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リトル・ブーツ

今回のプロジェクトで、静かに一役買っているのが、「リトル・ブーツ」。小さなセラミックのブーツです。

いろんなお宅へうかがって、そのウチの定番料理をを一緒に作って食べながら、会話を記録するプロジェクトを進める中、コーディネーターの古橋くんが「本原さん、最近また焼き始めてるんでしょう?なにか陶器のものを持っていきませんか?」と言った。「そしたら。その行きすがら、またはそこんちのお庭で見つけた植物を小さなブーツに活けて食卓に置きたい。」と伝えた。

プロジェクトが始まる前の6月の雨の日に、写真を担当する村上さんと顔合わせを兼ねてzoomで打ち合わせをした。リトル・ブーツを説明するために、庭のパープルセージの花をブーツに挿して傍に置いて話した。打ち合わせの途中、村上さんが「話、聴いてるみたいですね。」と言ったあの瞬間から、リトルブーツは聞き役に徹している。

台所訪問の初日、市橋さん宅のバルコニーで、最近よく見かけるピンクと黄色の花が紫色の種をつけていたので、ブーツに挿した。わたしが小さい頃にはなかったあの花は何だろう?と調べてみると「ランタナ」という名前だった。

それはよその国から来た植物で、日本では園芸用として売られているが、世界の侵略的外来種ワースト100に入っている。種には毒があるそうだ。人間があっちこっち移動するから、本来この国にいないはずの植物が根付いていくんだなと浅はかに考えた。そういえば最近、おしろい花を見ない。小学校へ通う道のあちこちに咲いていた。黒い種を潰すと白い粉が出てきて、当時は顔に付けて遊んだし、花の蜜を吸った。おしろい花は、こういうよその国から来た植物に押されてどこか行っちゃったのかなと思って調べた。南アメリカ原産のおしろい花は江戸時代に日本へ来て、毒もあるという。そんなこと知らずに遊んでいた。

自分の実感じゃなくて、データみたいな情報の方を信じちゃってごめんね、ミス・ランタナ。それにしても、あなたの繁殖力はすごいわ。
おやすみなさい。

打ち合わせ

6月。雨のzoom meetingを聴いていたリトル・ブーツ。

近所のランタナ

今年もうちの近所で、元気よく咲いているランタナ。虫がつかないので世界中に爆発的にひろがってるらしい。

ベランダのランタナ

ベランダのランタナ2


市橋さんのバルコニーで咲くランタナの種をブーツに挿した。(写真:村上将城さん)

instaランタナ

2016年11月に近所で見つけたランタナをインスタにアップしていた。ランタナも中南米産だ。おしろい花先輩とスペイン語で話すんかな?

*記事トップのブーツの写真:ヤスタケノブオ




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