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もだもだとした話

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web夏企画に際して作成した小説とその蛇足
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後顧の憂い

 それは、真夏の日のこと。

 やけに蝉が五月蝿く鳴いていた。じわりと汗ばむ暑さで、さらに熱気を感じさせる。生暖かい風が肌をなでて気持ちが悪い。目の前に、影がひとつのびていた。

「暑い……」

 じりじりと肌を焼き付けるような温度に、不平が漏れる。言葉にすると余計に暑さを感じるが、言わずにはいられないほどの熱気であった。
 目を横に動かせば、元気な子供の声や、たくさんの人が海で楽しんでいる姿を遠

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蛇足

「先生、アタシはおかしいのでしょう。誰かは飲み込めるような出来事を、こんなにも、うだうだと嘔吐いているのだから。」

 白い箱のような空間に、簡易的な家具が少し。対面に並べられたふたつの椅子の間を隔てる大きな机。勉強机の上に置くような照明と筆記用具が、机の端に寄せられている。コンパクトなカレンダーには、カウンセリングの予約の時間が小さな字で書き込まれている。カラフルな文字であるのは、クライアントご

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