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これ、ってさ、。

書くだけ書いて投稿するか迷って、SNSで流れてきたマンガを読んで思い出したから供養とする。


虐待を大きく分けると
身体
心理(精神)

の3種類になると言われている。

どれも人の尊厳を踏みにじるもので、どれか1つにしか該当しないから軽い、苦しいのはおかしい、だなんてことは絶対にない。

私もかつて両親と両祖父母から、場所を変え人を変え、年数にして8年ほど虐待を受けていたからそれなりにわかるつもりだ。

似たような境遇の人、専門知識のある人がこれを読んでくれていたら聞きたいことがある。
いやそんなの専門機関で聞いてこいよ、と正論をぶつけるのは極力控えてほしい。
過去のことだし、できれば忘れたいし、人にはちょっと言いづらいから、とりあえずここで書かせてほしい。
そのうち聞けそうなら聞きに行く。

性的虐待、その事例について私は知りたい。
私のこれが、該当するのかどうか。
かつて我が家にいた父という人間は、お風呂上がりに一糸纏わぬ姿でリビングまで出てきて下半身を見せつけてくるやつで、こちらが驚いて固まったり嫌悪を示したり、何か反応するとより見せようとしてくるやつだった。

私が小学校中学年くらいのとき、お風呂に入ろうと脱衣所に入り扉を閉めて服を脱ぎ始めたタイミングでがらりと扉を開けて部屋に入ってきて歯磨きを始め(お風呂場と洗面台が同じ部屋の中にあった)、手を止めると
「お風呂に入るんじゃなかったのか」
「脱ぐの手伝ってやろうか」
などと言われ、結局脱衣の一部始終を観察されることになったり
入浴中、浴室の扉を開けられて覗かれたり。

私はたとえ母であろうと脱衣中の自分を見られたくなくて、だから浴室の扉だけでなく、部屋自体の扉を閉めていた。
彼はわざわざ開けて入ってきた。
それとなく嫌悪感を出してみても彼の前には無力だった。

私の入浴中に浴室の扉を開けて覗いてきたことについて、
「お前はよくお湯に浸かりながら顔だけ浴槽のふちに乗せて寝ていたから溺れてる可能性があった。外から声をかけるだけでは判別がつかないから見に行ったし、扉も開けた。死んでるかもしれないから」
と説明された。
でもさぁ、それなら母が見に来たっていいわけだよ。
そうしなかった。
私は気配を感じたら扉を開けられる前に近所迷惑になりそうな声量で「入ってるから!」と叫んで牽制するようになった。
おかげで入浴中も気を抜くことができず、次第に眠れなくなった。

返事が少し遅れるだけで開けるよの一言もなく扉が開くということは、私の反応なんか関係なく開けられるということである。
確信犯でしかない。

あるとき身体に違和感があったので母を呼べば
「自分でも代わりはできる」
とか言って父が来て、それでもなんとか母に来てもらって安心、と油断していると話している最中に様子見と称して顔を出し、まじまじ身体を見てくる。

不幸中の幸いで、見られるだけで接触は特になかったように記憶しているけれど、第二次性徴が顕著になる頃にも一緒に住んでいたらと思うと恐ろしい。

性的虐待というと、行為に及ばれてからのことがよく話題になるように感じている。
私みたいに見せつけられたり見られたりするだけの事例を、私は聞いたことがない。
話題が話題なだけに誰も言い出さないのかもしれない。
でもこれだって充分そう言えるのではないか、いや言って欲しい。
いくらインターネットで調べても出てこない。
調べ方が悪いのだろうし、プライバシーもあるし、そりゃそうなんだけど。

こういうのを思い出す度に、私ってばよくセックスそのものを嫌いにならなかったなと感心する。
行為に及ばれていなかったことがよかったのかもしれない。
一時、男性は全て父のような人間であると決めつけていたときに、母から「世の中あんな人ばかりじゃない。視野を広げなさい。私とあなたが同じ性別でも違うように、男性も多様だから」
と言われて以来、それを信じてきたからかもしれない。
そもそも私はこの頃から雑誌や漫画のなかで楽しむ分には興味のあるほうだったからかもしれない。
父の行いは、私が成人向け漫画をこっそり読んでいたことがバレてから始まったような気もする。

興味を持つのが早かった自覚はあるけれど、だからといってお風呂を覗いて裸を見せつけたり見たりしてもいいわけがないだろ、というのは声を大にして言いたい。
てか叫びたい。
何より、いい年して、していいことと悪いことの分別がついていないのは痛々しい。


こういうの、「あなたがこれは虐待だと感じたならそうなんだよ」と言われるけど、はいそうですかって納得はできないよ。
そういうもんなのか、とぼんやり思うことはできる。
胸を張ってこれは虐待なんだと言いたいんだ。
傷のなめ合いみたいになるのはまっぴら御免だ。
自分しか知らない。だから余計に孤独が極まる。

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