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帯広空港でJALボーイング737を満喫 日帰りチャーターフライトに参加しました <機外見学編>

前のお話はこちら… click please !💕
コックピット見学の興奮も冷めやらぬまま
今度は整備士さんの案内で機外見学に
参ります。

機外見学開始

今日は天気も悪く、
空港エプロンでは傘が使えないので
レインコートを着て臨みます。
外は寒いですが、大好きな飛行機を
至近距離で見れるということで
テンションも上がっており
寒さもあまり感じません。
整備士さんが説明を始めた途端、
羽田行きの飛行機が爆音で離陸して行き
説明もかき消され‥‥
目の前で飛行機が離陸する迫力を実感!
時速300KM弱ぐらいの速度が出ているんですよ。
そして、写真も説明中に気にせず撮っても
いいですし、質問があったら
割り込んで聞いてくださっても
いいですよとも親切に仰って頂きました。
有難いことです。

機体前方の説明

飛行機の前には、ヒゲのような部品が
付いています。
とんがったり、まるっこかったり
色がついていたり、
飛行機の顔を形成する鼻先部分。
コックピット計器に表示される、
機体を取り巻く様々な状況を
取得するセンサーが多く
取り付けられていますね。
これにはどんな役割があるのでしょうか。
整備さんのお話を聞いてみましょう。

機体前方での説明

■ピトー管
 飛行機のスピードを計測するもの。
 空気が先端から入ることにより計測され、
 片側に1つ、反対側に2つ、
 合計3つ取り付けられている。
 飛行機は空を飛ぶもので、
 故障はシビアな問題。
 車はスピードメーターの1重装備だが、
 飛行機の場合は故障を考慮して
 3重装備となっている。
 他も重要なもの
(例えば油圧系統、コンピュータなど)
 は大体3重装備となっている。

 コックピットでもありましたが
 2重3重に代替が用意されて
 フェールセーフな設計となっており
 飛行機は本当に安全に配慮された
 乗り物だということが分かりますね。

■AOA(Angle of Attack)
 これはグルグル回すことが出来る。
 上昇・下降・水平飛行しているのか
 飛行機の姿勢が分かる装置。

■温度計
 飛行機の外部の温度を計測する。
 
■ウェザーレーダー
 気象状況を360度、上下に動くような
 アンテナが中に入っている。
 これで前方の水分をキャッチし、
 その電波の跳ね返りを映像化して表示する。
 天気が悪い日などには、
 これが使用できない場合
 フライトキャンセルになってしまう。
 結構重要な装置。

エンジン説明

今日乗ってきた機体はボーイング737-800。
アメリカのボーイング社の飛行機で、
巡航速度は840km/hとのこと。
それでは、この機体が搭載するエンジンについて
話を聞いてみましょう。

737のエンジン(正面)

■馬力
 36000馬力あり、
 垂直方向に10tの物を持ち上げる力がある。
■二軸型のエンジン
 ・前の羽根(下図:緑の部分)はフリーに
  回すことが出来る。
 ・中心部分にある羽根(下図:紫の部分)は、
  ストローのようになっていて
  前の羽根の部品が刺さっているような
  二軸式の構造。
  ギアが付いていたり、
  エンジンポンプを回したりしている。

説明頂いたエンジンの構造(拡大)

色々なものが付いていて複雑なように見えますが
エンジン構造としてはすごく単純で
車のエンジンよりジェットエンジンの方が
単純な構造となっているとのこと。

さて、今度はエンジンの裏側に回ってきました。
轟音を立てて飛行機を飛ばしている
旅客機の力強いエンジン。
こんな近くで見る事ができるなんて!

エンジンの裏側

―ここからすごい勢いで空気がでてきます。
 到着したばかりの時は
 熱くて近寄れないですけど
 今はもう冷えているので大丈夫です。
 中に羽根が沢山あるのが見えますね。
 前の羽根と繋がっているので、
 前を回すと一緒に回ります。

前の方で他の整備さんが手で回してくれると
連動してこちら側の羽根も回っているのが
見えました。

エンジンと言えば、バードストライク時の対処が
気になり整備さんに聞いてみました。
「鳥とか入ってしまうと大変なんですよね?」
「鳥が当たるのは前の方です。
 一番鳥が入るのは、外側の周りの部分ですね。
 ここに当たっても、後ろまで抜けていくので
 大丈夫なんです。
 小さい鳥などは、大概そのまま後ろに
 抜けていきますね。
 ただ、ブレードが鳥が当たった衝撃により
 曲がってしまう事もあり、その時は大変です。
 一番大変なのは、相当稀なケースですが
 中の方、コアセクションというんですけど
 そこに入ってしまった時です。
 その時は中を検査しなければならないので
 大変になります。
 普段は羽根の外に当たることが多いので、
 その時は中まで検査しなくても問題ないです。
 ただ、鳥の大群に入り、何羽も
 エンジンの中まで入ったことにより
 ダメージを受けてしまうという事もあります。
 また、さっきのピトー管にも、鳥とか虫とかが
 当たると速度が分からなくなるという
 トラブルの原因となります。」

パイロットの皆様の話を聞いていると
バードストライクの話を聞くことも多く、
悩ましい問題であることは確かなようです。
田舎で自転車に乗っていると、
バードストライクならぬバグストライク
目や鼻や口に虫がぁぁぁ・・・という事も
たまにありますよね。。。(違うか😅)
キャプテ~ン!
ピトー管の中も要チェックですよ~。

