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仮想現実の普及でコスメの需要は減少するのか?

Facebookが社名を「Meta」に変更したニュースが世界を駆け巡ってから、日本語でも英語でも「メタバース」の文字を見かける機会が増えた。デジタルを通してフィジカルなモノやサービスへとつなげるソーシャルコマースやDXの次は、デジタル世界で消費まで完結する世界がくる。この大きな流れは止まらない。

どのブランドもまだ実験的な取り組みにとどまっているものの、メタバースの波はビューティー業界にも影響を与えている。

この流れを受けてふとひとつの疑問が浮かんだ。それは、仮想現実の普及が進むと、これまでのコスメアイテムの需要は減るのだろうか?ということだ。

仮想現実世界では生身の自分ではなく、アバターを通してコミュニケーションができる。すでにリモートワークの普及にあわせて、すっぴんでもメイクをしているように見えるフィルターが生まれるなど習慣や常識も変化しつつある。
現在はVTuberのアバターですら人間のようななめらかな動きを反映できていないけれど、そう遠くない将来にアバターが生身の人間の動きを完璧に再現できるようになるだろう。そうすれば、着替えもメイクもすることなくアバターを使ってオンラインMTGに出席するスタイルが当たり前になるかもしれない。

洋服はたとえ自宅であったとしても保温や保護の目的があるため完全にはなくならないだろうが、メイクは肌やまつげに負荷をかけるのでしなくてすむならなるべく減らしたい人も多いはずだ。ということは、メタバース化が進めばこれまでのメイクアイテムは不要になってしまうのだろうか?

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余談的小売文化論

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「知性ある消費」をテーマに、現代の消費行動や理想論と現実的な問題のギャップについて考え、言語化しています。「正解」を語るのではなく、読み手…

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