日付のある句日記(5)
4月2日
最近の状況を鑑みて免疫力が弱まっているのかと思い、1日1本ヤクルトを飲み始める。
はらわたに菌類およぎ四月来ぬ
4月4日
去年から今年にかけて、いろんな品種のいちごを食べた。今日は埼玉産の「あまりん」を。でかい!あまい!
でも(?)苺は夏の季語です。
花いちご散歩の犬に嗅がれいる
4月7日
用事で出掛け、目的地に到着したところ日にちをいちにち間違えていることに気がついた。
4月9日
花壇のナデシコが咲いた。花色もわからず買ったものであったが、うすいピンクのふちどりがきれいだ。
蝶いくたり我が家を越えていくところ
4月11日
考え事をしていたら眠れなくなり宮崎駿「シュナの旅」を読みはじめたら大変つらくなってしまい、ますます眠れない。
東からくるほの光る種袋
4月16日
買い出しに行く途中、目の前の道を雉が横切っていった。
4月18日
平出隆『葉書でドナルド・エヴァンズに』を折々読んでいる。ふたごのように切手収集にあけくれた、親しい友人のコレクションが盗難にあった際、“盗難にあった記念”の記念切手を作ってあげた、というのはものすごくいいエピソードだと思う。
若芝に大き切手のように寝る
4月23日
花壇のナデシコがまだ咲いている。ネモフィラとセラスチウムが競うように丈を伸ばしこちらもガンガン咲いている。
狭庭とて賑やかなりし春深み
4月28日
ジャケ買いした松浦寿輝『わたしが行ったさびしい町』を折々読んでいる。旅行記はキラッキラした体験記より、うらさびしい町で途方にくれる、みたいなほうがもう絶対におもしろい。しかしこんなに記憶がさだかでない旅行記もめずらしい気がする、これは旅行記というか旅行回想による思索記なんでしょうね。
人気なき街に浅蜊のパスタ巻く
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