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子供への関わり方の参考になる?!ピアジェの発達理論


ピアジェによって提唱された「認知発達理論」(または「発生的認識論(genetic epistemology)」)は、一般的に家庭で子育てをしている親にも役立つ考えだということはご存知ですか?

「何度注意や説明してもわかってくれない」「ウチの子少し理解が遅いんじゃないかしら」など子育ての悩みは尽きないはず。

しかし、発達段階を知っておくことで、子育てにおいての悩みや子供への対応の方法の着眼点が変わり、子供への関わり方のプラスになるとされています。

わかってくれないのではなくて、まだその段階にたどり着いていないだけかも?

4つの発達段階に分けて示された発達理論について、私なりにわかりやすく簡潔にまとめてみました。

一緒に学んでくださる方がいたら、励みになります♪

1.簡単にいうと、どんな発達理論なの?

子どもの認知力(知覚・記憶力・推理力・記憶力・言語能力など)の過程を示した理論です。

成長順序は、個人差はあるものの普遍的なものだとしました。

①3つの学習段階

3つの学習段階のたとえ


「あー。鉛筆なのか。」

⇨「鉛筆だと思っていたけど、違う種類なんだね!」
このように一つの対象に対する認知が、大人との関わりを通して枝分かれして判別できるようになっていくのです。

ピアジェ理論では「子供は認知機能が発達することで、大人と同じように世界を見られるようになる」と説明しています。

②子供の目線に立つことが、子育てには欠かせない。

子どもが完全に他者の視点に立てるようになるのは7歳からと考えられています。

例えば、3歳の子どもが友達のおもちゃを取ったとしましょう。

ここで他の子どもの立場になって考えるように説教をしても、子どもはなぜ怒られているか全く分かりません。

今自分の子どもがどんな段階にいるのかを理解することで「失敗に寛容になる」、「子どもが分かるように説明する」など、子どもの目線に寄り添って教えることができるのです。

そのために必要なのが、ピアジェの発達理論を知っておくことなのです。

2.4つの発達段階

How kids HPより


①感覚運動期(0歳~2歳)



生後1カ月くらいまでは反射的な行動(モロー反応・吸てつ反応など)を使って外界と接触を持つので、自分と他者の区別はありません。

周囲の人の声かけ・お世話・スキンシップで「他者と自分を区別」「ものの形・役割」「物事を予測する」ことを覚えていくのです。この時期は以下の3つの認知機能が発達します。

・循環反応
「足・指しゃぶり」「ガラガラを振り続ける」「同じおもちゃを何度もベッドから落とす」など、同じことを繰り返し行い、自分の身体・ものの存在を確かめます。

・対象物の永続性
生まれてすぐの赤ちゃんは、パパママが物かげに隠れると「消えてしまった」と認識して泣きます。
しかし1歳を過ぎると「隠れているだけ」だと理解が可能になります。

・シンボル機能
猫のぬいぐるみと写真の猫を見て「どちらも猫だ」と分かる機能です。


②前操作期(2歳~7歳)

物事を自分のイメージを使って区別して認識できるようになります。
創造力・想像力を使った「ごっこ遊び」を盛んに行う時期ですよね。

この時期には、以下の3つの認知機能を獲得します。

・自己中心性(中心化)
「世界の中心は私!」という自己中心的な考え方。

幼児に多いのが特徴なので、自分から見た視点でしか物事を考えられず、他者の気持ちを思いやることが難しい時期。

2.保存性の未発達
論理的思考ができないため「ものの形状が変化しても、量・性質は変わらないこと」の理解が困難な状況を言います。

・アミニズム的嗜好
もの・事柄に命・意思があるように擬人化する傾向のことです。

ぬいぐるみはもちろん、食器・家具・食べ物に話しかけたり、それを使ってひとり芝居をするごっこ遊びの様子がイメージが湧きやすいですね。

③具体的操作期(7~11歳)



就学の時期にあたる期間です。

論理的思考力が発達し、相手の気持ちを考えて発言・行動できるようになります。数的概念が理解できるようになり、重さ・長さ・距離など比較も可能になります。

反対に、物に対して擬人化する様子は減ります。

・保存性の習得

「5リットルの水はどんな形の容器に入れても5リットル。3本の瓶に分けて入れても総量は5リットル」といったように、形が変わっても中身が変わらないことを把握できます。

・脱自己中心性

コミュニケーション能力が発達し、共感力が育つことで他人の立場に立ったものの考え方ができるようになっていきます。

④形式的操作期(11歳〜)



具体的な事象・時間の流れに捉われずに「物事を広い視点で考える」ことです。自分で実際に体験したものではなくても、説明・映像などから具体的なイメージを描くことができるようになります。

今までの知識・経験を応用して仮説を立て、結果を予測して行動・発言することも増えるでしょう。


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