見出し画像

パニック障害④救急病院

ぼんやりとした感覚が頭の中にある。

ザワザワとした雰囲気がある。
人がたくさんいる気配を感じる。
身体を触られている事に気がついてうっすら目を開ける。
看護師さんがいくつか質問をしていたけれど、
首を縦や横に振るくらいしか意思表示出来なかった。

”今病院ね”
”わかる?”
”痛いところある?”
”お薬なにか飲んでますか?”
”呼吸苦しいね”
”酸素マスク付けるからね”
”苦しいけど楽になるからね”
”足の付け根に針刺すからちょっと痛いけど我慢してね”
”大丈夫ですよ”
”もう病院いるから大丈夫だからね”

その言葉を聞いた瞬間
涙が溢れて止まらなくなった。
病院に来られた安心感と
もうひとりじゃないという安堵感と
死ぬかもしれない恐怖感から解放されるという思いに。

”泣かなくて大丈夫よ”
”ゆっくり呼吸しようね”
”大丈夫、大丈夫”
何度も何度も看護師さんが私の涙を優しく拭いてくれていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?