今こそデマの発信と拡散には注意しよう
新型肺炎の混乱でマスクが品薄になるという事態が起きてます。花粉症の人など直ぐに必要な人に渡ってないという話も聞きます。これから感染者が拡大する予想も立てられており、混乱は続きそうです。
混乱をしているのは日本だけではないようです。韓国では武漢からの帰国者の受け入れで一悶着があったり、フランスでは春節のパレードが中止されるなど、様々な問題に波及しています。隔離や遮断に対して人種差別といった議論まで起きてしまって問題が複雑化している場面もあるようです。
そのなかでマレーシアで起きたという問題はなかなかユニークでした。
デマの拡散で逮捕
保健当局がウイルスの感染拡大阻止を目指す中、ソーシャルメディアに新型コロナウイルスとゾンビを結び付けるデマが投稿された。
これを受けて保健省は、「新型コロナウイルスの感染者がゾンビのように振る舞うという主張は正しくない。感染しても回復できる」とツイートし、デマを否定した。
ゾンビ化するというのは冗談みたいな笑い話だと思ってしまいます。しかしそれを公的機関がわざわざ否定しています。それほどに人々が不安にかられているという表れなのだと思います。
この話題に付随して気になったのが、デマの拡散で6人が逮捕されているという点です。
通信・マルチメディア省によると、新型ウイルスに関する偽情報を拡散したとして、これまでに6人が逮捕された。1月30日には、「ネットワーク設備を悪用」したとして28歳の女が逮捕された。有罪になれば、5万リンギット(約130万円)の罰金または1年の禁錮刑、あるいはその両方が科される可能性がある。
偽情報を拡散しただけで逮捕されるという点で少し羨ましくなりました。
具体例は上げませんが、日本のツイッターを見ていても、明らかな嘘がリツイートされてくる局面が度々あります。中には事実をデマだと言って回る書き込みも見られます。
私たちは流れてくる全ての情報を検証しません。なので、自分もそれを本当だと思いこんで読み流している情報があるかもしれません。興味が薄く話題性もない情報だとより一層その可能性は秘めています。
明らかな嘘を発信する行為か、あるいはそれを訂正しない行為に対して罰が与えられるのは心情的には羨ましく思います。
日本で偽情報発信が罰となった例
日本でも偽情報を流したことによって罰を受ける例はあります。
マレーシアの例と似た例としては、2016年の熊本地震の際のライオン騒動です。熊本地震の際に動物園のライオンが徘徊している旨を発信した神奈川県の男性が偽計業務妨害で逮捕されています。
偽情報の発信が名誉毀損につながる場合も考えられます。
2019年の常磐自動車道で起きた悪質なあおり運転傷害事件での騒動です。暴行を働く容疑者の隣で撮影していた女性について、全く関係ない別の女性が同一人物として拡散されていました。
犯人であると誤って拡散された女性は名誉毀損で発信元となる原田隆司氏を名誉毀損で訴えています。原田氏は当時は豊田市議会議員でした。社会的地位のある人による発信だったので、より信頼性のある情報となってしまった背景がありそうです。ちなみに原田氏は11月に辞職されているようです。
偽情報の発信、拡散だけでなく、それが誰かの不利益に繋がってようやく罰が待っています。
実は嘘だけで逮捕されたら大変
偽情報の発信が罰せられたらとは条件反射的に思います。しかし、それは危険な思想です。
それまで常識とされていたことが常識ではなくなる場合があるからです。昨日の充電器の統一規格の話と似たような話ですね。有名な話で言えば、ガリレオ・ガリレイの地動説みたいな話です。当時は天動説が事実であるとされていたので、現代からみた事実である地動説は偽情報でした。
何が本当で何が嘘なのかの全部を警察が取り締まって裁判所が裁くのは極端すぎます。ツイッターなんて迂闊にやっていられません。
嘘に対する正義感は胸中に固く閉ざしておくとします。
未知の脅威に恐怖しているときだからこそ、偽の情報をうっかり発信したり拡散したりしないようにしなければなりません。そして何より大切なのは、誤ったら訂正してお詫びすることです。
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