これから必要とされる「常連力」について
小売が『モノを売るだけの企業』から脱却し、『コミュニティ』との距離が近づきつつある。
D2Cブランドの成長がまさにモノの販売とコミュニティ化の顕著な例で、先に思想をベースにしたファンコミュニティがあり、その課金方法の一つとしてモノの販売がある、という形式だと私は考えている。
つまり今後は贅沢品になればなるほどあらゆる事業はコミュニティベースになっていくので、コミュニティへのアプローチは避けられないものになっていく。
さらに現代の大きな課題のひとつに『孤独』があげられる今、消費者としての私たちもまた『コミュニティ』に関わる機会が増えている。
もちろん人間が集団生活をしはじめたときからコミュニティ自体はあったし、今ファンコミュニティと呼ばれるものもはるか昔から存在していた。
サロンも互助組織も昔からあったし、現代のコミュニティを考える上でそうした長く続くコミュニティから学べることもたくさんある。
しかし生活水準が圧倒的に上がった今、ほとんどの人に『余暇』という概念が生まれた。
生きるためにやらなければならないことが減り、時間が増えた結果、以前にも増して人と接続する場を求めるようになったのだ。
こうしてビジネスの面からも個人のライフスタイルの面からもコミュニティの重要性が上がった今、『人をどう集めるか』よりも『集まった人とどう関係を作っていくか』に悩む人が増えたように思う。
そして個人の視点で見れば、今後自分の生きやすさを左右するのは『常連力』なんじゃないか、と思っている。
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