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もう"採用広報"に迷わない。継続的に採用広報を出すための「題材 / 企画」選定のコツ

「和佐田さん、採用広報はどのような"題材"で、どのように"企画"をしていけばいいでしょうか?」

これは、採用支援をさせていただく中で、ある方からいただいたご質問です。このような悩みを抱えている企業様は多いのではないでしょうか?

特に採用広報といえば、まずは社員インタビュー(入社フィード)と言われていますが、社員インタビューを公開した後、求職者様に何か情報を届けた方が良いと思うけれど、どのような題材で採用広報を公開すれば良いのかわからない。そんなことを考える方も多いと思います。

そこで、今回は継続的に"目的を持った"採用広報を公開するために、必要なTipsをいくつかお伝えできればと思いますので、ご覧いただけますと幸いです!

1. 採用広報って・・・?

「採用広報」というワードは約5,6年前から流行り出し、現在では多くの採用活動の場面で使われています。ゆえに、「採用広報」と言っても、定義が曖昧になっています。そのため、本noteでの「採用広報」を定義してから始めていきます。

 1-1. 採用広報とは

まず、ポテンシャライト(以下当社)の採用広報の定義から。

採用広報とは:
企業の魅力を「狭く」「深く」打ち出すこと

👇 具体的には以下のようなイメージです。
※ 以下の図は社員インタビューを題材にした採用広報の事例です。

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 1-2. 採用広報の位置付け

当社では、「採用広報」"採用マーケティング"の手法の一つとして捉えています。本項では、まず"採用マーケティング"について説明します。

採用マーケティングとは:
採用活動における「応募」に至る前のマーケティング活動のこと

つまり、貴社を「認知」して「興味」を持ってもらって「応募」に至るまでに候補者様にどのような手法を用いて魅力を伝えるのか、そのフェーズにおけるアクションを指します。

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採用マーケティングの「手法」を具体的にご紹介すると、

 - 採用広報
 - 採用ピッチ資料
 - 採用ブランディング
 - Podcast
 - イベント全般
 - カンファレンス登壇

など、上記はほんの一部ですが、他にも多数あります。

上記の通り、「採用広報」は"採用マーケティング"の一つであることをご認識いただけたかと思います。

 1-3. 採用広報ができるまで

採用広報は、大きく2つのステップで進めていきます。下図のように、採用広報戦略インタビューです。

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本noteでは、採用広報の「題材」("どんな"魅力項目を広報するか)、「企画」(魅力項目を具体的に"どのように"広報するか)についてメインでお伝えするため、どのようにインタビューをするか?という手段の話ではなく、採用広報戦略の話がメインになりますので、ご理解いただければと思います。

個人的な所感では、採用広報は"採用広報戦略"が8割を占めると言っても過言ではありません。そのため、本noteをご覧いただくことで、採用広報を実施する中で感じている多くの課題が解消されるのではないかと思っております。

それでは、次項より本noteのメインの話に移っていきます。

2. 採用広報の「題材」選定のコツ

まず、採用広報の「題材」と「企画」について改めて説明します。

採用広報の「題材」:
"どんな"魅力項目を広報するか

採用広報の「企画」:
魅力項目を具体的に"どのように"広報するか

「題材」は"What"、「企画」は"How"とイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。

 2-1. "会社"の魅力を6P+CGM+Techで整理

まず、採用広報をするに辺り、会社の中でどのような魅力があるのか整理するところから始めると、採用広報の題材決めがスムーズになりますのでおすすめです。

当社では、上記のような会社の「魅力の発掘・言語化・整理」を採用ブランディングと呼んでおり、魅力設計のフレームワークを"6P+CGM+Tech"と表します。ご支援をしている多くの企業様が一番最初に行うものです。

では、具体的に、どのように魅力を整理するのか当社の事例を用いて説明していきます。

👇 ポテンシャライトの魅力設計シート (一部抜粋)

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上図のようなイメージで、魅力の分類分けを実施します。ここで重要なのは、6P+CGM+Techで魅力を網羅的に抽出することです。なぜなら、この抽出した魅力を元に、採用広報の題材を決めるためです。網羅的に抽出した魅力を項目ごとに絞って、「狭く」「深く」打ち出すことが採用広報です。

