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NEE ファンクラブ限定ライブ「wktk集会 vol.2」@東京キネマ倶楽部 ライブレポ

はじめに


 2023年6月23日にNEEのオフィシャルファンクラブ「にーラブ」会員限定で、東京キネマ倶楽部にて行われた「wktk集会 vol.2」のライブレポです。先着でのオリジナルカクテル(600円)の販売や、会員限定のスピードくじなど、ファンクラブライブならではの施策も多くありました。

本編&アンコール


SE 東京ディズニーランド・エレクトリカルパレード
 メンバーセレクトの会場内BGM、かほ(Ba.)の影ナレ、くぅ(Vo.&Gt.)の恒例の見てるぞツイート等を経て流れ出すSEに思わず笑うファンクラブ「にーラブ」の会員達。カラフルなジャケット・スーツスタイルの夕日(Gt.)、グレーのセットアップに身を包んだくぅ、黒のドレスコーデのかほ、そしてメンバーからも石油王と呼ばれていた、ターバンや丸サングラス、アラブの民族衣装に身を包んだ大樹(Dr.)が順に登場。会場の華やかさとカラフルな照明、SEがこの日の特別感を強調する。

1 下僕な僕チン
 SEが鳴り終わった後すぐに曲に入らず最初にMCがあるアットホームさもFCライブならでは。ステージ上の4人の会話はまるで楽屋かのごとく仲睦まじい。そうしたファンサービスの一面も強いこのライブの1曲目に選ばれたのは、最近のライブでの演奏率が低かったこの曲だ。NEEか大きく打ち込みサウンドに振り切るきっかけとなった曲だが、久々に披露されるだけあって会場のテンションは一気にMAXに。

2 ビリビリのーん
 パンク・ロック的なイントロから夕日のカッティングが入り2段階にイントロが変化する「ビリビリのーん」。nee時代の8枚目のデモには「Reason」という名前で収録されていたが、「下僕な僕チン」と同じくメジャーデビューアルバムには別ver.として収録されている。目まぐるしく変わる展開と捉えどころのないリズムがライブで聴くとなんでブレずに合わせられるんだ……?と余計に疑問になる。

3 膝小僧
 久々の披露となったこの曲。バンド名の由来の「膝」が曲名に入っているだけあって特別な局面でのライブで演奏されているイメージである。初期のNEEのギターサウンドに打ち込み音を融合した実験的な曲。疾走感を印象付ける四つ打ちのサビに「ハイ!」の合いの手もピッタリ合う。さすがファンクラブ会員達だ。ここでくぅがギターを置き……

4 おもちゃ帝国
 こちらはバンド名の「NEE」が歌詞の中に入っている。そういう繋がりのセットリストになっているのは何かの意図があるのか、はたまた偶然かもしれないがそうだとしたら余計に奇妙な縁を感じる。くぅは登場の時に降りてきた階段を上り、バルコニーのようなところでハンドマイクで自在に踊る。果てには手すりに立って客のシンガロングを煽る。最近のライブを経てこの曲がどんどん進化していっているのを感じた。

5 夜中の風船
 かなりもみくちゃで圧が強そうに見える前方を、「怪我してない?一歩下がろうか」というNEEらしい優しさで気遣った後にこの曲が演奏されるとは、衝動が抑えられようはずもない。1stシングル「トゥッタッタ」に入っていてYouTubeにMVが上がっていたこともあるが、今となってはライブでしか聴けない久々の「Mark I」バージョンに沸くフロア。昨年の初のFCライブや、ツアーの下北沢公演等こういう場面では必ずMark Iが披露されてきた。なので予感していた人もいたかもしれないが、実際に生で聴けるとカラフルな照明も相まって多幸感がすごい。

6 aLaLe
 くぅがギターリフを掻き鳴らして始まったのは、アルバムに入っていないにも関わらずファン人気の高い「aLaLe」。その人気は5th TOUR「JOKE」にてアンコールの曲に現地のファンの声で選ばれたほどだった。「わっさー(What's up?)」の合いの手もバッチリ揃っていた。BPMが速いことを考えると結構長い曲だけど飽きさせないような魅力がこの曲にはある。「落ち着いたら夢でも見てなよ〜」の部分の合唱は、コロナ禍のリリース当時のNEEが観たかった景色ではないだろうか。

