見出し画像

クラリネット用サムボタン「うどん」を使ってみた!ちょうど良い厚さ、材質、貼り付け位置は?

クラリネットを演奏するときの右手の痛みを軽減するサムボタン、その名もWoodon(うどん)

うどんには厚さや材質の種類があり、聞くところによると貼り付ける場所によってもフィット感や効果が変わってくるとのこと。

私自身も、「右手を構える形がなんだかうまくいかないな」という悩みがあり、うどんは良い助けになってくれそうだと感じていたので、効果的に活用するために、管工房ゆかりさんのアトリエにお邪魔してアドバイスをいただいてきました。

うどんの効果は?

腱鞘炎をはじめとする右手の痛みと向き合いながらもクラリネットを演奏したい方や、フィンガリングを改善したい方へ…。こちらのうどんをB♭・Aクラリネットのサムレスト下あたりに貼り付けるだけで、下管を握った際の手の開きを広げ、右手の負担を軽減させます。それだけでなく、手の開きを自然な状態に近づけることによって右手の操作性が向上し、フィンガリングが非常に楽になります。(管工房ゆかりさんのHPより)

こちらの記事で詳しい内容を取り上げましたが、右手の小指の動き方は右手の親指にかかっているのです。
うどんは右手のフィンガリングを自由にしてくれると考えられます。楽器の重さで右手の親指が反り過ぎてしまう右手親指に負担がかかるとフィンガリングがうまくいかないという方にとっては良さそうな1品です!


うどんの材質による違い

管工房ゆかりさんのサイトを拝見したところ、うどんには様々な材質があるそう。

基本の材質は紫檀(ローズウッド)系、もしくは黒檀(エボニー)です。紫檀系の(〇〇ローズウッドと呼ばれている)材は産地によって細かく種類が別れており、茶色から紫と色味の幅がとても広いです。天然の木材ですので、一つ一つ木目の出方や形に個体差があり同じものは世界に二つとありません。

素材によってどのように音色に違いが出るのか気になったので、質問させていただいたところ、「楽器と接触しているのは両面テープですので材質による音色の違いはあまりありません」とのことでした。

材質に関しては見た目の好みや肌触りで決めれば良いようです。

ちなみに私はうどんをつけていることがあまり目立たない見た目が良かったため、黒檀(エボニー)を選びました。


うどんの厚さについて

うどんは「薄め〜標準〜厚め」と厚さのバリエーション豊富です。
ちょうど良い厚さとのうどんをちょうど良い位置に貼った時に、うどんは最大の効果を発揮してくれます。薄いとさりげない効果で、厚いと効果が大きい‥という訳でもないので、厚さを選ぶのは難しいです。

また、うどんは手作業で作られているそうなので、名目的には同じ厚さのものも微妙に厚さが異なります。リードみたいで面白いですよね。

サムレストクッションやストラップを併用されている方は、サムレスト周りの道具とうどんの組み合わせによってベストな厚さが変わってくるのではないかなと思います。

参考になるかは分かりませんが、個人的な感想も書きます。

うどんは厚ければ良いという訳でもない

初めてうどんを触ったのは生徒さんの楽器を持たせていただいたときのことでした。
指かけに調整がついていないタイプの楽器に、樹脂のサムレストクッション、うどんは真ん中についていて、普通の厚さのものでした。

持った感触としては、うどんの効果がしっかり出ているけれど、サムレストクッション厚みもあいまって、指にかけられる面積が結構狭くなって、持ちづらい。

「これならうどんはもう少し薄くても良いかも‥?」と感じました。



うどんをつける位置について

上記のような体験をした直後に、クラリネットサークルのメンバーとZoomオフ会でたまたまうどんの話題になりました。

「真ん中にうどんをつけてなんだかフィットしないときは、右や左に少しずらすと良い場合もある」そうで、「私右側にずらしたら吹きやすくなった!」「私は左側ほうが良い!」など千差万別の意見の声を聞きました。

アトリエ訪問!

