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都民ファーストの会が公約を公開、近視眼的で心配になる

市中を歩いていると、選挙ポスターを掲示するための看板が張り出されているのを見つけます。東京都議会議員選挙です。6月25日に告示され、7月4日に投票が締め切られます。前回は小池百合子都知事が立ち上げた「都民ファーストの会」が注目を浴びて大勝利を収めました。

当時の自由民主党は透明性に欠いた組織ということで、小池百合子都知事とマスコミによって悪役に仕立てられました。歪んだ都政を正すために新しい勢力として「都民ファーストの会」は必要な政党であると宣伝されてきました。しかし蓋を開けてみたら都民ファーストの会自体がブラックボックスになったと聞きます。都民ファーストの会の一員として当選した音喜多駿氏が当選した途端に発信力を失ったのは象徴的でした。

都民ファーストの会の大勝利から4年が経過しました。今回は都民ファーストの会が都政与党としてどの様に評価されているのかが注目を浴びています。読売新聞が「都議選で投票する候補の政党・団体」の世論調査を行っていました。この世論調査によるとは自由民主党が30%、都民ファーストの会が11%、立憲民主党が8%と続いていました。無回答は25%です。この調子であれば自由民主党が勝利するのは確実となり、都民ファーストの会は野党第1党となるのが精一杯のようです。当時は脚光を浴びた都民ファーストの会も、4年で「失格」の烙印が押されそうです。

その都民ファーストの会は昨日に都議会選挙の公約を発表しました。その1つとして挙げられて大きく報道されているのが東京オリンピックについてです。都民ファーストの会は「最低でも無観客」を公約に掲げたそうです。これを読んで愕然としました。

愕然とした理由は2つです。ひとつは明らかに無理だからです。もうひとつはスポーツ興行を軽んじられていると感じたからです。

東京都議会風情がIOCの決定を覆せるとは思えません。そんな提言をしようものなら、「プロ野球やJリーグは観客を入れてるではないか」と跳ね返されて終わりです。もしIOCが無観客にする決定をしたのならば、それは実務的な事情になるのかと思います。この場合に都民ファーストの会の成果とされるのは単純に気に入りません。

同様にスポーツ興行を非科学的な観点で抑制されるのは我慢なりません。オリンピックは海外からの客を入れない決定が下されています。そのオリンピックを無観客ですべきと主張するのであれば、プロ野球やJリーグですらそうすべきと考えているのでしょうか。この違いについて論理的な説明を伺いたいです。

また、3つの柱としてプラカードに掲示していたうちの2つは今年に限った公約です。『「爆速」ワクチン接種で経済活動再開』は向こう数カ月のことですし、オリンピックについては向こう1カ月の話です。そんな近視眼的な施策を柱とされてしまったら、その後はどのような施策をするのでしょうか。希望に満ちているはずの公約を見て、逆に不安が募ってしまいました。

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