第34回 第3逸話『プロテウス』 その4
”僕も罪の暗闇の中で孕まれた。生まれたのではない、造られれたのだ”
イエス・キリストは神より、造られずして生まれた、と言う。スティーブンはその反対をゆく。
”神は大昔から、僕を存在させようと思っていたのだ。(中略)「永遠法」が神と共にあるからな”
永遠法とは、神が定めた計画。この世の全てはこれに従って進んでいるとのこと。
スティーブンはとても自意識の高い青年。…というか自惚が少々強いやつ。作家志望のインテリだもんねえ。
自分が目を開けている時間こそ世界は回ってるのだ、と思ってみたり、自分は神に造られたのだ、だなんて。
ま、男の子は誰でも青春期に一度や二度は思うんじゃないですか?
…俗に言う中2病ですよ(?)。
”じゃぁ、父と御子が同一となった聖なる実体とはこれのことか?
これとは永遠法のことと思われます。
永遠法に沿って、僕は生まれた(違った、造られた)と。
…続く。
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