星空に向かう高原列車で小海線の旅
信州ワンデーパスというフリーきっぷで小海線を旅をしたまとめ。
信州ワンデーパス?
信州ワンデーパスというのは、JR東日本長野支社が販売している企画乗車券。長野県内のJR東日本の駅窓口や指定席券売機で購入することができ、2023年時点では2680円。
その名の通り効力は1日。
特急券を追加で買えば、北陸新幹線や特急や観光列車にも乗れる素敵なきっぷ。
お出かけプラン
今回のプランは、上田市の上田駅から小諸駅を経由し、小海線の野辺山駅でJR最高標高地点の見学。中央線の上諏訪駅で酒蔵の見学を行い、また戻ってくるというもの。全行程で約11時間想定。
上田駅→小諸駅
まずはしなの鉄道で上田駅から小諸まで。
しなの鉄道は一部を除きワンデーパスエリア外なので、普通のきっぷを買います。
車内はJRでリニューアルされたボックスシート。
休日の上田→小諸は人も少なめで、ゆっくり乗車可能です。
列車は千曲川に沿って小諸へと向かいます。
小諸駅
小諸駅では、新車であるSR1系と並びます。
この並びが見られるのもあと数年。
小諸駅からは、JR線である小海線に乗車。
跨線橋の先の離れ小島のホームには、これから野辺山まで2時間ほど乗車する気動車が停車しています。
小海線は、沿線にJAXAの関連施設や電波望遠鏡あることと、標高が高く一番星空に近い路線ということで、星空をモチーフとした観光列車や駅名標デザインとなっています。
さて、今回は一人旅だったので、一人がけボックスシートを確保。
キハ110は、肘掛けと窓枠を自由に使えるこのシートが快適です。
席がほとんどうまるくらいの人を載せたところで、列車は小淵沢に向けて発射。
小諸駅→野辺山
小諸駅を出ると、東小諸、乙女と、しなの鉄道線の真横を東に進んでいきます。
乙女駅をすぎるとしなの鉄道線と別れて南の佐久盆地へ進んでいきます。
佐久平駅
佐久平駅は、小海線ホームが新幹線の上にある珍しい形の駅。
ちなみに小海線側は無人駅。稀に駅員さんがいてきっぷを回収しますが、基本的に一番前のドアしか開きません。
他の駅より長めに停車した後、列車は再び地上に向けて走っていきます。
中込駅
中込駅は、小海線の営業所や車庫のある大きな駅です。
ここでは10分ほど停車したので、ホームから色々と見学。
列車は更に南へと進んでいきます。
臼田駅
臼田駅はかつての臼田町の中心駅。
運がいいと山の方にJAXAの臼田宇宙空間観測所のアンテナが見えます。
更に運がいいと、美笹深宇宙探査局も見えることがあります。
小海駅
小海駅には、世界初のハイブリッド気動車がいました。
これはキハE200。現在各地で走っているハイブリッド気動車の先駆者的存在。3両しかいないので、乗れたらラッキー。
残念ながら彼らはこれから逆方向に向かう模様。
小海→野辺山
小海を過ぎると山岳路線になります。
ここから小淵沢までは国鉄が建設した区間で、橋やトンネルなどが連続していきます。
ところどこ見える畑は、標高が高いからかレタス畑も見え、野辺山に近づくにつれ山の割合が減っていきます。
野辺山駅
小諸を出発して約2時間、野辺山駅に到着。
ここがJR線で最も標高の高い、1345mにある駅です。
ここまで「JR線で」とか「東日本鉄道」とか謎の注釈が含まれているのは、法律での鉄道や駅で標高を見ると、黒部のトロリーバス(無軌条電車)や駒ケ岳のロープーウェイの駅が更に上を行くからです。
線路の最高地点へ
野辺山駅は駅の最高地点ですが、線路の最高地点はここから南西に向かったところにあります。その高さ1375m。
徒歩で約30分なので、ガシガシ進んでいきます。
小海線に沿ってしばらく歩いていくと、遠くにアンテナが見えてきます。
このアンテナは、国立天文台の野辺山宇宙電波観測所。
見えているアンテナは45mの電波望遠鏡です。
これも小海線が星空に近い路線の理由の一つ。
最高地点
更に歩いてようやく最高地点に到着。
ちょうど山梨側から列車がやってきました。
最高地点の周辺は観光地化されており、記念碑はもちろんのこと、公園やレストランや直売所、ホテルや鉄道神社もあります。
ササッと見るべきものを見て、小淵沢に向かうべく野辺山駅へと戻ります。
最高地点→野辺山駅
静かに踏切外で線路を渡る影を確認。
野辺山駅周辺
次に乗車する小淵沢行きまで時間があるので、駅周辺を散策。
駅前の公園には、小海線で活躍したSLが保存されています。
長年、小海線を走ってきた車両なだけあってたいせに保存されているようです。
更に時間が余っているので、野辺山駅で観光列車を見送り。
また駅前通りを進んでいきます。
駅前通りを5分ほど進んでいくと、長野県で有名な牛乳メーカーのヤツレンの工場と直売所があります。
イートインではソフトクリームと牛乳がいただけます。
南牧村歴史民族資料館
更に時間があったため、小海線の写真展が行われている資料館を見学。
再び野辺山駅へ
出発時間と到着時間を勘違いしていたため、見事乗り遅れ。
幸い乗り遅れたのが臨時列車であったため、40分後の定期列車をのんびり待ちます。
出発
適当に時間を潰していると、折り返して小淵沢行となる列車が到着。
やってきたのは、小諸から乗ってきて野辺山で見送った同じ車両。
途中下車したはずが、再び同じ車両の同じ席に座る事になりました。
ここから再び小海線を南下していきます。
野辺山→小淵沢
先程30分かけて歩いて向かった最高地点を5分程で通過。
山梨に入って清里駅では、C56 149に遭遇。
やはり沿線で大切にされています。
列車は小淵沢に向けて冗談のような急勾配で下っていきます。
崖の上のような場所を通ることもあれば、別荘の庭先を通ることも。
小淵沢駅
右側に中央線が迫ってくると小淵沢駅に到着。
小海線を全線乗り通すことができました。
小淵沢駅は数年前に駅舎の建て替えが行われたため、かなり近代的な駅舎になっています。
展望台もあり、天候が良ければ富士山や八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳が見えるようです。
駅舎が変わっても変わらないものもあります。
旧駅舎時代に訪問したことがあるのですが、そのときにもこの白ポストはありました。駅舎のスミに隠れていましたが感動の再開です。
昼食
小淵沢駅で昼食といえば、名物の丸政さんの山賊そば。
改札横の、駅舎改築で新しくなった店舗に向かいます。
山賊そばというのは、蕎麦の上に松本名物の山賊焼き(生姜とにんにくが効いた巨大な鶏肉の唐揚げ)が乗っている悪魔的一品です。
山賊焼きは天かすを衣に混ぜているようで、かぶりついても口の中を切らないように配慮されています。
さっぱりした蕎麦と、パンチの効いた山賊焼きで延々と食べていられます。
ちなみに現在では、海賊そばなる対抗馬も生まれているようです。
こちらも試してみたいところ。
小淵沢駅周辺
次の中央線の乗車まで時間があるので、ちょっとだけ小淵沢の駅前を歩きます。
時間の関係であまり回れませんでしたが、他にも三峰の丘やサントリー白州工場など、小淵沢駅からアクセスできる観光地がたくさんあります。
みなさんも、小海線に揺られる旅はいかがでしょうか。
このあと、私は予定を崩壊させ長野県内一周旅行へと切り替えました。
また今度。