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『アンジェ・ポステコグルー 変革者』感想


この本に興味があって、まだ読んでいない方は、(購入するかは一旦置いといて)上記のAmazonの購入ページを見ることをおすすめします。

目次や著者の情報が、親切にわかりやすく記載されているので、大変参考になります。

どんな本かというと、それもAmazonの説明が1番わかりやすいので、引用します。

本書では、セルティック時代からよく知る記者が、故郷オーストラリアや日本など周辺取材をして、幼き移民の少年時代からプレミアの舞台に羽ばたくまでの軌跡を描き、ポステコグルー本人の人物像や、一貫してブレない指導哲学に迫っている。


まず気になるのは、"セルティック時代からよく知る記者"という部分ですよね。意外と最近だなと思いますよね。

ただ、だからこそ著者自身も"周辺取材"を通して、あらゆる角度からポステコグルーという人物の根幹に迫ったのかなとも思いました。
取材はオーストラリア時代の旧友が大部分ではありますが、横浜F・マリノス時代のヘッドコーチや通訳も登場します。




私自身、ポステコグルーのキャリアについてはうっすらと目にしたことがある程度で、特に現役時代については彼のポジションや代表キャップなども全然記憶していませんでした。
本書は、彼のキャリアのおさらいとしても非常に有用でおすすめです。



個人的に印象的だったのは、自らの哲学や信念を貫くことに固執して頑固なイメージだったポステコグルーにも、現実的で柔軟な側面もあることを知れたことです。何より勉強熱心だそうです。

F・マリノス時代を知る人であれば、中盤のシステムを微調整したことなどは覚えていることでしょう。
しかし、決して妥協することはなく、大幅な選手の入れ替えを実行したこともまた事実です。


スパーズサポとしてはそのバランス感覚を今後見せてくれることを期待したいと思いました。


またF・マリノス時代には、キャリアで唯一通訳の存在が必要となったことについてなど、日本人の我々からするとより興味深い内容もありました。




タイトルをもたらす監督というと、スパーズサポはモウリーニョやコンテが思い浮かぶでしょう。しかし、彼らのスパーズでの戦績はご存知の通りです。
実はポステコグルーもまたタイトル請負人です。

ポステコグルーは、31歳で監督キャリアを歩み始めて、その最初のクラブを国内王者、オセアニア王者に導いています。


さらにナショナルチームでも、2015年のアジアカップでオーストラリア代表にタイトルをもたらしています。


欧州トップリーグでの経験こそないものの、率いたチームにタイトルをもたらす力という意味では、モウリーニョやコンテすらも凌駕する監督なのかもしれないと感じました。


正直なことを言うと、23/24シーズンのスパーズは、期待感の膨らむスタートダッシュを見せてくれましたが、成績も内容も右肩下がりで閉塞感すら漂う形でシーズンを終えました。このままで大丈夫かと不安な気持ちもありました。
しかし本書を読んで、24/25シーズンのスパーズへの期待感は高まる一方です。ポステコグルーがどんな形でスパーズを高みへ連れていってくれるのか、その旅路を見守りたいと思います。




本書は、各章20〜30ページ程度の構成になっているので、非常に読み進めやすいと思います。


セルティックに触れた章では、日本人選手たちやキャメロン・カータービッカーズの名前も出てきます。横浜F・マリノス時代やセルティック時代を知る人なら一層楽しめるかもしれません。


スパーズサポであれば、このシーズンオフ期間に読むのにもってこいの内容だと思います!

スパーズサポ以外でも、ポステコグルーという人物が気になる方はぜひ読んでみてください!

Jリーグの監督がプレミアリーグの監督になるなんて、次いつ起こることかわかりませんからね!


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