7 因果オウホウ
 不規則な同期音にひっぱられて始まったのは「因果オウホウ」。イントロとAメロの三拍子と、サビでのくぅの出身地の方言での歌詞「こがいな不安も〜」が印象的だ。個人的にはCDJで聴いたぶりになったが、そういった人も多いんじゃないだろうか。途中でヘヴィ・メタル風になるような曲調の変化もありつつ、ラストサビをかほ・くぅ・夕日のコーラスワークでバッチリ決める。

7.5 こたる(大樹ボーカル)
 ここで夕日・かほが衣装チェンジのために一旦退場。去り際にかほがくぅに「2人でこたるの弾き語りやっといて」と言ったことが発端で、ギター:くぅ、ボーカル:大樹でのこたるがワンコーラス披露される。歌詞が少し曖昧な感はありつつも最後まで歌い切った大樹。途中から夕日もドラムで参加するなど自由度高めの合間のコーナー。こういった一面はバッチリきめてる通常のワンマンライブでは見られないのでFC冥利に尽きる。

8 夜泣き
 そんなゆるゆるの幕間を経て披露されたのは、先ほどの「夜中の風船」原曲と同じく今はもう廃盤となっている1stシングル「トゥッタッタ」収録のこの曲。サブスクにないどころかライブでもほぼ聴けない貴重な曲だ。私もnee時代に下北沢シェルターで聴いたり、昨年の「緊急全国逃避行」下北沢シャングリラで聴いたりした以来だと思う。夜が似合う歌詞と、バラード調ながら曲の最後に向かうにつれテンポアップしていく不思議なバランス感覚を持ち合わせる曲。

9 ほろ酔い
 続いても同じく1stシングルに収録されているこの曲。wktk集会vol.1でも演っていたが、こういったレア曲が聴けるのもFC限定イベントならでは。「歩く花」以前のバンド感マシマシの頃のneeの曲なだけあって、間奏でのキメがカッコよかったり、どことなく下北沢感がある。それは去年の下北沢で聴いたぶりだからだろうか。「ハートのあるホテル」という歌詞が、山手線屈指のラブホ街のあるこの鶯谷で歌われるというあまりにもな偶然に思わず笑ってしまう。

10 第一次世界
 聴いたことが恐らくそこまで多くない曲のゾーンを経て、かほのベースから始まるバチバチに飛べる人気曲が来るというギャップのかっこよさにやられる。もはや文句なしのキラーチューンへと成長した第一次世界。年始から始まった第2次NEEブームの立役者はこの曲だと思っている(個人の感想です)。ハンドマイクで魅せるくぅにも慣れたものだ。

9 不革命前夜
 続いてNEEが世の中に知れ渡る最初のきっかけとなった曲「不革命前夜」。「東京キネマ倶楽部、革命起こそうぜ!」の後に「今日のキネマ倶楽部では……革命は起こりません!」のお馴染みのワードで場を沸かせる。ラストサビ前でマイクを横に向ける、この間のツアー六本木公演でもあった演出の直後にそのままマイクスタンドを回し観客の方へ向かせ、「歌え!」と落ちサビの合唱を煽る様を見て本当にライブが上手いなと感じる。

SE ミュージックステーションのテーマ #1090 Thousand dreams
 くぅと大樹の着替えを経て、「東京ディズニーランド・エレクトリカルパレード」と迷ったと後に語っていたもう一方のSEを、スタッフが遊び心で流し始める。自分が操作を誤ったのかと一瞬焦った様子の夕日だったが、急いで登場時の階段に向かい、くぅもそれに続く。こうして図らずとももう1つの登場パターンが披露され会場は大盛り上がり。こういう身内の悪ふざけに、かほ・大樹含めその場にいる全員が大爆笑できる空気感が本当に居心地良い。

9.5 DINDON(メロコアバージョン)
 2人の衣装チェンジ中に夕日・かほが2人だけでやろうか、と話していたが2人とも戻ってきたので4人で披露することに。以前Twitterに「スタジオでの遊び」ということで動画をあげていたものである。ファンの1人をステージに上げ観客にツーステを伝授してもらい(彼女は「ツーステの先生」としてメンバーに褒められくぅとハイタッチをした)いざ演奏。こういったレベルの高い音楽的な遊びができるのも彼らのスキルの高さあってのことである。

