「京都市の行財政改革」 ——京都市長選立候補者討論会第3戦 (KBS) Part2 ——

書き起こし元:https://www.youtube.com/watch?v=S0hAgfB4oTA


司会
では、今日の討論のルールをご説明します。
現在京都市が抱える課題などから、市長選の争点になりそうなテーマを番組で選びました。
そのテーマに沿った政策について皆さんにそれぞれ定められた時間で語っていただきます。制限時間になりましたら、この鐘の音がなりますので速やかに発言を終えてください。
発言が終わらない場合は私が遮ることもあります。そして発言時間が1人に偏らないようにさせていただきます。

では討論いただく最初のテーマはこちらです。

京都市の行財政改革について。
京都市は地下鉄事業が経営難に陥るなど財政再生団体に転落する恐れもありましたが、
2021年からの行財政改革によって住民サービスなども見直し、昨年度は22年ぶりの黒字決算となりました。
しかしながら慢性的な財政難とされる京都市ですので、今後の行財政改革・都市戦略について考えをお聞かせください。発言時間はお1人2分でお願いいたします。

では松井さんからお願いします。

立論:松井孝治

松井孝治
はい、はいあの、京都市の財政、確かに22年ぶりの黒字を達成しました。それはいろんな方々のご尽力があったと思います。ただ私はこれは決して油断できない財政状況だと思っております。
私としては、2つ大きな政策を持っています。

1つ目はですね、私、橋本龍太郎総理の下で行政改革をやってきました。行財政改革については一定の自分の実績もあると思っています。
ただですね、この間この10年20年、いろんなものを効率化する・削減する・カット、カットでできる行政改革というのは私、限界があると思います。

むしろですね、私もう数年前からずっと申し上げてることですが、京都はですね、町衆がおおやけを担ってきたその歴史と伝統があります。
しっかりですね、政治、中央の政治や中央の官僚が仕切るおおやけではなくて、民が担う公共というものを実現することによって、もっと人々がおおやけについて関心を持つ、そのような形で新しい行政改革を次のステップに進めていきたいと思います。
当然のことながら全ての事業は私も新人ですから、白紙で見直さなければいけないけれど、民が担う公共ということを基軸として掲げたいと思います。

もう1つございます。それはですね攻めの都市経営ということであります。
京都、この戦後ですね本当に世界に名だたる企業が京都から生まれました。ただ最近この10年15年どうでしょうか。
私はこれだけ多くの大学生がいて、そして素晴らしい人材がいるにも関わらず京都の経済が大きくなってない、人口流出が続いている。この経済を、パイを大きくする。
言ってみれば大学発ベンチャービジネスこれの支援を行っていくとかですね。
あるいはもっと若い方々が住める住宅を開発するためにも、都市計画を見直してメリハリのある都市計画を作り直してですね、そしてこのもっと若い方々が住みやすい、そしてお年寄りも住みやすいそういう選択されるまち京都を作ることが、行財政改革の基本だと思います。

司会
続いて村山さんお願いします。

立論:村山祥栄

村山祥栄
はい、京都市の財政は相変わらず大変厳しい状態が続いてございます。
少し状況は好転しつつありますけれども、まだまだ予断の許さない状況が続いているということでございます。
私はこの20年ずっと京都市議会でこの問題に取り組んでくる中で、変えられなかった忸怩たる思いも一方である中で、こうすれば変えられるていう提案をずっと続けてまいりました。

そんな中で、今回ご提案をさせていただいてるのは、まず4年間で政令市の平均値まで財政を戻しましょうと。
そして今京都市の貯金は0でございますけれども、今回能登地震があったようにああいう非常時に最低限備えられるだけの蓄財をするべきだということで、4年で150億の財政調整基金の積み上げをやるということを約束してます。
そしてこの間ずっと使ってはいけないと言われてきた借金を返済するために積み立ててきた原資、これもだいぶ使い込んでございますから、これを8年以内にきちっと整理をして、そして10年後には政令市で最も財政状況のいいまちにするということを申し上げています。
お金がなかったらいい攻めの経営はできません。

そして今回かなり厳しいこと私は申し上げています。
それは財政再建をやりながら攻めの経営も一緒にやるんだということで、かなり厳しい財政目標を立てながら進めております。
ポイントは3つです。

1つはトップが覚悟を示して徹底的にやるということ。
そのために私は自分の給与を30%カットして、退職金4年やると市長は4000万ぐらいもらえるんですが、これも廃止をすると。

