興行収入が激減・・1年ぶりの映画館で感じたこと

「シン・エヴェンゲリオン劇場版」を公開初日に見てきました。作品内容の感想はそれだけでネタバレになりそうなので書きません。良かったとも悪かったとも書きません。本作は2時間50分という長い時間を拘束する作品となっています。しかしそれを感じさせないほどに最初から最後まで無駄がなく濃厚な内容でした。これから観られる方においては劇場版旧作の内容をしっかりと理解しておいた方が良いとだけ申しておきます。今ならアマゾンプライムビデオの見放題にも含まれています。あと、感想を見聞きするだけでネタバレになりかねないので、可能な限り早く観るのをお勧めします。

久しぶりの映画館であり、コロナ禍においては昨年3月に「Fukushima50」を観て以来の映画です。昨年の3月は未だ「新しい生活様式」が確立されておらず、マスク着用を呼びかける程度のものだったと記憶しています。それと比べたら随分と厳重になりました。ちょうど1年越しの映画鑑賞で感じたことを書き留めておこうと思います。

まず、客席の間隔を空けない運用になっているのに驚きました。着席しようとしたら既に隣に見知らぬ女性が座っており、思わず何度も半券と座席番号を見比べてしまいました。私がよく訪れるスポーツ興行では1席は空けて座るのが通常となっています。それ故にこの座席配置は驚きました。それと同時に、驚いた自分にも驚きました。

映画館の座席はスタジアムやアリーナと違って隣の観客と密接しません。手すりこそ共用となっていますが、両手すりを存分に活用する人は稀です。しかも映画鑑賞はスポーツ観戦とは違って興奮して大きなリアクションをすることもありません。私が理解している科学的知見と照らし合わせても、理に適っています。おそらく少しでも多くの客を入れなければ経営が難しい実情があるのでしょう。盲目的に間合いを空ける運用をせず、合理的な範囲で運営されているのは好感を抱きました。

次に、これは1つ考えさせられた出来事です。上映直前に別の映画の告知や注意を促す広報動画がながれると思いますが、そこでバグを見つけてしまいました。そのバグは厚生労働省の動画です。

厚生労働省は映画のスクリーンで接触者検知アプリである「cocoa」の導入を促していました。そして「電源を切らずにマナーモードでご鑑賞下さい」のような呼びかけがなされていたのです。今までは上映中は電源を切るのが鉄則でしたが、新しい生活様式においては電源を切らずにマナーモードにしておくのが掟になったのかと、興味深く感じました。

ところが厚生労働省の次に流れた映画館からの注意動画でズッコケました。映画館からは携帯電話の電源を切るように促されたのです。噛み合わない呼びかけに思わず鼻で笑ってしまいました。皆さんはどうしたのでしょうか。結局私は映画に集中するためにも電源を切って過ごしていました。

総合すると良くも悪くも御上の呼びかけに従いすぎずに運営されているのだと理解しました。自由主義社会を象徴するかのようで結構です。

それにしても、映画の告知が少なかったり、注目作品の公開初日であるにも関わらず空席があった状況は、映画館の苦戦ぶりを察するには十分でした。2020年の映画の興行収入は前年の半分程度だったそうです。鬼滅の刃の大ヒットがあったにもかかわらずです。今のところ私の観測範囲で映画館が無くなった話は聞きません。しかし時間の問題でしょうか。そんな映画館の一助になるためにも、シン・エヴァは復習を十分にした後にもう一度は見に行こうと思いました。

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