タイとタイ料理にまつわるエトセトラ(第一回)

タイが大好きだ。タイ料理が大好きだ。
その温暖な気候が、温かな国民性が、癖があり美味しい料理が、比較的まだ安い物価が、新しさと古さが混在した街が、大好きだ。

今夜は、勢いのままに、タイとタイ料理にまつわるエトセトラについて書きたいと思う。(途中保存していたので二晩に跨がる)

タイに行ったことは3回程度ある。初めては大学4年生の22歳の頃で、2回目は社会人1年目の23歳の頃、そして3回目は26歳の頃(インド訪問の中継地として)だったと思う。

まず、初回の訪問、大学生活終盤で晴れやかな気分の卒業旅行の一部として行った時から話を始めたい。とても失礼だが、当時の僕は、タイ旅行といえば日本人男性が安価な買春目当てに行く場所だという理解だった。(そう思い続ける人が一定数いることは分かるが、断固として主張したい。それはタイの一部分しか切り取っていない)

バンコクに降り立った瞬間、スクンビッド空港(確か)に降り立った瞬間、東南アジア特有かつタイならではの独特な匂いを伴うモワッとした生温い風を感じた。タクシーでホテルに向かう際も強引な客引きは無く、英語よりも日本語の通じるドライバーに危険な香りはしなかった。バンコクの雑然とした、人と犬と車とトゥクトゥクが行き交う街並みを走り、そこそこのリゾートホテルに着いた時は、大学生のバイト代クラスのホテルでもこのレベルに泊まれるのかと驚いた。(今となっては、より安価にハイクラスのホテルに泊まれる他の国も知っているが、当時はそう感じたのだ)

その時は、確か高校時代からの友人、男3名で行った。うち1人はタイの帰国子女という人材で、主要な観光名所や歓楽街もよく知っていたので、快適な旅となった。

初めてだったので、バンコクの主要な観光名所を一通り回った。中心街のショッピングセンターや、やや郊外の大仏や歴史的建造物、夜の歓楽街(駅名はスクンビッドの近くだったかな?)、そのくらいだったと思う。また、ソイXXXという場所がやたらあると思ったらソイは道/Streetという意味だと知った。

どこに行ってもやたらと日本人が居て、それもおじさんから当時の自分と同年代と思われる大学生まで幅広い年代が居た。大学生たちは我が物顔で肩で風を切りながら街を闊歩していて、なぜか少し嫌な気持ちになったことも覚えている。どの国でも、どの環境でも謙虚であらねばならない。

疲れたら、シンハーもしくはチャンというタイを代表するビールを瓶で飲みながら、ホテルのプールサイドでのんびりとした。とにかく蒸し蒸しと暑いので、一日中ビールが進む。もはや水のように飲む。なぜか酔わない。シンハーはすっきりした味わいで、チャンはややコクのある味わい、その程度の違いしか僕の味覚では判別つかないが、とにかく最高のくつろぎであった。全体的な物価も、驚くほど安いわけではないが、日本よりは遥かに安い。(確か今は大分バーツ高になっているらしいのでその感覚は無くなってきているかもだが)

そして、このようなタイライフに欠かせないのが、何といってもタイ料理だ。海外で本場のXXXを食べてガッカリすることがたまにあるが(個人的には日本で食べる中華、日本で食べるイタリアン、の方が本場よりも庶民的な店でいうと美味しかったりする)、タイ料理はどんなお店でもタイの方が美味しい。ナンプラーだか何だか詳しいことは分からないが、調味料が独特でエッジが効いている。街中、特に屋台に溢れるエリアでは四六時中全く形容することの出来ない匂いが漂っている。

初回のタイ訪問では、共に行ったタイ帰国の友人が家族で行っていたというそこそこ高級店の佇まいのThe王道タイ料理も食べたし、若者に人気があるというエリアで洒落た洋式の見た目のレストランでモダンタイ料理的なものも食べた。そしてピンク色の看板が目を引くカオマンガイ専門店(日本でも渋谷に進出している)は1日に3回程度はおやつ感覚でタクシーに乗り(これも安いしぼったくりも少ない)食べに行った。確か、日本円で150円程度。どのタイ料理にもパクチーは当然供えられているので、パクチーラバーの僕からしたら天国だ。The屋台料理はお腹を下した話を数多聞いているので、チャレンジする気にはならなかった。

移動は大体はタクシーだ。トゥクトゥクは興味本位で最初は乗るが、案外値が張るし、荒い運転だと事故の危険を感じることも多々ある。(混んでいる中でも狭い隙間を縫って爆走して早く着く場合もあるが、それもまたなかなか危険)タクシーは比較的には安全だ。一部の国でたまにいる明らかに目がトロンとした薬中毒のドライバーは少なくともあまりいない。ショッキングピンクと真っ黄色の色をしたタクシー会社が主流だったと思う。基本的に冒頭で書いた通り、厳ついドライバーは少ないし、しっかりとメーターを点けてくれと主張をすればぼったくられることも少ない。日本語もむしろ英語より通じる。ただ、やはりどの国も日本とは異なり、完全に安全ではない。僕は1~2回しかないが、知らない間に目的地とは違う方向に向かっており、怪しい女の子がいるお店に誘われることもある。その際は断固としてNoというべきだが、不必要な好奇心でお店に入っていった結果、自分より遥かにガタイの良いレディボーイに追い回されたという友人も何人か知っている。

まだまだタイ/タイ料理のごくごく初歩的なことしか書いていないが(タイ好きからしたら相当に曖昧な記憶で相当に薄い文章であることだろう)、初回の訪問はもう大分前のことで記憶がおぼろげなので、エピソード単位で何か面白い話を思い出したら都度書いていきたい。また、2回目以降の訪問もしっかりとどこかで書き残しておきたい。相当数のユニークな経験が、タイの訪問には眠っている。ただ、平日夜にこの程度の文章を書くと結構疲れてくるので、今夜はこの程度にして一旦第一回を終わりとしたい。

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