試しに文章を書いてみる(継葉)

とはいえ、この身体は疲れているようなので本来なら内界観察でもしながら目を閉じていないといけないのだろうが。
今、あるか君と僕たちは入院中だ。
同室のヒトがなにやら数を数えている。病気の症状なのだろう。独り言もよく言っているし歌も歌う。僕にはどうでもいい。しかしいきなり数を数え始めたのは今までになかったようだ。
夕食は酢の物系で、あるか君は苦手としているようだが僕にとっても好ましい味ではなかった。まあ、作っていただいたものだから食べたがね。
病状(主に慢性的な疲労だろう)が回復するにつれ軽い空腹を覚えるようになり制限食だけでは足りなくなったので、主治医に間食許可をもらったようだ。特に今は月のものの前なので食欲が強いらしい。同じ身体を使っているので、それは僕とて同じことで
「カロリー、糖質、脂質に留意したもの」
なら許されたので軽く食べることにする。
なにせ、同室のあちこちからお菓子を食べる音が聞こえているのだ。よく今まで耐えたものだよ、あるか君。
まあ、どうせ退院したら一人パーティーをするのだろうさ。僕たちも祝ってやりたいところだがそうもいかない事情があってね。
……同室のヒトは何をしているのだ? モーター音がするが、鼻毛でも剃っているのだろうか。
まあどうでもいい。軽食をとって、内界観察でもすることにしよう(継葉)

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