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「何もない」板橋区に、私はハコモノを欲している

私が住む板橋区がeスポーツ大会を後援するという記事を見つけてひっくり返りました。興行には頑固な印象のある板橋区がeスポーツなどという煌めいた新興物を後援するとは思えなかったからです。板橋区に所在するタニタが2021年1月に開催する「電脳戦機バーチャロン」というゲームのオンライン大会がそれです。この大会はタニタの他にも多くの板橋区の企業が協力会社として名を連ねることから、板橋区も協賛に動いたようです。

私が板橋区が興行に頑固である印象を抱いているのはバスケットボールの東京エクセレンスの1件があるからです。東京エクセレンスは板橋区の小豆沢体育館をホームアリーナとして活動しています。B2リーグでも上位に食い込めるほどの実力がありながら、B3での戦いを余儀なくされています。その理由はBリーグの規格を満たすアリーナが無いからです。小豆沢体育館は1000人程度しか収容できず、B2リーグ参加要件である3000人を満たしません。見方によっては東京エクセレンスは板橋区によってBリーグ参戦を阻まれている状態とも言えます。

板橋区がスポーツに疎いかと言えばそうでもありません。東京エクセレンスともホームタウンパートナーとして協力関係にあります。他にもサッカーでは東京ヴェルディと提携しています。春には板橋シティマラソンを主催しています。板橋区は大規模な病院を数多く抱えており、健康促進には理解を得やすい地盤があります。若者の遊び場が少ないという課題も抱えています。スポーツへの投資は十分に理解を得られそうであるにも関わらず、最後の一歩を踏み込むような対応はせずにいます。

この度に開催されるeスポーツの大会も、よく考えれば私の言う「最後の一歩」を踏み込まない程度の協力関係です。オンライン開催なので場所を提供する必要もなく、ほぼ出資だけの関係です。最初の印象としてはひっくり返りましたが、よく考えれば今まで通りの筋の通った対応だったと言えます。

板橋区にお願いしたいことがあります。所謂「ハコモノ」を1つでいいから作ってください。折角の東京エクセレンスという資産を板橋区のスポーツ振興の中核として活かすべきです。今回のeスポーツもオンライン大会が盛り上がれば、リアルな会場で大規模に開催する未来も描けます。

スポーツだけではありません。例えば来月は成人式が全国各地で行われます。隣の豊島区は豊島区立芸術文化劇場(東京建物BrillaHALL)で行われます。北区は「北とぴあ」で行われます。少し飛びますがさいたま市はさいたまスーパーアリーナです。一方で板橋区は各地の小規模なホールや小中学校での分散開催です。「他所は他所」と言われればそれまでですが、可哀想すぎやしませんか。

一方で住民としては「何もない」ことに満足をしてしまっている節が有るのも事実です。板橋区には人が集まる場所がありません。大規模なイベントが無く、併せて宿泊施設もありません。それ故に板橋区で働いたり生活する人しか訪れない安心感は得難いものです。板橋区が「最後の一歩」を踏み込まないのは何となくそのあたりの民意が反映されてしまっている気もしています。

結局私の意見ですらもやもやとしています。しかしスポーツ好きの自分としては板橋区がスポーツへの出資を積極的に行なっていただけているのは嬉しい話です。ハコモノへの出資も機運が高まるのを期待しつつ待ちます。

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