見出し画像

2030年に新規ガソリン車廃止の流れ、バッテリーの進化も求められる

12月12日はバッテリーの日だそうです。1985年に電池工業会が制定しました。野球のバッテリはピッチャーとキャッチャーのポジションが1と2であることから、12の並びであるこの日がバッテリーの日と制定されました。ちなみにバッテリーであればプラスとマイナスの記号から「十一」で表される11月11日の方が相応しそうですが、こちらは電池の日として制定されてます。

バッテリーを含む充電池の需要は日進月歩で高まっています。身近なところではスマートフォンです。スマートフォンは新機種が発売される度に高機能化しています。それと合わせて多くの電力を必要とするようになっています。また、身近な電子機器であるほど小型化や大容量化が求められており、そのような需要と呼応する形で進化し続ける充電池の技術には感服します。

高性能化だけでなく、充電行為そのもののあり方を再定義する取り組みもあります。ワイヤレス充電はQiやMagSafeの様な磁界を発生させるものは身近となっています。それに加えて電波を利用して充電する技術も実用化が間近となっているようです。電波での充電が実用化されれば、完全に「ケーブルレス」となります。そうなれば長年親しんできたコンセントすら再定義することになり、生活空間が劇的に変化します。10年以内には多くの電子機器から充電端子が無くなるのではないかと期待しています。

バッテリーと言えば昨今の脱ガソリン車の流れも追い風です。東京都の小池都知事は12月8日に、2030年までに東京都内のガソリン車の販売を無くす方針を示しました。既に日本では2030年代半ばまでとした同様の方針を示しており、それに追随する形となります。

世界的な脱炭素排出の流れは疑問がありつつも逆らいきれず、関連各業界は対応が求められています。政府や自治体はこれらの業界が国際社会での競争に取り残されぬよう「理由付け」となる宣言をして後押しをせざるをえません。宣言があることで例えばEV車の充電設備への投資もしやすくなるかと思います。

是非はさておき、EV車への転換がもとめられることでバッテリー性能も強く求められます。EV車の欠点は充電時間です。自家用車の充電時間は短くても数十分、長いと何時間も充電器に挿していなければなりません。寝てる間に自宅で充電するサイクルであれば問題なさそうです。しかし出先でガソリンを注入する感覚で充電をしようとすると、色々と煩わしさがありそうです。

自家用車であれば利用者が工夫すれば良いだけの話なので他人事ですが、気になるのは物流です。物流を支えるトラックは自家用車と比べたら高出力で大容量の電源を必要とするはずです。もし充電に何時間とかかるようであれば、日本の物流全体が滞ってしまわないか心配になります。

トラックのEV化について、環境省が今年1月にまとめた資料を見つけました。今年1月時点ではまだ調査段階のようですが、この資料によるとおおよその目処は立っていそうです。1日の走行距離が80km程度となる小型車や、同32〜64km程度となる超小型車は夜間の急速充電で十分に利用可能だそうです。駐車場に充電設備を整えておけば、日々の運用は賄えそうです。一方で1日の走行距離が189〜320km程度となる大型車は実用レベルにないらしく、まだ継続で調査が必要な旨が書かれていました。充電やバッテリー交換にかかる費用増加の懸念もあり、大量生産によって低コスト化する必要があるなどの課題も挙げられています。

2030年といえば遠い未来のような話ですが、若干10年先の話です。その間に多くの自動車がEV車へ転換しているのでしょう。今や一般的となっている無接点充電の規格「Qi」が策定されたのが10年前となる2010年です。バッテリーの進化によって私達の生活や価値観がどう変化するのか楽しみです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?