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とっても素敵なイルカとの壮絶な戦い・バケツ倒し編2

電光石火のように、ステージ上のバケツを倒して、餌を奪っていくイルカM。イルカの持つ能力には驚かされるばかりです。

本当にバケツ倒しはやめてもらいたい、切実なお願いです。
まー、届かないところにバケツを置けばいいだけなんですけど、そこは挑戦したいんです。強化の原理をつかって、修正をかけていきましょう。

バケツを倒さなかったときに、よいことを起こしてあげましょう。
何かを「しない」という設定は、動物にとっては理解しにくいので、何かを「する」に変化させます。つまり目標は「バケツを倒すことが出来る状況でも、待機やサイン通り種目が出来る」です。バケツを倒せない状況から倒せる状況へ少しづつ変化させる、出来たら強化、強化は餌とサイン(2次性強化子)、完璧なトレーニング計画だと思いませんか。
ポイントは、イルカとバケツの距離を少しづつ詰めていくこと、この距離の詰め方が雑だから出来ないんですよ、丁寧に少しづつやらないから失敗するんです。

計画は完璧、うまくいくイメージしかありません、さー実行!実行!

1mから開始、少しづつバケツを前に、距離を詰めていきます、1週間、2週間、時間をかけてゆっくりと。すると、努力の結果が見えてきました。以前バケツを倒された位置にバケツを置いても、倒しに来ません。完璧です。この状況の維持も出来るようになりました。

ところが、またやられてしまったのです、バケツ倒し!

今までの努力が水の泡。最初からやり直し。
気を取り直してトレーニング再開、ようやく出来るようになったと思ったら、

また、バケツ倒し!

もしかして、トレーニングは全く進んでいないのですか?
「正解!」
イルカMに言われたような気がしました。

どこで間違ったのでしょうか。

バケツを倒せない状況と倒せる状況

この2つを分ける要因は、イルカとバケツの距離だけなのか?

思い返してみると、ほとんどのバケツ倒しは、イルカを見ていなかったり、注意散漫になっているときに発生しています。まさか、トレーナーがどれだけ注意しているかイルカにわかるのか?

仮説を立てたら検証してみましょう。

バケツをイルカMの届くところに置いて、目を離して倒しに来る隙を作ってみよう!すると予想通り、やっぱり来ました、バケツ倒し。
でも大丈夫、このバケツ倒しは予想していたので、イルカが動き始めると同時に、右足をバケツの前に出すことで、イルカはバケツに触れる事なく水中へ戻っていきました。ブロック成功、初めてイルカに勝った気分です。
気分のいいところで、イルカMの能力を評価してみましょう。

① 1m程度までなら、空気中でモノの距離を正確に把握できる視覚を持っている
② 自分の身体的能力を正確に把握している
③ どうすればバケツにたどり着けるか知っている
④ どうすればバケツをプール内へ飛ばすことが出来るかも知っている
⑤ トレーナーの注意力を把握し、この後の行動を予測している
⑥ トレーナーがバケツを守れないバケツの位置を判断できる
⑦ トレーナーの状況や体制から、バケツ倒しが成功するか判断できる
⑧ 様々な状況からバケツが射程距離内にあるのか、アタックしてバケツを倒せるか総合的に判断できる
⑨ 準備・計画出来る、しかも準備していることを周囲に気づかれないように隠す能力を持っている
⑩判断速度はとてつもなく速い(と思われる)

これらすべての能力を使ってバケツにアタックをかけて来ていた!・・・のではないかと予測したわけです。これが本当ならば、トレーナーは勝てるわけないですね、でも勝ちたい。

さて、さて、次の作戦です。

今度はトレーニングの要素を3点に増やしました。
①イルカとバケツの位置(以前と同様)
②トレーナーとバケツの位置(少しづつ距離を離す、もしくは一瞬だけバケツから離れる)
③トレーナーの不注意状態を演出(目や顔の向き、態度や動きで注意力が下がっているようにイルカから見えるように、でもしっかり反応できるよう本当の注意力は維持・・・難しい)

これら3つの要素の組み合わせで、
バケツを倒せない状況と倒せる状況
の境界線(グレーゾーンという言葉をよく使います)ギリギリに設定して、イルカがしっかり待機出来たら餌やサイン(2次性強化子)で強化。
これはうまくいきそうですね、完璧です。

盛り上がってきましたね。
さてどうなったか、続きが知りたいですか?

続きは、そうです、次回をおたのしみに~。

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