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星空に向かう高原列車で小海線の旅

信州ワンデーパスというフリーきっぷで小海線を旅をしたまとめ。

信州ワンデーパス?

信州ワンデーパスというのは、JR東日本長野支社が販売している企画乗車券。長野県内のJR東日本の駅窓口や指定席券売機で購入することができ、2023年時点では2680円。

その名の通り効力は1日。
特急券を追加で買えば、北陸新幹線や特急や観光列車にも乗れる素敵なきっぷ。

お出かけプラン

今回のプランは、上田市の上田駅から小諸駅を経由し、小海線の野辺山駅でJR最高標高地点の見学。中央線の上諏訪駅で酒蔵の見学を行い、また戻ってくるというもの。全行程で約11時間想定。

上田駅→小諸駅

まずはしなの鉄道で上田駅から小諸まで。
しなの鉄道は一部を除きワンデーパスエリア外なので、普通のきっぷを買います。

小諸方面の線路の枕木には新車の宣伝。
乗るのは115系。2015年にJRからやってきた組。

車内はJRでリニューアルされたボックスシート。
休日の上田→小諸は人も少なめで、ゆっくり乗車可能です。

JR版でリニューアルされているボックスシート。
リニューアルされてるけど元が元なので微妙に狹い。

列車は千曲川に沿って小諸へと向かいます。

大正時代建設の大屋駅駅舎は解体済み。
滋野〜小諸。
小諸駅手前はしなの鉄道線唯一の高架区間。

小諸駅

小諸駅では、新車であるSR1系と並びます。
この並びが見られるのもあと数年。

新旧の並び。どちらも雪国専用仕様。

小諸駅からは、JR線である小海線に乗車。
跨線橋の先の離れ小島のホームには、これから野辺山まで2時間ほど乗車する気動車が停車しています。

本日乗車するキハ110-115。
表示類がJRであることを主張している。
JRの安全祈願の石碑もある。

小海線は、沿線にJAXAの関連施設や電波望遠鏡あることと、標高が高く一番星空に近い路線ということで、星空をモチーフとした観光列車や駅名標デザインとなっています。

星空に八ヶ岳連峰の駅名標。

さて、今回は一人旅だったので、一人がけボックスシートを確保。
キハ110は、肘掛けと窓枠を自由に使えるこのシートが快適です。

ぼっちorカップル専用シート。後者で埋まっているとぼっちはしぬ。

席がほとんどうまるくらいの人を載せたところで、列車は小淵沢に向けて発射。

小諸駅→野辺山

小諸駅を出ると、東小諸、乙女と、しなの鉄道線の真横を東に進んでいきます。
乙女駅をすぎるとしなの鉄道線と別れて南の佐久盆地へ進んでいきます。

徐々に……ではなくガッツリ90度くらい曲がって離れていく。

佐久平駅

新幹線との乗換駅だが「運賃、整理券は運転士にお渡しください」な駅。

佐久平駅は、小海線ホームが新幹線の上にある珍しい形の駅。
ちなみに小海線側は無人駅。稀に駅員さんがいてきっぷを回収しますが、基本的に一番前のドアしか開きません。

他の駅より長めに停車した後、列車は再び地上に向けて走っていきます。

中込駅

中込駅は、小海線の営業所や車庫のある大きな駅です。
ここでは10分ほど停車したので、ホームから色々と見学。