メインギヤ説明

■タイヤについて
 タイヤの事について色々教えて頂きました。
 ・飛行機のタイヤはオールシーズン同じ。
 (車のように夏・冬用タイヤはない)
 ・急停止を行うため、強い摩擦により表面が
  モサモサ状態になってしまう。

メインギア

 ・車のタイヤとは違い、
  まとめて交換はしない。
  ダメージが出たタイヤのみ交換を行う。
 ・溝がなくなってきた場合、
  表面のゴムだけを張り替えて溝を掘り直し
  (リキャップ)して使用する。
  交換頻度は1か月に1回くらい。
  リキャップ回数はタイヤの側面に
  記載されており、
  4回程度はリキャップされる。
  ※Rはリキャップを示しており、
   Rがないものは新品。

タイヤにはリキャップ回数が記載されている 
(R-リキャップ回数)

■ギヤ室内
 そして、今回のチャーターフライトで
 楽しみにしていた事の1つ。
 ギヤ室内を見てみたい!ということでした。
 私が応援している、
 ボーイングのキャプテン3chから
 外部点検でギア室内に入れると
 聞いていたので、整備さんにお願いして
 見せて頂こうと思っていました。

 737はギアを格納した後、
 ドアが閉まる形式ではなく、
 タイヤがむき出しになったまま格納されます。
 理由としては、
 短距離路線での運用が想定されており、
 タイヤをむき出しのまま格納することにより
 高熱になったタイヤを上空の空気で
 早く冷却させるためと言われています。

 そのため、駐機しているときは
 ギアを格納する穴が開いており、
 その中を見ることが出来ます。
 今回見ても(写真も)OKとのことでしたので
 何と!中に入らせて頂けました。
 やった~!!

メインギアを格納する室内
※バケツのような部品の正体は3chが教えてくれました

 737は脚が短いので、頭をかがめて
 恐る恐るギアの中に入ってみました。
 中に入ると、どこを見ても配管でいっぱい!
 その複雑さに圧倒されました。
 整備さんに聞くと、
 ここは一番整備も大変なところだと
 仰っていました。
 このように複雑なシステムをメンテナンス
 するということは、
 本当に大変なお仕事ですね。

飛行機の燃費

 燃料タンクは、左右の主翼内部にそれぞれ1つ、
 そして胴体の下部に1つの計3つ
 備え付けられており、
 あわせて26000ℓの燃料が入る。
(🛁×約135杯分)
 1ℓでは約250m飛ぶことが可能で、
 165人の人をまとめて250m運ぶのであれば
 プリウスを1人で乗ったのと同等の燃費位で
 そこまで燃費は悪くない。
 東京まで大体4000ℓ位使う。

APU(補助エンジン)

 電気を作ったり、エンジンスタート、
 エアコンシステムに使用する
 圧縮空気を作ったりする。

 コックピットに入ったらバッテリーON、
 APUを作動という手順でされているのは
 メインエンジンをスタートさせるために
 必要だからなんですね。

飛行機のテールにあるAPU(Auxiliary Power Unit)

テールスキッド

 離着陸の時にお尻の部分を擦ってしまうような
 急な角度になった時、ここに接触する。
 今緑のラインが見えているところが
 赤のところまで凹んでいないか、
 擦り傷がないかどうか、
 到着した時に整備さんは必ず点検
 しているとのこと。

飛行機の下側、しっぽの付け根付近にある
テールスキッド

アウトフローバルブ

 機内の圧力をこのドアの開閉により調整する。
 飛行機はおおよそ10km上空を飛んでおり
 上空は空気が薄いので、エアコンシステムで
 空気の圧力を高めている(与圧)。 
 そのため、機内では空気が薄いと 
 感じないようになっている。
 上昇する時はこのドアは閉まっており、
 どんどん機内の圧力を高めていく。 
 上空に行くと、その時の状態により、
 少し開いたり閉じたりして機内の圧力を
 調整している。
 着陸するときには、地上の気圧に合わせるため
 どんどん機内の空気を抜いて行くので
 開いた状態になっている。

 アウトフローバルブですが、
 離着陸時の飛行機を見ていると
 状態を見る事ができるとのことです。
 みなさんも確認してみましょう!

翼の付け根下付近にある アウトフローバルブ

カーゴ

 JALでは、スライディングカーペットという
 オプションを採用している。
 荷物はバラ積みになるため、
 地上作業にかかる時間と手間を
 大幅に軽減できている。

カーゴ室

飛行機の床の素材

 飛行機の床はこのようなハニカム構造のものを
 板で挟んで出来ている。
 飛行機は飛ぶために軽く作る必要があり、
 軽量かつ頑丈な
 このような素材が使用されている。

飛行機の床材 樹脂ハニカム

今回も長くなってしまいました。
JALの整備さん、嫌な顔もせずに色々教えて頂き
大変ありがとうございました。
勉強になり、楽しかったです。
皆さんが大切に整備してくださった飛行機
愛情をもって、乗ったり写真を撮ったり
させて頂きたいと思います。

みなさん、飛行機の仕組みについて
興味を持って頂けましたでしょうか?
一緒に楽しんで行きましょうね。
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またよろしければ、
次回もご覧いただけると嬉しいです。
ありがとうございました。

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