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【ナラ社の時間#02】社会科オタクが教える中学歴史の学習法

こんにちは、ならんはです。
今日のテーマは中学社会で学ぶ歴史です。歴史の学習方法についてご紹介しますので、よかったらぜひ最後までご覧いただけると嬉しいです。

0.歴史の時代区分

まずは全体像をきちんと理解すること。古代とか近代という言葉は、歴史の概観を掴む上で重要な手がかりとなります。
近世という言葉はヨーロッパにはないようで、日本が便宜的に中世と近代の間の概念を作ったので、一つにまとまっていますが、基本的には、「政治の中心がどこにあったか」ということで区別されるということになります。とはいえ、「今日から古代!」みたいな明確な区分はなく、あとから偉い人が区分したものであり、その中でもざっくりとした分け方であることはご注意ください。

原始のころというのは、邪馬台国の卑弥呼や大王が出現することはありましたが、明確にそして全国的に政治は行われなかったので、政治の中心は×とつけています。

古代に入り、飛鳥時代の有名な政治家で聖徳太子が権力を保持します。冠位十二階や十七条の憲法などを制定し、役人を登用し心構えを定めましたが、彼の政治のゴールは「天皇中心の政治」をつくることでした。そのため、飛鳥時代→奈良時代→平安時代というのは主に天皇が国を治めていた時代なのです。

中世に入ると、その様子は大きく変わります。武士が台頭してきます。厳密には平安時代の末期に、武士として初めて太政大臣になった平清盛の頃から力を伸ばしていくのですが、政治の中心として幕府が置かれたのは鎌倉時代に入ってからということになります。

近世は安土桃山時代→江戸時代のことを指す場合が多いですが、違いについてそこまであまり深く考えなくても良いでしょう。とりあえず長いから2つに分けた、という認識で構いません。

近代は、明治時代から始まりますが、古代のように天皇中心の政治が戻ってきます。とはいえ、当時のような朝廷とよばれるところは存在せず、憲法がつくられ議会が開かれ、そのリーダー(主権)として天皇が統治していました。ここが、古代の天皇との違いということになります。

現代がいつ始まるのかは諸説あるようですが、ここではざっくりと戦後からということにしています。詳しくは高校の近代史のところで習うとして、ひとまず政治の中心という点で見ると日本国憲法が制定され、主権が天皇から国民に変わったところを区切りと見るのが良さそうです。

ただ、これらの区分の名前は歴史の全体像を見る上では必要ですが、入試に直結することではないので、暗記することではありません。どちらかというと理解してほしい内容になります。

1.入試における歴史の問われ方

入試で歴史分野からはどのように問われているのか確認していくと面白いことに気づきます。それは、単元ごとではなく「総合問題としての出題」が圧倒的に多いこと。特定の単元からドンピシャで問われることは少なく、全体をきちんと理解した上での並べ替えや年表の問題が多く見られます。もちろん、単元ごとに時系列で見ていくことも大事なのですが、それだけでは入試で戦える力は身につきづらいです。

では、どのようにして勉強していくのがよいかポイントを3つご紹介します。

★大原則:「出来事」から「時代」を判別する!!
並べ替え問題でも、年表をつかった時期選択問題でも、キーワードから時代を判別できれば、時代の並べ替えをするだけになります。同じ時代を聞かれることは少ないので、時代がわかれば並べ替えしやすくなるのでオススメです。
ただ、これをできるようになるにはかなり練習が必要です。なのでひとまずポイント②,③を見ていきましょう。

★ポイント②:流れをつかむ
歴史の先生がよく言いがちなセリフですが、まずは時代を流れでとらえましょう。キーワードだけを覚えたところでそれは「点」にしかすぎず、それを「線」で結んで覚えることでストーリーを理解しよう、というやつです。
前の人の反省を生かして、この人が政治を行った結果、こういう問題が発生し、次の人に政治が続いていく…といったストーリーで理解していくことが大切です。
その際によく使われるのが「理由や背景」を考えることです。なぜ、豊臣秀吉は兵農分離を進めようとしたのか?なぜ、江戸幕府は270年もの長い間続いたのか?などです。