つまり、採用広報の「題材」を何にするかの議論になった時、6P+CGM+Techのどれかの項目に内包されると言うことです。

6P+CGM+Techについて詳しく知りたい方は以下のnoteをご覧ください。

 2-2. "職種"の魅力を6P+CGM+Techを整理

会社全体の魅力を6P+CGM+Techを整理したら、次は職種ごとに魅力を整理していきます。

まず、6P+CGM+Techの項目を全職種に該当するものか、職種ごとに変化するものかを理解する必要があります。

👇 平たく申し上げると・・・

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👇 詳細に申し上げると・・・

6P:
 - Philosophy
 - product
 - profession [職種の魅力]
 - person     
 - privilege
 - phase

CGM:
 - culture
 - growth
 - market

※ Techは幅が広いため、今回は割愛します。

結論、profession(業務内容等)が"職種ごと"になります。それ以外は、"全職種共通"で使用できる魅力です。ここから募集職種ごとに、professionの魅力を整理していきます。

募集職種と言っても、ひとえに「エンジニア」と一括りにするのではなく、メンバークラスのエンジニアにとっての魅力、リーダークラスのエンジニアにとっての魅力というように、細かく魅力を整理していくことが重要です。

ここまで採用広報の「題材」選定のコツについて話してきました。

3. 採用広報の「企画」選定のコツ

ここからは、採用広報の「企画」選定のコツについて話します。6P+CGM+Techの中から、題材決めをした後のアクションになります。大きく2つのステップから構成されます。

 3-1. 募集職種の"ペルソナ"を分類

まずは募集職種のペルソナを分類しましょう。

👇 セールスを募集している企業様の例

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👇 エンジニアを募集している企業様の例

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例えば、サーバーサイドエンジニアを募集している企業様の場合、Web系のエンジニア、Slerのエンジニアの大きく二つに分かれ、さらに細かく分類するとWeb系のエンジニアの中でも、どのようなフェーズの企業様に所属しているエンジニアを採用したいのか?と分けることができるかと思います。

一つの採用広報で伝えられる内容は限られており、伝えたい内容が多すぎても分散してしまい、結局何を伝えたいのかわからない広報になってしまうため、ペルソナを細かく設定することをおすすめします。

 3-2. 各"ペルソナ"に合わせた「企画」を選定

募集職種のペルソナを分類したら、具体的な採用広報の「企画」に入ります。各"ペルソナ"に合わせた「企画」というのは、一職種に対して、ペルソナを分けて採用広報を出すことです。

👇 イメージ

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上図はサーバーサイドエンジニア、フロントエンドエンジニアごとに、二つずつの採用広報が公開されている状態を表しています。

ここで覚えていただきたいのは、同じペルソナに対して、複数の採用広報は不要ということです。例えば、LINE社、リクルート社など、メガベンチャーと呼ばれる企業様の出身メンバーが2名在籍しているのであれば、どちらか1名を題材した採用広報を行えば良いのです。(もちろん、2名とも採用広報を出したいという想いがあれば、広報で伝えるべき内容を少し変化させて公開するのもいいかと思います)

少し話が変わり、採用広報の具体的な企画方法をここからお伝えします。結論から申し上げると、採用広報の企画は「T I M」で構成されます。

TIMとは:
"T" arget (ターゲット)
"I" nsight (インサイト:ターゲットを動かす隠れた心理)
"M" essaging (メッセージング:インサイトに刺さる訴求ワード、魅力)
の頭文字をとったものです。

採用広報はターゲットから逆算して、伝えるべき内容を整理することが重要で、特に、インサイトからメッセージングの設計が重要です。インサイトはインタビュイーとなる方に、転職活動をする際や、前職時代に感じていたことをヒアリングすることによって出てくるケースが多いので、試していただければと思います。

👇 実際の採用広報の企画案

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上図のように、各ターゲット(ペルソナ)ごとに、 インサイトからメッセージングの設計をして、企画書は完成となります。

4. 採用広報の「題材 / 企画」の優先度の付け方

ここまで「題材」と「企画」の選定方法について話してきました。最後に、どのような"順番"で採用広報を公開していけば良いのか話していきます。

 4-1. 今の"課題"からボトムアップ

一つ目は今の"課題"からボトムアップで優先度を決める方法です。これは比較的わかりやすいかと思いますし、今の課題から採用広報の題材を決めていらっしゃる方も多いのではないかと思います。

