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日付のある句日記(12)

11月1日
前の味噌がなくなって、おニューの味噌が食卓に登場した。だいたい年イチぐらいで家の者が味噌をつくる。今回は麦味噌になった。私は米味噌も麦味噌も豆味噌もなんでも好きです。味噌汁は仙台味噌とのブレンド。
玄冬の味噌汁椀に箸を持つ

11月2日
猫Aが朝方毛玉まじりの液体を吐いた後夕方までまったく餌を食べず水も飲まない。おそるおそるおやつを与えたら半分残した。猫Bのお給仕をすませて戻ると残りのおやつがなくなっていた。その後人間の夕飯時に餌をもりもり食べはじめる。

11月4日
猫Aの様子が一昨日と同じになる。今回はおやつに呼んでもこないので寝床へ給仕するとむしゃむしゃ食べはじめる。そして人間の夕飯時にカリカリを食べる。日中は窓へ登ったり「なでろ」とやってきたり、元気な瞬間もある。この11月になってもなまぬるい気候が不調の原因なのだろうか。
ストーブに向かひて戦ぐ猫の髭

11月7日
前橋グリーンドームのカメラ大中古市は今年も中止とのこと。嗚呼。
懐旧のレンズに映す冬鷗

11月13日
しかし今年の紅葉はだいぶ遅い。だいたい気温がちっとも下がらない。野菜の値段も高いまま推移しているものも多く、農家さんはさぞかし大変だろう。
人参をおろかなやうに言ふ勿れ

11月20日
個人誌『九重』、俳句集『ぺこぽこ宇宙』を刊行。情報を解禁したところ、既に手にしたみなさまがTwitterにぞくぞく書き込みをしてくれた。ありがたいことです。生存報告系などと怪しげな枕詞をつけてしまいましたが、これは発行人の心意気のことだけで、内容はふつうにおもしろい作品と文章です。

11月23日
二年ぶりの文学フリマへ。告知などを見てわざわざ買いに来て下さった方もいたようで、ありがたいことでした。終了後は中華で会食。会食も2年ぶり。同行者が黄酒3種飲み比べというのを頼む。スモークの香りがするなど、たいへん興味深かったが注文は自粛。料理もみんなおいしかった。

11月25日
すでに届いていた短歌研究ジュニア賞応募作品の下選を進める。応募作品すべてを読むのは大変だけどとても楽しい。中学生の頃、授業で短歌を作ったはずだが何を書いたかまったく覚えていない。啄木の歌を大袈裟だなと思ったことだけは記憶にある。
草に寝て着膨れいしよ啄木も

11月28日
火気OKな河原で念願の焚き火。焚き火台や火打ち石など、今はなんでも通販で手に入る。祖父母の家が平成に入ってからも薪風呂だったわたくし、30年ぶりぐらいに火の番を務める。売ってるナラの薪は割れにくくて榾を作るのが大変だった。
飛び越える暇もあらず焚火果つ

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