覚悟を決めて徹底的にやる。そして脱しがらみで組織団体を一切遠慮しない運営をしっかりやる。

そして3つ目は意識を変えるということであります。
感覚、今までやってきた当たり前のことが実は当たり前じゃないんだと。
例えば民間委託しましょうと、それはもちろんやらなきゃいけないんですが、最近は成果報酬型の民間委託という新しい手法が出てます。
成果が出なかったらお金を払わないというやり方です。ないしは、まちの公園、民間に公園もまるまる貸して民間に公園をやっていただくと。
こういうような新しい経営をしはることでしっかりと財政再建を進めていきたいと考えてございます。

司会
続いて二之湯さんお願いします。

立論:二之湯真士

二之湯真士
はい、今の京都市の財政は大変厳しい。この22年ぶりの黒字もやはりコロナ対策で、国から一時的に多くのお金が来たということが黒字要因だという風に認識をしています。

だから徹底的に改革をしなければならない。まずはもちろん支出を抑えるということと新しい収入を増やすと。
支出を抑えるということで、しかし今多くの皆さんがサービスカットだと公共料金も引き上げられてると。
こういうことで苦しんでられる、そういうサービスカットではない。

私は府議会議員をやってきたのでずっと見てきま、指摘してきました二重行政ですね。
京都府がしていること、本来京都府がすべきことは京都府に任せて、市民サービス守りながら京都市の支出を抑えると。
私が見たところまだまだ京都市の支出に100億円以上そういうものがある。まずそれをやめる。

そして新しい財源、短期的には宿泊税を国際水準並みに引き上げ、今上限1000円です、片や他の国際都市ハワイでしたら宿泊費の16、17%、せっかく高級ホテルたくさん誘致した、1泊30万の宿泊で京都市は税収1000円、ハワイだったら5万円、こんなもったいないことをしてるわけですね、だから京都を好きで高額の宿泊してくれる方にもうちょっとお願いする。
しかし5000万人の1年観光客京都市、宿泊は約1割ですね、9割の人からもいただきたいということで、まず有力なのは有料の拝観料を取られるお寺など行かれた時は、それは完全な宗教行為でありませんから、いろんな観光目的で行かれますから、やっぱりお寺に観光客からお金集めていただいて京都市に納めていただくと。これらで年間100億円作ると。

あとはこのだけ多くの方が来られるんで、実は公共交通は黒字になるという可能性があります。
2008年京都市はもうLRT路面電車導入調査をしています。その時にいろんな路線を調べて、その黒字路線これの年間の黒字額約30億円だったと。今なら40億50億、観光客増えてるからいけると思います。
年間で250億、4年で1000億の財政改善をしたいと思います。

司会
続いて福山さんお願いします。

立論:福山和人

福山和人
はい、京都市の財政は慢性的な危機状態にあると言えます。
その主な原因は地下鉄東西線などの大型事業に莫大な金をつぎ込んだからですけれど、市の行財政計画の中ではそうした見通しの甘い大型事業にお金をつぎ込んだ反省はほとんどありませんでした。
その結果、ハコモノ優先で福祉を削る括弧付きの行財政改革が強行されたと思います。
市が令和3年度以降に実施予定やった2000億円を超える大型事業は全く減らされることなく、逆に市庁舎建替えや370億、芸大の移転300億など、こういった費用が膨らみました。

他方で例えば敬老乗車証の改悪や、あるいは民間保育園に対する補助カットなど、福祉が削られました。
市民の福祉予算削られたの50億以上になっております。未曾有の物価高で市民生活が本当に苦しんでる中でですね、
こうした市民生活にしわ寄せをするやり方は見直されるべきだと思います。克服の方向は2つです。

1つ目は不要不急の大型事業を見直すか後回しにすることです。
とりわけ北陸新幹線延伸の現行計画は莫大な借金を市民に背負わせる恐れがありますし、環境の悪化や地下水枯渇の恐れなども含めて考えると、これは抜本的な見直しが必要だと思います。

2つ目はコストカット1本槍ではなくて、市民の暮らしを温めて経済を元気にして歳入を増やしていく、このやり方であります。
私が公約をする暮らし応援策はそのような考えに沿うものです。
また宿泊税の税率アップ、それから観光協力金制度の創設などによって年間おそらく100億円程度の新規財源というのは創出することが可能だろうと思います。
そういう形で私は福祉を削らずに財政を再建してまいりたい、このように思います。
また私は身を切る改革と声高に言うつもりはありませんけれども、市長退職金は返上させていただきます。

司会
はい、それでは先ほど皆さんから語っていただきました京都市の行財政改革について、続いては討論に入っていただきます。
それぞれの発言は30秒程度でお願いいたします。
ではどなたからお願い、じゃ村山さんからお願いします。

質疑:村山祥栄「宿泊税は目的税化しなければ不満が出てうまく行かない。自由に使えるものではないがどうお考えか」

村山祥栄
はいあの、お二方から宿泊税の話が出ておりましたが、私は宿泊税を元々京都市議会で提案をした立場から海外の視察なんかもして、調査をしました。
うまくいってる町と、いってない町があるわけですが、うまくいってる町はちゃんと観光目的税として活動使われてるわけですね。