まずは、ある人事担当者の会話をご覧ください。

👬 ある人事担当者同士の会話👬

🙋‍♂️ 「バックエンドエンジニアの採用進捗が良くないね。。」
🙋‍♀️ 「そうですね、何が課題なんですかね。。」
🙋‍♂️ 「ある求職者様から聞いたのだけど、一緒に働くメンバーがイメージできなくて、選考意欲が上がらないらしいよ。」

整理すると・・・

募集職種 :バックエンドエンジニア
課題   :一緒に働くメンバーがイメージできていない
解決策(仮) :メンバーインタビューを公開する

バックエンドエンジニアの採用を行っているが、一緒に働くメンバーのイメージがついておらず、選考意欲が上がらないという課題があり、メンバーインタビューを公開するという事例です。

今回は比較的、わかりやすい事例を紹介しましたが、このように現在の採用活動における"課題"から採用広報という手段が最も最適であると判断した場合に、採用広報の設計を行なっていただけると良いと思います。

 4-2. 未来の"計画"からトップダウン

二つ目は、未来の"計画"からトップダウンで優先度を決める方法です。

こちらもまずは、ある人事担当者の会話をご覧ください。

👬 ある人事担当者同士の会話👬

🙋‍♂️ 「来期の採用計画でフロントエンドエンジニアが5人の採用目標になったけど、今期は1名。どうやったら5名採用できるのかな。。」
🙋‍♀️ 「そうですね...どうしたら採用できるのかな。。」
🙋‍♂️ 「母集団形成の動きは増やしていきつつも、フロントエンドエンジニアの要件も高いし、一人ひとりの求職者様を大切にしないとね。今後、起きそうな課題を先に抽出して、何かしらの採用広報を実施していこうか。でも、今後起きそうな課題って何があるんだろう。。」

今の課題から採用広報を企画することは多いと思いますが、未来の計画、つまりこれから起こりうる課題に対して、採用広報を企画することはあまり多くないかと思います。(ここでの計画とは、今後の"採用計画"を表しています。)

"これから"起こりうる課題は、"これまで"に起きてきた課題からある程度想定できるものです。課題は発生してから解決するのはもちろんですが、未然に課題を防ぐことによって、機会損失(情報提供不足で選考に進んでいただけない等)を防げることが今後の採用計画から逆算した優先度の決め方のメリットかと思います。

今後起こりうる想定課題は、前述した6P+CGM+Techに内包されます。今回は各項目一ずつ紹介します。

【起こりうる想定課題の一覧】
6P:
 - Philosophy
  - 目指している世界観がイメージできない
 - product
  -  関わるプロダクトが魅力的に見えない
 - profession 
  - 業務内容がイメージできない
 - person
  - 一緒に働くメンバーがイメージできない
 - privilege
  - 福利厚生が整っているのか不明瞭
 - phase
  - 既に組織が整っているように見えるため、介在価値があるのか不明瞭

CGM:
 - culture
  - チームの文化が見えない
 - growth
  - 成長できるとは言うが、具体的にどのような成長ができるか不明瞭
 - market
  - ●●市場について知らないため、魅力的に感じられない

今後の採用計画を考えた時に、一つひとつの職種でどのような課題が起きて、採用活動が進まなくなってしまうのかを想定して、採用広報の題材、企画を考えていただければと思います。

5. 最後に

いかがでしたでしょうか。

ここまで採用広報の「題材」「企画」について様々な観点から説明してきました。改めて、本noteの重要なポイント整理しましょう。

◆採用広報の「題材」選定のコツ
 - "会社"の魅力を6P+CGM+Techで整理
 - "職種"の魅力を6P+CGM+Techで整理

◆採用広報の「企画」選定のコツ
 - 募集職種の"ペルソナ"を分類
 - 各"ペルソナ"に合わせた「企画」を選定

◆採用広報の「題材 / 企画」の優先度の付け方
 - 今の"課題"からボトムアップ
 - 未来の"計画"からトップダウン

今の"課題"から採用広報を行う場合は、できる限り早く公開までの準備をし、未来の"計画"から採用広報を行う場合は、来月は●●、再来月は●●と言うように、数ヶ月先の予定まで立てておくことが重要です。

継続的に"目的を持った"採用広報を公開するための材料として、本noteをご活用いただけたら嬉しく思います!

最後までご覧いただき、ありがとうございました!


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