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日付のある句日記(7)

6月2日
MOTOYA Book Cafe Galleryでの「Book+」初日。今年も感染症対策もあり会場には行かないこととした。オンラインで他の作家さんの作品を眺める。ここでのイベントは製本家、豆本作家ではない方も参加する。作品のバリエーションがあって毎年とても楽しい。
木下闇小さな本がまたたきぬ

6月4日
梅仕事2021開幕。青梅が店先に並ぶのが去年より遅かった気がする。iPhoneの写真を見てみたら一週間ぐらい開始がずれている。今年は赤しそも同時に買ってまずは赤しそジュースを作る。赤しそは見なくなるとまったく入荷しないので機会を逃してはならないのだ。
実梅放るボウルの底は梅の闇

6月6日
法月綸太郎『赤い部屋異聞』読了。「対位法」「最後の一撃」が特に良い。こうしたオマージュは頭の揉みほぐし的な作用もあって殊に楽しい。
赤すぎる部屋にもぬけの金魚鉢

6月10日
斎藤由香『猛女とよばれた淑女』読了。モンゴル民間人ツアーの第一弾に加わったり、チチカカ湖に落水した最高齢記録になったりと、斎藤輝子は想像の斜め上を行く活発さだった。巻末近くの、山形滞在時に筆者が茂吉の晩年を地元の方に語ったところ、輝子のイメージが急変したというのが小エピソードながら心に残った。そんなに悪妻だと思われてたんですねえ。
日傘より媼あらはれ日傘閉づ

6月18日
この週家の者のワクチン接種2回目終わる。翌日37℃台の発熱。食欲はあるけれど熱はまる一日続いた。翌々日昼ごろ平熱。熱以外の症状は何もなかった。

6月21日
二週間が経過、梅仕事終了。今年は気温が高かったせいか仕上がりが早かった。シロップとジャムをしまうスペースを冷蔵庫内に作るのが最後の仕事。
すきとほる電気のちから青葉木菟

6月25日
ホアキン・フェニックス見たさに夜半から「グラディエーター」を見てしまう。何回目だ。
闘剣はいま夏草を突きとほる

6月30日
午後深い時間に今日が30日であることを思い出し、近所の神社へ。夏越しの大祓の茅の輪をくぐる。近所には神社が3つ4つあるが茅の輪があるのはここしかない。境内を掃除している人がいるだけでほかに人気はなし。ごく弱い雨に濡れながら帰る。
ひとひとりをらず茅の輪を抜ける風

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