして、メンバーを動機づけ(のポーズ)、メッセージしていたように考えます。

まずこの意味で、解決策の一手目が、打ち手そのものもイマイチですが、出す順番としてはじめの一手ではなかった、と考察しています。

この広義のエンゲージメント向上活動に数年取り組んでいても、離職率の改善には遠く及びませんでした。

ここでわたしたち人事部門も、いよいよ経営課題として報酬水準の引き上げ策を意思決定するか、が経営の最重要課題に位置づけるに至りました。そのうえで、当時の社長に当てにいくと、同じような緊急度で感じてくれていました。そのため、ボードメンバーと協議する段階にはスムーズ進むことができました。

このときに社長と人事部門で意識合わせしたのは、報酬改善の対策を選択するのが遅きに失した、ことでした。

まず解決策の一手目に、報酬改善の手当てがあって、次に先に打っていた対策のエンゲージメント向上の取り組みが二手目、三手目に選択するカードであったことを、ここで改めて確認できた次第です。

事実この報酬改善の対策後の早いタイミングでリテンションができた実績が増え、1年目から離職率の改善傾向が見えました。その後も継続して、上段のエンゲージメント向上取り組み続けましたから、一層にリテンションができる事案が増えていきました。

そして、3年後には当時の離職率から従業員数は増えながらも、半減し、業界平均並みにまで届くことができました。その後はさらに定着率が上がり、業界平均よりも低い離職率をキープするに至っています。

このことから、問題解決は、その解決策自体もさることながら、打ち手のカードを切る順番が、より課題解決効果に影響を与える、と経験則的に学ぶことができました。

みなさんは、問題解決の生産性をあげるために、どんなことがキーになると考えていらっしゃいますか。
それでは、また。


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