ホーローの駅名標。
佐久はコイの養殖で有名。
営業所と給油機。線路上に給油機がある違和感。

列車は更に南へと進んでいきます。

臼田駅

臼田駅はかつての臼田町の中心駅。
運がいいと山の方にJAXAの臼田宇宙空間観測所のアンテナが見えます。
更に運がいいと、美笹深宇宙探査局も見えることがあります。

64mのパラボラアンテナ。はやぶさとの通信をしたところ。
かつて2面3線だった中心駅は棒線駅になっていた。

小海駅

小海駅には、世界初のハイブリッド気動車がいました。

キハE200。3両だけの所帯で全部小海線にいる。

これはキハE200。現在各地で走っているハイブリッド気動車の先駆者的存在。3両しかいないので、乗れたらラッキー。
残念ながら彼らはこれから逆方向に向かう模様。

小海→野辺山

小海を過ぎると山岳路線になります。
ここから小淵沢までは国鉄が建設した区間で、橋やトンネルなどが連続していきます。

ところどこ見える畑は、標高が高いからかレタス畑も見え、野辺山に近づくにつれ山の割合が減っていきます。

大量のレタスを運ぶトラクター
山もありつつレタス畑。
徐々に山の割合が減っていく。
ここまで来ると高原地帯。

野辺山駅

小諸を出発して約2時間、野辺山駅に到着。
ここがJR線で最も標高の高い、1345mにある駅です。

ここも星空の駅名標。正真正銘一番星空に近い。
どちらのホームにも最高駅を示す標柱がある。
こんなところにある駅でも東京近郊区間だし、簡易suica改札機がある。
駅舎はへメルヘンな感じ。
駅横の公園にも標柱がある。「東」だけフォントが違う。
所在地の南牧村は酪農も盛んなので、牧草ロールのアートがいくつもある。

ここまで「JR線で」とか「東日本鉄道」とか謎の注釈が含まれているのは、法律での鉄道や駅で標高を見ると、黒部のトロリーバス(無軌条電車)や駒ケ岳のロープーウェイの駅が更に上を行くからです。

線路の最高地点へ

野辺山駅は駅の最高地点ですが、線路の最高地点はここから南西に向かったところにあります。その高さ1375m。
徒歩で約30分なので、ガシガシ進んでいきます。

駅前の案内看板。JR最高地点が含まれている。
ガソリンの値段もハイランドだけども、これでも市街地と変わらないかちょっと安い。

小海線に沿ってしばらく歩いていくと、遠くにアンテナが見えてきます。

レタス畑と林の向こうにアンテナが見える。

このアンテナは、国立天文台の野辺山宇宙電波観測所
見えているアンテナは45mの電波望遠鏡です。
これも小海線が星空に近い路線の理由の一つ。

最高地点

更に歩いてようやく最高地点に到着。
ちょうど山梨側から列車がやってきました。

最高地点を通りかかる列車。
勾配標のあるところが1375mの地点。

最高地点の周辺は観光地化されており、記念碑はもちろんのこと、公園やレストランや直売所、ホテルや鉄道神社もあります。

かなり巨大な記念碑。「JR」が後付なので1987年以前からあるらしい。
本当に散歩で済むんですか……?
車輪と埋められたレールが御神体、枕木が鳥居と賽銭箱の鉄道神社。
レストラン「最高地点」
ここだけ1987年以前になる時空間異常が発生。
近くには貨車倉庫となぜか富士のヘッドマークがあった。