10 障害とパプリカ
 そう、今回は3rdシングル「クソ畜生、よろこんで」の収録曲が全て披露されたライブになった。wktk集会vol.1でも演奏されていたが、初期にはよく演奏されていた曲ではあるものの最近のライブで聴いたことがある人は少ないと思う(実際にこの前のツアーではこのシングルからは1曲もセトリ入りしなかった)。出だしのフレーズが半音上がった大サビの後に来る伏線回収感が気持ちいい。このサビで思わず腕を上げてしまいたくなる曲調も初期のneeという感じだ。

11 本日の正体
 続いて緑色の照明に包まれ始まったのは、最近の曲でもバンド色が強いこの曲。ただこの曲ができたのも、打ち込み音を大胆に取り入れた曲をいくつも出した後だからこそバンドサウンドとの上手い折り合いが付いたからだと思うし、だからこそ反動でこういう曲のかっこよさも際立つ。事実、この曲でファンになったという人も少なくない。前回のツアーぶりに聴いたが間を空けずとも何度聴こうともこの曲はかっこいい。

12 万事思通
 wktk集会vol.1ではこの曲の合いの手のレクチャーがあった。その場にいた人が今回のライブにどれだけいたかはわからないが、ばっちし揃っていたのはFCライブならではの風景だ。どこがサビかわからないような展開に振り落とされずについていく。「本当はいいことばかりじゃないけど〜」のところを円になって肩を組んで歌っていたグループもありなんともアットホームで微笑ましい。

13 月曜日の歌
 次の1曲が撮影可能であることが知らされ「もうひと勝負いきましょう。にーラブ対NEEメンバー。月曜日の歌!」というMCで始まった。撮影中なのに飛んでしまう人も多くて、これでブレブレの動画が残されてようともそれがライブだよなあと感じた。交互に飛び跳ねながら演奏する夕日とくぅはとても楽しそう。そういえば偶然にも前回のFCライブでもこの曲は撮影OKだったが、その時はくぅはキーボードを弾いていた。多くのライブ・フェスの出演を経たNEEの変化を感じられた。

14 ボキは最強
 最後の曲に選ばれたのは、前回のツアー「JOKE」と同じくこの曲だ。初期からあるキラーチューンで、観客も次々と首にかけたゴーグルを額へと上げる。恒例の「ボキポーズ」をくぅと一緒にキメて、満場の一体感に包まれたファンクラブライブの本編は締めくくられた。

EN. 歩く花
 アンコールを求める「帰りの会」の合唱に呼ばれて戻ってきたメンバー達。最初にMVが出た曲ながら今でも高い人気を誇るこの曲は一時期キーをいくつか上げて披露されていたが最近は原曲キーで演奏されることが多い。間奏を経た最後の歌唱「やりすぎた世界の真ん中で〜」の部分でくぅはギターの代わりにスマートフォンを手に取り、観客の合唱の様子を撮影し始める。そのまま楽器隊のかき回しを経て動画を止めることなくアンコールが終了しメンバーは下手から退場していった。

おわりに

 NEEのライブはかっこいい。それはワンマンやフェスでライブを観たことがある人なら誰も否定しない事実だと思う。だが今回はファンクラブ会員限定のライブとあっていつもよりいい意味での内輪感が強く、いつもとのギャップにやられたライブだった。既存曲のアレンジだったり、ボーカルチェンジだったり。そんな「遊び」が効くのも、パートをシャッフルしてもバンドの曲を成立させられる個々のスキルあってこそのものだ。
 最近のNEEの人気の勢いはすごい。今までにもましてバンドシーンで高く評価されはじめてファンとしては鼻が高くなる一方で、どこか遠くに行ってしまったような感覚を持っていたような人もいただろう。そんなタイミングでのこのファンクラブライブで、彼らが変わらずファンを想ってくれていることを実感できてよかった。

参考:ミュージックステーションのテーマで再登場する夕日とくぅ
 https://twitter.com/sunset_a4/status/1672265747647840257?s=46
   メロコア版DINDON
 https://twitter.com/sunset_a4/status/1625494218243473410?s=46


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