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死に嫌われている

有名人の自殺の報道を見て、率直に思ったのが「よかったね、お疲れ様でした……」という、少し羨ましい気持ちだった。

僕はいままでに何度も自殺を試みてきた。でも死ねなかった。

そんな僕が、ある日を境に生きようと決めた。今回はそれについて書こうと思う。

ずっと消えたいと思っていた。死にたい、ではなく、消えたい。そして自殺を試みるもあえなく失敗の日々。僕は死に嫌われている。

ある日、希死念慮が頭の9割9分を占めたことがあった。たとえるならあと一本、細い糸が切れたら、僕が僕でなくなる、という感覚。

それは凄まじい恐怖だった。徐々に自分が自分で無くなる感覚。ああ、もうダメだ、このまま身を任せよう、早く楽になりたい、そう思った。

そのとき、ふと、「仮にいまが人生で一番つらい瞬間だとしたら、それを超えた先にはなにがあるのだろう?」という疑問が浮かんだ。そして、その答えを探すべく、「あとちょっとだけ」生きようと決めた。

その「あとちょっとだけ」が重なって、いまにいたる。

いまは死にたいとは思わないし、むしろ生きたいと思っている。

そしてたまに希死念慮がやってきたら頭の中で言ってやるんだ「お帰りなさい」って。そして有酸素運動をする。

人間というのは具体的な問題から悩み始めて、それがどんどん考えていくうちに抽象的な問題になっていく。

だから、悩みがあるなら具体的な問題にだけ集中すること。そうしないと「自分の生きている意味ってなんだろう」とか考え始めちゃうから。

あと、ヒマもよくない。無駄なことばかり考えちゃう。ヒマを幸せだと思えるようになるには少しコツが要るけど、「なにも予定がない一日サイコー!!」と怠惰の極みで過ごせばいい。


僕が生きている理由は「好奇心」。あのときの答えはまだ出てないけれど、その道筋は定まった気がする。だから生きたい。長生きしたい。

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