MISSING YEARS その2~1994年の巻

問題の新シリーズ第2回、今回は1994年に迫ります。相変わらず、歌謡曲の幻を追い求めながら、クリエイティヴ面では葛藤に悩まされていた1年でしたが、衝撃だらけだった93年からいい意味で揺り返しがあったという印象で、今回聴いた曲の多くに懐かしさがこみ上げてきました。それと、BECKを聴いたことも追い風となって、多少は表現面に新たな道が開けたかもという気がします。実は社内バンドを組んで、ベーシストデビューを危うくしかけたのもこの年でした。翌年にはさらに大きな転機が来るのですが、とりあえずどんな曲が流行ったのか、覗いてみることにしましょう…


「これ地味な…(歌い出し4小節目で) これは反則でしょう…ドラマでリバイバルヒットしたけど、これは平成の価値観じゃないし。この年はやっぱカート・コベインの死のイメージが大きかったから、今更この人を持ち出さなくてもって思う。80年代のプレイリストで聴きたいよね。音が80年代だし。」


「(イントロ2小節目で) 解った、あの人だ。丁度大ブレイクのあたりで、レコ社でも推していたし。未だに短冊CD持ってますよ。アイウエオ順に並べてるので、その前にのちに奥さんになる人が出した盤が並んでる(爆)。カップリングのカバー曲がいいんだよね。歌詞には今でも共鳴できる。」


「1秒で解った!これ1日に500回位聴いてた時期があったからね(爆)。いい意味でも悪い意味でも、レコ社での5年間を象徴した人。でも、この人の作風は意識するともろバレるしね。安直にインスパイヤされちゃいけない人。まじでバブリーな空気が伝わってくる。最早港区女子の中にしか生きてない哲学ですよね。これじゃ恋愛なんてできないよね(当時の自分へ)。これへのアンチテーゼとして『土曜日に楽しい集まりなんてしないで』という歌詞を書いたのかもしれないね。」


「あの人達…(歌い出しで) やっぱり、あの人達。(1オクターブ上がるところで) ここがピンポイントで強烈に印象に残ってるけど、やっぱ沢田富美子『ちょっと春風』に及ばないよね。無駄な情報が多すぎで、ある意味今のJ-popの雛形にはなっているな。でも、今J-popを作ってる人達って、親がこの人達の世代でさえないからね(汗)。当時の曲って、真剣に聴いてなかろうが脳裏に残りやすいからね。」


「来ましたね、爽快なロックサウンド。こういうのが入ってると嬉しいね。(歌い出しで)あ、あの人達だ。デビューからレコ社の時バックアップしてるので、めちゃ親近感あるし。のちにヴィジュアル系の源流と言われるものを軽視しちゃいけないよね。サビは歌えるしね。めちゃギターがいいしね。曲の内容が求めている音という気がする。」


「超王道ネタがきましたね!確かに、今の価値観では共感できない歌詞ではあるけれど、これは名曲だし。ポップンミュージックで初めて叩いた曲だし(汗)。これも30年前かぁ…ご飯炊いてくる…」


「夏のバンドですね…これは曲名が一致した!そこまで熱心に聴いてなかったんですけどね。93年の曲は忘れてたのになぁ。」


「懐かしい!忘れてたけど!これは聴けて嬉しい。ワンオフプロジェクトらしく遊び心がいっぱいだし、色々と隠しリスペクトが込められてる。伊秩さんにはお世話になりました…商品メーカーの方とは色々と確執がありましたが…(この話はオフレコで)。タイアップが前提にあったからこそ、ここまでマニアックなことができたんかな。」


