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のうみそ
2018年9月4日 17:04
それは、真夏の日のこと。 やけに蝉が五月蝿く鳴いていた。じわりと汗ばむ暑さで、さらに熱気を感じさせる。生暖かい風が肌をなでて気持ちが悪い。目の前に、影がひとつのびていた。「暑い……」 じりじりと肌を焼き付けるような温度に、不平が漏れる。言葉にすると余計に暑さを感じるが、言わずにはいられないほどの熱気であった。 目を横に動かせば、元気な子供の声や、たくさんの人が海で楽しんでいる姿を遠