★ポイント③:違いを意識して比較する
きちんと知識を頭に入れて、流れを理解できるようになったら、あとは整理整頓の段階に入ります。時代を横断する際によく使えるのが「ちがいを比べる」ということです。この作業が意外と大切で、違いは何なのか意識しながらもう一度学習していくことが必要です。つまり、歴史の学習は最低2周は必要だということです。とはいえ、1周目できちんと頭に入っていれば、2周目は全部触れる必要はありません。共通するカテゴリの中で重要なところだけ比較していけばいいのです。つまり、大原則にもあるように、「時代の判別に使えるもの」だけということです。
2周するためには学校の勉強だけでなく、塾なり自分でやるなりプラスアルファの学習が必要です。予習型でも復習型でもよいですが、違いを意識して時代の横断ができるとかなり強いです。
時代の横断で定番なのは、「将軍の補佐役」でしょう。鎌倉時代は執権、室町時代は管領、江戸時代は老中(非常時は大老)ですね。

時代ごとに変わっててややこしい。裏を返せば、(覚えてしまえば)時代の判別に使えるから便利ということです。

2.時代の判別

それでは、時代を判別する練習をしていきたいのですが、時代によって長さに差があります。選択肢によっては同じ時代を聞かれることがないわけではないので、長い間続いた時代については少し分けながら考えていくとよいでしょう。
あくまで目安としてお考えください。

流れをつかむというところにも関係してくるのですが、飛鳥時代・平安時代・江戸時代・明治時代・昭和時代は前期(・中期)・後期と分けて考えると分かりやすいです。特にこの辺りは同じ時代でも聞かれることがあるからです。

3.練習問題

では、問題を解いてみましょう。出来事を書いていきますので、時代の名前を書いてみてください。上に示した時代については、前期(・中期)・後期まで書いてみましょう。
答えも載せておきますので、参考にしてみてください。

答え
①第一次世界大戦 大正時代
②東大寺の大仏建造 奈良時代
 聖武天皇のころの政治です。
③文禄の役 安土桃山時代
 豊臣秀吉の朝鮮出兵1回目です。
④八幡製鉄所の操業 明治時代後期
 下関条約の賠償金で建設。日清・日露戦争の間。
⑤定期市が月3回 鎌倉時代
 室町時代が月6回。
⑥寛政の改革 江戸時代中期
⑦承久の乱 鎌倉時代
⑧廃藩置県 明治時代前期
⑨法隆寺の建立 飛鳥時代前期
⑩白村江の戦い 飛鳥時代後期
 飛鳥時代後期は645大化の改新→663白村江の戦い→672壬申の乱→701大宝律令あたりが重要です。
11株仲間の解散 江戸時代中期
 時代的には1841年なので後期でもよいのですが、三大改革で一括りにしても分かりやすいです。
12執権政治 鎌倉時代
 将軍の補佐役で判別するものです。
13二毛作が全国に広まる 室町時代
 西日本を中心にに二毛作が始まったのが鎌倉時代。
14安土城の築城 安土桃山時代
15大仙古墳の建造 古墳時代
 時代名をそのまま言ってくれてるもの。高松塚古墳は飛鳥時代後期ですが、それ以外の古墳は古墳時代なのでそのままです。
16参勤交代 江戸時代前期
17日米和親条約 江戸時代後期
18ポーツマス条約 明治時代後期
19墾田永年私財法 奈良時代
20普通選挙法 大正時代

いかがでしたか?もちろんいきなり全問正解できるのは至難の業です。まずは、時代がいつかな?と意識し始めることが大事です。練習を積んでいかないとできるようにはなりませんから、少しずつ考える時間を作っていき、入試本番までにできるようにしていきましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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