「サブスクらしく前の曲からうまく繋がったな…これは知らない人がいないレベルの曲。初期はネオアコ系のバンドと認識してたな。」


「歌い出しまでが長い…あ、解った。例のドラマのやつ。この人はいかなる時代でも影響力が強いよね。色んな人がライブでカバーしててた。」


「永遠のアンセムですな。この人達のメジャーデビュー前のアルバムはリアルタイムで買ってるし。イディオム的には今のラップの雛形的なフレーズが既に多数出てきてる。」


「(歌い出しで) あの人ですね。93年編には選曲されてなかったけど。デビュー前から仮想敵としてたけど、この辺りから価値観が妙な方向に向かい始めてる。数年後により明らかになるのだけどね…自分がそういう方向に行ってたら、今頃どうなってたのかなって思う。」


「1秒で解った。この辺の曲のおかげで揺り返しがあったのかな。さすがに、あまり言葉を発する必要に駆られない曲だな。」


「これは解る…あまりヒットした印象ないけれど、レコ社時代めちゃ推してたし、近年になって再評価が高まったのかな。セクシーフレンド・シックスティナインが好きだな。やっぱ、SMAPの不在ってでかいなと思うんだよね…」


「これも解った…有名曲だけどタイトルが即答できない…やっぱいいですよね。EPIC時代のエレカシとか、こういうとこに混ざると違和感あるんだろうな…」


「グループの方…じゃない、ソロの方だ。93年の16曲目はシングルとしてはめちゃ先行だったんだな。アルバムの発売イベントやったの9月で、池袋のタワレコだった。このタイトルの曲は、どうしても三橋ひろ子を優先して連想しちゃうんだよね(汗)。」
ここで、どうしてこれが1994年トップヒッツなのかと疑問を抱かせる曲が流れてくる(いわゆるヴァイラルみたいなやつ?)が、こちらでは対象外とします。「黄昏みゅうぢっく」の方でなら語る気満々になるけどね…


「一気に現実に戻った…この曲の時はまだブレイク前だったような気がするのだけど、多少は縁があったグループですね。ちょっとシューゲっぽい雰囲気があって意外だな。」


「1秒で解った…けど、ヒット曲としては1994年の曲じゃないんですよね。知らない人いないレベルの曲になるなんて誰が予想したか?ある意味、共通言語と化した感がある曲ですね。」


「(歌い出しで) これはネタ曲になりましたね!所謂ミーム化したやつ。いつからそうなったのかわからないけど。色んな逆境を潜り抜けた人だし、おかげで未だに強さを保ててる。さてと、残る1曲、フィッシュマンズか電気グルーヴが来るかな…」


「JETですね…いや違う!そうじゃない!(爆)。最後に相応しい曲が来ましたね。これも共通言語。モナレコでやったセッションイベント『バンドやろうぜ』でも即席で組んだバンドでこの曲を演った。ドラム叩きました(汗)。こうしてみると94年って集中してますね。結局、B’z、ZARDが出てこなかったけど。いい意味で敏感さを取り戻せた年だったかもしれない。20代最後の年なのに(汗)。」

「1994 JAPAN TOP HITS」から流れた曲は、この20曲でした。
①OH MY LITTLE GIRL/尾崎豊
②IT’S ONLY LOVE/福山雅治
③ロマンスの神様/広瀬香美
④BOY MEETS GIRL/TRF
⑤Rosier/LUNA SEA
⑥恋しさと せつなさと 心強さと/篠原涼子 with t.komuro
⑦夏を抱きしめて/TUBE
⑧冷たいキス/ICE BOX
⑨innocent world/Mr. Children
⑩空と君のあいだに/中島みゆき
⑪今夜はブギー・バック/小沢健二&スチャダラパー
⑫SPY/槇原敬之
⑬愛のために/奥田民生
⑭風の吹き抜ける場所へ/FLYING KIDS
⑮朝日のあたる道/オリジナル・ラヴ
⑯祭りのあと/桑田佳祐
⑰上・京・物・語/シャ乱Q
⑱空も飛べるはず/スピッツ
⑲違う、そうじゃない/鈴木雅之
⑳歩いて帰ろう/斉藤和義

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