【受験生必見!】2023年度の東京都立入試・社会を解説してみた(大問4歴史)【ナラ社の時間#07】
こんにちは、ならんはです。
今のところ毎日大問ごとに解説をしてきていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
さて、今日も元気に大問4歴史の解説をしていきましょう。
今年度の解説だけでなく、来年度以降も使える受験生必見の内容にもなっていますので、ぜひご覧ください。
今のところ毎日、大問ごとに解説をしていますのでよかったらそちらもあわせてご覧ください!前回のはこちらからどうぞ。
記述問題の解き方をご紹介していますのでぜひ。
内容自体は独立していますから、見ていなくても今回の内容を理解することは可能です。
それでは早速、歴史の解説にまいりましょう。
大問4(歴史)の概要
大問4の歴史は、4つの小問から構成されており、それを2つに分けることができます。
時代でいうと、問1,2は飛鳥時代〜江戸時代前後、問3,4は明治時代以降ということになります。近代よりも前か後か、と考えてもよいでしょう。
ここで疑問になるのが「近代」ってなんだ?ということですね。
板書の右半分をご覧ください。
これは、私の投稿でも1度やった歴史の学習法に関連した内容です。時代区分をざっくりと理解することで、歴史の全体像が掴めるという内容でした。
都立社会の歴史単元で重要になってくるのは、「出来事から時代を判別し並べ替えをする」ことです。いきなり出来事4つを並べ替えることができるのは、よほど訓練を積まないと難しいですから、何時代か?と1ステップ踏むことでケアレスミスの防止にもつながります。
特に4択の中で2つ登場してもおかしくないものについては、前期(・中期)・後期と分割して考えるとよいでしょう。
分割の仕方や、練習問題等はナラ社の時間#02 をご覧ください。
ある程度これを読めば歴史の学習法はつかめると思いますので、早速解説に移りましょう。
特に知識をバカにしてはいけない単元は歴史です。資料の読み取り云々で解ける問題は少ないですから、そこは前提としながら、きちんと問題を解いて確認することを心がけましょう。
そのうえで、時代やつながり(前後関係)を意識していけると完璧ですね。
問1(古代〜近世、時代の並べ替え)について
寺院や仏教という日本の文化に関わる並べ替えですね。お寺の名前やその時の為政者(政治を行っていた人物)が連想できれば、時代を言うことはそこまで難しくはないはずです。
大問1のところで扱った文化名で考えてもよいかもしれません。
ア 鹿苑寺金閣→足利義満が建立→室町時代(北山文化)
イ 東大寺大仏→聖武天皇が建設→奈良時代(天平文化)
ウ 法隆寺→聖徳太子が建立→飛鳥時代前期
エ 中尊寺金色堂→奥州藤原氏が建立→平安時代後期(浄土教文化)
特にあやふやになりがちな古代の復習もしておきましょう。旧石器〜古墳あたりはざっくりとで大丈夫だと思います。
聖徳太子→飛鳥時代、聖武天皇→奈良時代はよく出ますからね。
問2(古代〜近世、年表・適期選択)について
こちらも「出来事→時代」の判別で変わりありませんね。
複数資料ですから、文章の資料から読んでください。
そうすると、「新田開発」「紀伊藩出身」「洋書の輸入」などから徳川吉宗(江戸時代中期)とわかります。
あとは年表との対応になりますが、江戸時代中期の政治の流れを確認しておけば大丈夫でしょう。
問3(近代〜現代、時代の並べ替えと場所選択)について
場所は簡単、並べ替えはやや難でしたね。
ア 大阪紡績会社(大阪府) 1882年設立 →B
イ 富岡製糸場(群馬県) 1872年操業開始 →A
ウ 八幡製鉄所(福岡県) 1901年操業開始 →C
イとウは覚えているけど、アは知らないよと思った受験生がほとんどのはずです。
ここで思考力の出番です。
1つは、日本の工業は「軽工業から重工業」の順番で発達したことです。日本の産業革命はだいたい日清・日露戦争の前後、下関条約の賠償金で八幡製鉄所を建てたことで重工業が発展しはじめます。
ですから、アはウよりも前だということは比較的容易に想像がつくはずですね。
問題は、アとイの前後関係です。
両者の違いとしては、誰が作ったかということ。
アの大阪紡績会社は民営
イの富岡製糸場は官営
ちなみに、この2つの違いは何かわかりますか?
そうです。国が経営するか民間(会社)が経営するかの違いですね。
そうすれば、どちらが先に始まったかわかりますね。
明治時代は、都の場所や政治のしくみがガラッと変わり、ヨーロッパを目指して発展していくスタートラインの時代です。国が主導となって近代化を進めてきたことからもわかる通り、官営が先になります。
問4(近代〜現代、適期選択)について
年表のテーマは毎回異なりますし、知らない情報ばかりですが、その西暦を見てだいたいの時代って区別できますか?
「出来事→時代」の判別において、時代の始まりとなる年代は特に重要となりますので、余裕がある人は覚えておくと便利です。
年代は語呂合わせなども出回っていますから、何度も出てきたものとかは自然と覚えていく程度でいいと思います。
5科目入試を実施する私立だと世界史的な内容と結びつけて「○世紀」という考え方で聞かれることもありますので、受験する方は合わせて確認しておくとよいでしょう。
さて、今年の入試問題に戻りましょう。
ア バブル景気 1986〜91 平成時代→D
イ GHQによる民主化 1945〜 昭和時代後期→A
*第二次世界大戦後すぐ!
ウ 石油危機 1973 昭和時代後期→C
エ 国民所得倍増計画 1960年代
東海道新幹線開通 1964 昭和時代後期→B
*東京オリンピックと同じ年!
となります。
ここで確認しておきたいのは、戦後の経済史です。
戦後は独立して複数の選択肢に登場するので細かく確認しておきましょう。
来年度以降中3になる方は、まだ習っていないものもあると思うので、受験前に確認しておくとよいです。
平成以降で日本の出来事だと、バブル崩壊の年(1991)とリーマンショック(2008)、東日本大震災(2011)はよく出てきますね。平成史はどこかでまとめて年表を作ってノートにまとめておけると良いと思います。
いかがでしたか?
歴史は学校など普段の授業では時代ごとに細かい流れを学習するのに対し、入試では出来事から時代を推測したり前後関係を問われたりと、全体像をつかむことがいかに重要か教えてくれる単元でもあります。
だからこそ知識をおろそかにせず、持っておくことが大切です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は大問5公民分野ですね。お楽しみに。
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もう4本もありますので、マガジンにまとめておきました。
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