先ほどからお話を聞いてるとなんかこの宿泊税は自由に使えるぞ、というような空気でお話をなさってるんですが、私はこれ目的税化しとかないと絶対に不満がいっぱい出てくると。
だから観光政策だけで100億使うんだったらいいですがそこ辺はどう考えなのかを伺いたいです。

司会
はい、では二之湯さんどうでしょう。

A1. 二之湯真士「観光に関する対策は非常に大きく、十分観光に伴う課題への対応として整理できる」

二之湯真士
はい、観光にもね、観光の今のオーバーツーリズムで伴う問題、公共交通だとかですね、ゴミの問題だとかですね。
これ地価が高くなって、で若い人住みにくなってるというようなことまで広げるとですね、観光に関する京都市の対策というのは非常に大きいものがあるわけなんですね。
でこれ、そういった部分でいくと、やはり宿泊税は引き上げて大きな財源になっても、十分に観光に伴う課題に対する対応という形で、私は整理ができると思っております。

司会
うん、福山さんどうですか。

A2. 福山和人「観光以外にも実際使われている状況が有るので、正面から普通税化を目指す」

福山和人
はい、私はこの宿泊税については普通税を目指すべきだという風に思っております。
実際にはその観光目的税という形になってますけれど、事実上の運用としてはその観光以外のところについても、実際で運用で使われてるという状況がありますので、それであれば正面から普通税化をしていくということを十分考えうると思っております。

司会
はいこれ聞いて松井さんどうでしょう。

A3. 松井孝治「宿泊税は見直し増収図るべきだが、村山に同意で、増収分は観光対策や観光で圧迫される交通アクセスに絞って活用すべき」

松井孝治
はい、私も実は宿泊税は大幅に見直さなければいけないと思っています。ボリュームゾーンも含めてしっかりと見直して税収増図るべきだと思います。
私は宿泊税の使途については村山さんと同じ意見でありまして、やはり基本的には、きちっと説明責任を果たしていくという意味で観光対策あるいは観光によって圧迫されている、市民の例えば交通アクセスをどう改善していくか、そういったことに集中して宿泊税はその増収分を使用していくべきだと思っております。

司会
3人のお話聞かれましたけど、村山さんどうですか。

A4. 村山祥栄「宿泊税は宿泊事業者の協力で成り立つもの、普通税化はするべきではない」

村山祥栄
あのこれですね、確かに今問題な、議会で問題になってるのは、その目的税化してるのに、例えばゼストの便所を直してみたり、いや観光客使いますからとこういう立て付けで全部やってるわけです。
でも実は宿泊税の大事なことは誰が集めるんだということなんですよ。
これはあくまでも宿泊事業者さんの協力によって成り立ってるわけですね。この方たちをちゃんと理解してもらえるように集めないと、そりゃ一方的に京都市の都合であーだ勝手にやりますねん、ていうのは私やっぱ違うと思いますんで、そこの交通整理はちゃんとしておくべきだと思いますし、私はやっぱり普通税化させるというのはちょっと違うんじゃないかと思います。
以上です。

質疑:二之湯真士「北陸新幹線の小浜・京都ルートは莫大な財政負担となる。率直な賛成反対を聞きたい」

司会
うん、さて財源の話になりましたので、宿泊税だけではなくてどういう風に財源を確保するのか、この辺りについては二之湯さんお願いします。

二之湯真士
すいません財源確保のね、前段で、私は自己紹介の時も申しましたけどね。
北陸新幹線、この小浜・京都ルートというのは、やはり膨大な京都の建設負担が出てくるんですね。
今ここで財政再建策それぞれ述べられましたけどもこれがもう全く水泡に帰すぐらい、もう全く無意味な議論になるぐらいの膨大な財政負担なんですよ。
片やですね、敦賀から米原に至るルートは京都の負担なしと、しかも建設は早く、早いということは北陸の復興に資すると思います。なので私はあの京都、小浜・京都ルート反対なんですけどね。
お三方の率直な賛成反対を聞きたい。

司会
では福山さんから松井さん村山さんの順でお願いします。

A1. 福山和人「現行小浜ルート反対。抜本的見直しを求める」

福山和人
はい、私は、北陸新幹線の現行小浜ルートこれについてはもう反対、抜本的な見直しを求めるということをずっと言い続けております。

司会
はい、松井さんは。

A2. 松井孝治「第2国土軸の建設の必要性は理解するが、財政負担と環境負担を見極め、賛否は現段階では慎重に判断する」

松井孝治
私は北陸新幹線の延伸自体は総論としては、それは第2国土軸を作ると、これから災害が本当に頻発する可能性がある中で、第2国土軸の建設というのは必要性は理解します。
ただ問題はですね、そのルートによっておっしゃったような環境、特に水源とかですね、あるいはその掘削度をどう処分するのか、非常に大きな財政負担と環境負担があります。
これはしっかり慎重に見極めないと、市民の税金市民の負担ということを考える立場で言うと、今の段階でどういうルートなのかどういう方法によるのか、それによって賛否は今の段階では慎重に判断したいと思います。

