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ラブホの正社員2日目

ローションを使ったことがある方はいるだろうか。白々しく問いかけてみたが多分性別に関係なく日本人の90%ぐらいは使ったことがあるだろう。みなさん誰しもがドンキに売っているペペローションだったり海に流しても大丈夫なローションで由比ヶ浜の海でのローション相撲を楽しんだ事があると信じている。

全然関係ないが、行きつけの美容院のお兄さんが男数人でローション相撲をしたと聞いてから美容院を変えようと考えている。週末に行くとビールが出てくる珍しい美容院なので名残惜しいが仕方がない。誰か都内でビールの出てくる美容院を教えてほしい。

話が逸れてしまったがラブホテルではローションを使用する頻度が高いのか、必ず1日に3部屋ほどローションでぐちゃぐちゃの部屋がある。現場の惨状は主に下記の2パターンだ。

・風呂にお湯を張ったところにローションを投入

・ベッドでローションプレイ

入って2日目でこの両方の部屋を経験してしまったのだが、控えめに言っても地獄だった。今回は風呂にお湯を張ったところにローションを投入に纏わる日記である

使いきれなかったローションが置いていかれていた。迷える子羊だ、可哀想に。ベッドに小綺麗に置かれているならいい、とてもいいカップルだと思う。違う、お湯を張った風呂にローションを投入している。

透明で見えない。もしこれを客が踏んだら燃え盛るドラマティックラブに水を刺してしまうことになる。そうなれば結婚を誓い合った2人は別々の道を歩むことになってしまうし、僕はクビになる。焦る心と滑り出す足、ローションを必死に掃除し始めるが手が滑るだけで落ちない。きっとカップルはそんな様子をどこからか眺めていて、僕の事をローションに勝てない貧弱な男だと嘲笑っていることだろう。末代まで墓にローションを塗ってやろうと思う。

Googleで調べてみると、どうやらボディーソープはローションを落とすらしい。僕は手元のボディーソープを取り出し、蓋を開けて湯を抜いたバスタブにかけた。そこにもローションが入っていた。完全な悪戯である。じゃあシャンプーはどうだと思うとここにもローション。仕方ないからぬるま湯を出してマジックリンを倉庫から持ってきたが全然落ちない。ぺぺローション1本をぶちまけるのはバスタブにはいる約200Lの水に対して多すぎる。悪戦苦闘していると職場の神様こと風呂掃除20年の達人おじいちゃんが熱湯を沸かしたやかんをもってきて湯船にかけはじめた。それを水で流すとヌメヌメしない。流石神様である。順調に風呂掃除を終えてチェックに入った時、事件は起きた。

チェックの際にバスタブに入って中に垢や髪の毛がないか確認するのだが、踏み入れた瞬間に足を滑らせた。原因はなんだろうな、勿論ローションである。神様も名ばかりだ。熱湯持ってきてドヤ顔してたくせに全然落ちていないじゃないか。そのままバスタブの端っこに頭を打ちつけて心が折れた。

ローションは落ちない。神などいない。ラブホに勤めて2日目に学んだ教訓であった。


甘いもの食べさせてもらってます!