ササッと見るべきものを見て、小淵沢に向かうべく野辺山駅へと戻ります。

最高地点→野辺山駅

静かに踏切外で線路を渡る影を確認。

しっぽの先だけシマシマ。
警戒心の強い茶トラさん。

野辺山駅周辺

次に乗車する小淵沢行きまで時間があるので、駅周辺を散策。
駅前の公園には、小海線で活躍したSLが保存されています。

高原のポニーと呼ばれたらしいC56 96
比較的状態は良さそう。
ポニーと言う割には長いテンダー式

長年、小海線を走ってきた車両なだけあってたいせに保存されているようです。
更に時間が余っているので、野辺山駅で観光列車を見送り。

HIGH RAIL 1375

また駅前通りを進んでいきます。

野菜の冷蔵倉庫。要は巨大冷蔵庫。
酪農が盛んなので駅前通りの一等地に家畜の診療所がある。

駅前通りを5分ほど進んでいくと、長野県で有名な牛乳メーカーのヤツレンの工場と直売所があります。
イートインではソフトクリームと牛乳がいただけます。

モバファクが擬人化すると女の子になるが、ヤツレンが擬人化するとこうなる。
お昼ごはん前なので牛乳で。

南牧村歴史民族資料館

更に時間があったため、小海線の写真展が行われている資料館を見学。

地元の方が撮影された写真がたくさんありました。

再び野辺山駅へ

出発時間と到着時間を勘違いしていたため、見事乗り遅れ。
幸い乗り遅れたのが臨時列車であったため、40分後の定期列車をのんびり待ちます。

心のきれいな人には駅前通りの先に八ヶ岳が見える。
駅の展示物にあった南牧村のロゴ。村の特徴がよく分かる。


「クランプ」
顔出し看板。ぼっちではどうしようもない。
近くの街が27℃でもこの気温。

出発

適当に時間を潰していると、折り返して小淵沢行となる列車が到着。

次に乗車するキハ110-115

やってきたのは、小諸から乗ってきて野辺山で見送った同じ車両。
途中下車したはずが、再び同じ車両の同じ席に座る事になりました。

始発なのでガラガラ。2時間ぶりの風景。

ここから再び小海線を南下していきます。

野辺山→小淵沢

先程30分かけて歩いて向かった最高地点を5分程で通過。

最高地点の石碑。

山梨に入って清里駅では、C56 149に遭遇。
やはり沿線で大切にされています。

ここは山梨県で一番標高の高い駅。

列車は小淵沢に向けて冗談のような急勾配で下っていきます。
崖の上のような場所を通ることもあれば、別荘の庭先を通ることも。

高原路線から再び山岳路線に戻る。
甲斐小泉があればその前には甲斐大泉もある。
小淵沢の大カーブで160°くらいターン。
さっきまで右の車窓に見えていた八ヶ岳が左に移る。

小淵沢駅

右側に中央線が迫ってくると小淵沢駅に到着。
小海線を全線乗り通すことができました。

やっぱり星空の駅名標。
ここまで乗ってきたキハ110-115。また折り返すらしい。

小淵沢駅は数年前に駅舎の建て替えが行われたため、かなり近代的な駅舎になっています。

要塞っぽい。

展望台もあり、天候が良ければ富士山や八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳が見えるようです。

券売機の横にある展望台入り口。
ちょっと見える富士山。
八ヶ岳。

駅舎が変わっても変わらないものもあります。

えっち本を入れる白ポスト。

旧駅舎時代に訪問したことがあるのですが、そのときにもこの白ポストはありました。駅舎のスミに隠れていましたが感動の再開です。

昼食

小淵沢駅で昼食といえば、名物の丸政さんの山賊そば。
改札横の、駅舎改築で新しくなった店舗に向かいます。

夏だろうが熱い蕎麦を食う。

山賊そばというのは、蕎麦の上に松本名物の山賊焼き(生姜とにんにくが効いた巨大な鶏肉の唐揚げ)が乗っている悪魔的一品です。

山賊そば。これで590円。

山賊焼きは天かすを衣に混ぜているようで、かぶりついても口の中を切らないように配慮されています。
さっぱりした蕎麦と、パンチの効いた山賊焼きで延々と食べていられます。

ちなみに現在では、海賊そばなる対抗馬も生まれているようです。
こちらも試してみたいところ。

サメの切り身らしい。

小淵沢駅周辺

次の中央線の乗車まで時間があるので、ちょっとだけ小淵沢の駅前を歩きます。

UMA。
小さな路地。
商店街。
街に現れる要塞。

時間の関係であまり回れませんでしたが、他にも三峰の丘やサントリー白州工場など、小淵沢駅からアクセスできる観光地がたくさんあります。

みなさんも、小海線に揺られる旅はいかがでしょうか。

このあと、私は予定を崩壊させ長野県内一周旅行へと切り替えました。
また今度。

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