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NOAH〜君の想いの欠片を集めて〜 ③三つ目の欠片

次の日、学校で彼を見つけると、目で追ってみた。
一体君は誰を見つめているの?
ライバルは誰だ…

しばらく見ていて気になった事が1つ。
結構涼夏くんと目が合う。
俺の視線が目立ちすぎたかな。

バレる前にやめなきゃ。
気になったが、午前中で目で追うのはやめて様子をみることにした。

彼は最近写真部に入ったみたい。
俺は弓道部に入ったからなかなか会えない。

部活途中、先輩から頼まれて部員の飲み物の買い出しに中庭に出た。
その時カメラを片手に写真部の先輩と話している涼夏くんの横を通った。
あの先輩、3年でかなり有名な先輩だ。
スタイルも顔も良く、後輩にも優しい。
クラスの女子が噂してたっけ。

もしかして彼なのかな?好きな人。
頬を赤くしながら話す涼夏くんはいつもより数倍増しで可愛かった。

俺はモヤモヤしたまま先輩達の所へ戻って行った。
その後は全く的に当たらず、散々な結果に終わった。

部活が終わった後、急いで家に帰る。
あ、涼夏くんだ。
ん?カフェの2軒前で曲がって行った。
あれ?どこに行くんだろう。
彼の入った門扉に書かれた表札を見てみる。
並木…?
えー。
もしかして涼夏くんの家が俺の家の2軒隣?

しばらく門の前でぼーっとしてると中から物音がした。慌てて物陰に隠れる。

あ、着替えて出てきたんだ。
カフェに行くのかな。
俺も急がなきゃ。

「NOAH、僕部活入ったんだよ。」
「そうなんだね。どう?楽しい?」
「うん、先輩も優しいし、同じ1年の子も優しいんだ。入って良かったよ。」
先輩?同級生?もしかしてそこにいるのかな。
涼夏くんの好きな子。

「今日ね、外に写真を撮りに行ったんだ。そしたら、あの子とばったり会ってね、びっくりしたけど、嬉しかったんだ。」
良かった。部活は違うみたいだ。
あの先輩は除外だな。

「NOAH、今度ね、野外学習があるんだ。」
うん、知ってるよ。俺も一緒だし。
一緒の炊飯係だしね。
「そうなんだね。楽しみ?」
「僕、その時その子に話しかけて見ようかと思ってるんだ。」
「そうなんだね、告白するの?」
「そんな事できるわけないよ。まずは挨拶してみようかと思ってるよ。」
良かった。
俺もまずは涼夏くんに挨拶してみるかな。

炊飯係は各クラス4人ずつが集まり5クラスで集まって作っていく。合計20人でのご飯作りだ。
俺はなんとか涼夏くんと同じ係になる事ができた。
もしかして…

「もしかして、同じ係なの?」
「何でわかったの?すごいねNOAH」
20人いるけど、男子は半分の10人だったはず。
かなり絞れてきた。
俺と、涼夏くんを除くと残り8人。

でも、このまま涼夏くんの好きな子を探した方がいいんだろうか。
多分、見つけた時1番傷つくのは俺だ…

君の想いの一欠片 
三つ目 好きな人は同じ係の子

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