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櫻井中華そば店 @保土ヶ谷


◼︎2021年最高の一杯に出会ってしまったかもしれない。日曜日の朝、カーテンを開けると透き通ったスカイブルーと、朝日にギラリと照りつけられた京急の赤い電車とのコントラストが鮮やかだった。本日天気晴朗なれど予定なし。家にいてももったいないので急いでシャワーを浴び横浜へ向かう京急に飛び乗った(これは比喩であり、実際に駆け込み乗車をしたわけではない)。せっかくなので何か美味しいラーメンを食べようとネットを検索していると、食べログ4.10という別格のお店を見つけた。その名も「櫻井中華そば店」。そのシンプルな名前とあまりにも高すぎる評価が気に入り、横浜駅から横須賀線に乗り換えて一駅の保土ヶ谷駅で下車した。
東口を出て小さなアーケード商店街を歩くとすぐに20名ほどの長い行列を見つけた。到着したのは11:20、開店の10分前だったが、既に人気の高さが窺える。
お客さんは多いが店員さんのテキパキとした客捌きが見事で、一見さんでも食券を購入するタイミングや並び方がわかりやすい気遣いが優しい。並び始めてちょうど1時間が経とうという頃着丼。見た目はとても美しく、とくに半分に割られた寿雀卵の黄金の輝きは、日の出と日の入りを同時に眺めるような気高さがあった。
スープの最初の一杯が喉を通過した時、勝利を確信した。信州黄金シャモという鶏をメインにした出汁から作られたスープは中毒性があり、このままだとレンゲばかりが忙しなく働いてしまいそうだったので慌てて箸を使って麺を啜った。この麺も中太のちぢれ麺でスープをよく運んだ。一定の間隔でカールしているので唇に触れるのが心地よく、味以外でも人に安らぎを与える効果がある。
2種類ある焼豚のうち、体積の大部分が白い脂の乗った方は、口の中で旨味が弾けて幸せな気持ちにさせてくれた。あまりにも美味しすぎて焼豚だけでも買いに来たいと思ったほどだ。寿雀卵は黄身のとろみがまさに絶妙で、うっかりレンゲで触れてしまえば卵黄がべっとりと付着する具合だった。この卵は直売所に行列ができることもあるという大変人気の高いものだが、職人の手で極限まで上等に仕上げられた状態でいただけるのはなんとも贅沢であった。
当然、最後の一杯までスープを飲み干して完食してしまった。そして、この感動的な出会いに店を出たあとも一人で立ち尽くしてした。なるほど、4.10という食べログの評価もあながち大袈裟ではない。まだ4月の段階ではあるが年末の僕自身に対して、櫻井中華そば店を今年のベストラーメンに胸を張って推薦したいと思う。

櫻井中華そば店
4/18 特製中華そば・醤油 大盛 ¥1,170

◼︎所在地
神奈川県横浜市保土ケ谷区岩井町53
稲村ビル 1F
保土ヶ谷駅 徒歩3分
◼︎営業時間
木〜火曜日
11:30〜14:30
18:00〜21:00
※材料切れ早仕舞いあり
※2021年4月現在時短営業あり

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