約束／秘密

約束をポプラの幹に繋いだらじっとこっちを見て尾を振った

夏河のほとりに立てば素足からとめどなく約束が零れた

約束のように無邪気でいられたら廃工場の穴くぐる風

名も知らぬ鳥が帰っていく森に約束は立つ葉を茂らせて

アンコールはみんな衣装が違うから約束は約束のまま踊ろう

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砂防林の奥からやってきた人は秘密のような顔をしていた

げんげんを編んで秘密を拵えてあなたは昏く昏く笑った

打ち寄せる秘密のように遠からずわからなくなる星座のように

そうだった秘密が声をかけてきてホロホロ鳥が騒ぐ夜だった

カタルシス語るカタール人の胸　秘密のかたちに開いている穴

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初出：「みしみし」第２号