司会
村山さん。

A3. 村山祥栄「第2国土軸の建設の必要性は理解するが、財政負担と環境負担を見極め、賛否は現段階では慎重に判断する」

村山祥栄
はい、二之湯さんがおっしゃる通りで全て頑張ってやっても、この北陸新幹線一発の財政負担で全部吹っ飛んでしまうんですね、やっぱり。
なので、私は常にずっと申し上げてるのは地元負担をしてまでやるべきことでは絶対にないと、
なおかつ環境アセスも終わってない状態で結論は出せないですよと、いうことをずっと申し上げています。

質疑:村山祥栄→福山和人「北陸新幹線は来年来るわけではない。ならばどのハコモノを削ろうとしているのか」

その上で改めて今度は福山さんにお伺いしたいんですけれども、
その、北陸新幹線を削るんだみたいな話ですけど、それ来年じゃあ来るという話で発生するわけじゃないと思うので、その逆に一体何を削ろうとされてるのかいまいち分からないんですけど、
そこをちょっと教えていただけるとと嬉しいです。

A. 福山和人「北陸新幹線削減分を福祉に当てるとは主張していない。宿泊税と協力金、大型公共事業のシーリングカットで110億を捻出可能」

福山和人
あの、北陸新幹線の問題でそれを削って福祉に当てるとかそういうことを申し上げてるわけではなくて、
先ほど申し上げた通り私は宿泊税の税率の改定やあるいは観光協力金の創設っていうことと、あと合わせて今京都市はいわゆる大型公共事業年間170億でシーリングしてると思いますけれど、これを150億程度にシーリング落とせばですね、20億ぐらいは財源出てきます。
だから観光関連の宿泊税と協力金、そしてこの20億ぐらいの大型公共事業の財源カットしたもの、これで110億程度、私が公約をしております暮らし応援の施策というのは、十分捻出は可能だいう風に思っております。

質疑:福山和人→松井孝治「北陸新幹線推進の西田らに推薦を貰って、いざという反対出来るのか」

北陸新幹線の問題で、松井さんにお聞きしたいのは、これ西田さんがあの二之湯さんからもあった通り、推進の側のお立場ですよね。
そういう方々から推薦を頂戴されていて、これ本当にいざという時に反対だということおっしゃることできるんですか。

松井孝治
はい、いいですか。

司会
どうぞ。

A.松井孝治「北陸新幹線については、推薦貰った自由民主党にも他の政党にも多様な意見が有る。西田の個人的な意見とは必ずしも一致しない」

松井孝治
はい、あの私、西田さんの推薦をいただいてるわけではなくて、確かに自由民主党さんからは推薦いただいてますが、自由民主党さんの中でも北陸新幹線については多様な意見があります。
その他の政党も多様な意見があります。
私自身はしっかり慎重に検討すべきだと先ほど申し上げた通りですから、西田さんの個人的な意見と必ずしも私は一致しません。
はっきり申し上げておきます。

質疑:福山和人→松井孝治「特段のメリットがないなか、今はっきり明言しないのはどうなのか」

福山和人
はい、それであればこの段階で、もう積極的なメリットがあるということであればいいんですけれど、特段メリットがない中でですねこれだけ莫大の財政負担だとかいろんな問題が指摘されてる中で、きっぱりおっしゃれないていうのはどうなのかという風に思いますけど。

松井孝治
いいですか。

司会
はい。

A. 松井孝治「第2国土軸の必要性は十分理解するが、環境・財政負担が明らかでない段階では、慎重に検討せざるをえない」

松井孝治
はい、あのきっぱり申し上げてるつもりです。第2国土軸の必要性は私は十分理解する。村山さんもおっしゃったけど、それは国が主導してしっかりやってくれるならこれは必要なことです。
ただ私は京都市長を目指してるわけですから、京都市として環境負担・財政負担これが明らかでない段階では、これは慎重に検討せざるをえない。はっきり申し上げています。

司会
はい、このテーマでは…

福山和人
はい、ただ第2国土軸というのはですね、あの別に新幹線でなければ第2国土軸にならないわけではないと思います。並行在来線がそれとして機能することもできるわけですから。

司会
はい、このテーマでこの時間までとさせていただきます。
京都市の行財政改革について、京都市長選挙立候補予定者の皆さんに討論いただきました。

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