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第八回『イーリアス』を、なんとかとっつきやすくする方法。



 アカイア勢とトロイア勢が、わぁーっつって戦争してる。
その中心にいるのがアカイアの英雄アキレウスとトロイアの英雄ヘクトル。で、クライマックスは二人の一騎打ちです。以上。


アキレスVSヘクトル



ご紹介しておきたい映画に2004年公開のアメリカ映画『トロイ』があります。
こちら、一応『イーリアス』の映画化作品となっております。ブラッド・ピットがアキレウス役、エリック・バナがヘクトルを、オーランド・ブルームがパリスを演じています。

 異論はあるでしょうが、なかなか良い作品です。何が良いって、シナリオです。あの、ウダウダイライラ、まどろっこしくて腹立たしい(失礼!)『イーリアス』を、信じられないくらいわかりやすく、万人向け娯楽作品として、アダプテーションされています。700ページが2時間半ですからね。大まかな筋は同じ、神々の存在をバッサリ削って、戦争を引き起こした原因はパリスの色。わかりやすい。大した荒技です。とりあえず、おすすめとしまして、叙事詩の方を読む際に、アキレウスが出てきたらブラピを、ヘクトルはエリック・バナ、パリスはO・ブルームって感じでそれぞれの顔を思い浮かべたりしながら読むと、作品に入りやすいと思います。
あの、取ってつけたように突然現れ、しかもたいして役にも立たずにあっさりスルーされる「トロイの木馬」の登場は興醒めですが…(きっと製作者側が、「そりゃ入れとかなきゃまずいっしょ。タイトルが「トロイ」なんだからさあ。とかいった商業的事情なんでしょう)。アキレスがアキレス腱に矢が刺さる、然り。

 次に紹介したいのは、白水社2000年刊行の『ホメロス物語』です。少年少女向けに編集したやつで、普通に戦記もの小説として、楽しめます(深みはありませんが)。

 でも1番のおすすめはやっぱり岩波書店、松平千秋訳『イーリアス』(上)(下)ですよね。
そして同時並行で阿刀田高著『ホメロスを楽しむために』を常備しておきます。そして『イーリアス』を読んでて「ん? なんかわからん」ってなったら、阿刀田高著を取り出し、「あ〜、なるほどね」って感じで…。

※間違いでした。自作『オデッセイア』で、パリスに打たれると記されていました。誠にすみません。




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