私は道具選びがあまり得意でないので、いつも専門家の方の意見を頼りにしてしまいます。‥‥ということで!Twitterでアポを取らせていただいて、管工房ゆかりさんのアトリエにお邪魔してきました。

ゆかりさんゆかりさん、とお呼びしていますが、管工房ゆかりの工房長さんは男性でした。

工房長もクラリネット吹きということで、まずはご自身の楽器(もちろんうどん付き)を見せていただきました。

画像1

うどんに関しては、普通の厚さを真ん中につけられていました。図々しくも、吹かせていただきました。右手周りのしっくりくることよ!さすが製者。
私の楽器でもこのしっくり感を目指して、工房長のお手伝い(というか私は何にもしていない)のもと、うどんの厚さと位置選びが始まりました。


うどん(薄め)をつけてみた

まずは厚さ決め、前述の「生徒のうどんは厚く感じた」という話を事前にお伝えしていたので、まずは薄いうどんから試していきました。

薄めのうどんは、「なんかつけてる感があんまりない」確かに、何もつけないのとは全然違う。だけれど、私は「うどんをつけるぞ!手の形を今とは変える!」とかなり意気込んでいたので、これでは物足りない。もっとうどんの存在感がほしい!と思いました。

手の形がある程度出来上がっている方や、サムレストクッションを使用される方にとっては薄めは良かもしれません。

うどん(厚め)をつけてみた

うどんが厚すぎると、指かけが浅くなってしまいます。いろいろ試していると、だんだんうどんの存在感を求めるようになってきてしまいますが、厚すぎれば良いわけではないと感じました。あと、うどんが厚くなればなるほど、うどんの上部と指かけの間にできる溝が深くなるので、長い間吹いていくと指のお肉?が食い込んできます、、。

結局ふつうがよかった

厚さは普通のものが良い。というところに早い段階で落ち着きました。
ふつうと言っても、手作業で作っていらっしゃるので、「ふつう」「厚め」「薄め」の中でも若干の差があります。厚さが微妙に違うだけでだいぶ感覚が違うように思いました。

貼る位置に迷うこと30分以上

真ん中に貼ってもらったときに、なんだか手にぴったりフィットせず、少しずらして貼ってもらうことに。左右どちらにズラせば良いか。上下の位置は?ストラップも併用することを視野に入れるとどこに貼れば良いのか?

「もっと良い位置があるはずだ!」「もう少し、左へ、やっぱり右へ」という感じで、こだわりスイッチが入ってしまって、工房長に長時間おつきあいさせてしまいました。でもしっくりきました。よかった。感謝です。

私は結局このあたりに落ち着きました。ほんの少しだけ左に寄せています。上下的には指かけの5ミリくらい下です。

画像2

そしてゆかりさんオリジナルのレザーカバーを併用することでうどんの凹凸が気にならなくなり、より安定しました。とりあえずしばらくはストラップなしで過ごしてみようかと思います。

画像3


しっくりくる位置とは?

右手の小指と薬指が思い通りに楽に動かせるということを大切に、うどんの位置を探しました。

小指がうまく動くためには、薬指のトーンホールをうまくおさえられていることが必須だと思います。「ド」のキーと「♯レ」のキー、小指がどちらのキーの位置にあるときも指を楽におさえられる、そして離すことができる。つまり、自由に動かせて行き来できることが大切です。

あと、ミドミドの動きって難しいですよね。右手周りがうまく行っていないとスムーズにできない運指パターンだと思います。この辺りを吹きながら、しっくりいく位置を探していきました。

指の長さと、うどんの左右にずらすことの関係性

傾向として、指の長い人が左にずらすとちょうど良くて、短い人が右にズラすとちょうど良い、、なんて話もありましたが、一概にそうとは言い切れません。

指の長さと手のひらの大きさの関係もあります。人の手を二通りに分けることも難しいですし、楽器を持つときの手の形(丸め具合)も心地よい具合が人によって違うので、その辺りをマニュアル化してガイドラインを出すのは難しいでしょう。

一例でしかありませんが、私は手が割と大きく、指が長いです。
右手の操作に関しての悩みは、指の長さが余って、うまく指を丸めたいけれど親指の指かけの支えの角度がうまくいかないと、小指と薬指の位置が両方キーやトーンホールの位置に来ないというものでした。

そんな私のちょうど良いうどんの位置は上記の通りです。
参考になるかは分かりません。

ご自身でいろいろ試すしかないですね、、。ただ、言えることは、うどんは微妙な位置の変化によって全然感覚が違ってきます!

うどんを買うには?

各種ネットショップで購入可能です。最近なんてアマゾンでも見かけました。公式HPには下記のように書かれていましたし、ご要望がある方は直接購入のほうが良いかもです。

特注品(お客様の希望に合わせて製作)
材質、形状、仕上げ等、極力ご要望にお応えできるように製作致します。
〜仕様・金額・納期はお問い合わせください〜

管工房ゆかりさんの公式HPはこちら

気になる方はぜひ購入して試してみて下さい!


noteではサークル活動の他にもこのようにコラムも更新しています!ぜひフォローしてください!サークルメンバーも募集中です!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?