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"マネーボール"を今さら見たけどGMってこんなに重要な存在なのね

そういえばGWに高熱を出してなにもできなかったとき、手当たりしだいにHuluで映画を見まくっていました。
その中のひとつ、 "マネーボール"はお気に入りに入れたまま放置していて何の気無しに見たのだけど、個人的に非常に良作だったのでご紹介。
(※わりとネタバレ気味)

あれ、GMって監督より重要なポジションじゃん…!?

今でこそ野球好きの中で知らない人はいないであろう "セイバーメトリクス"という理論。

セイバーメトリクスは徹底的に選手をデータ分析し、得点につながる選手のみを評価するというサイエンス要素の強い理論で、バントや盗塁の否定、打率や打点よりも出塁率を重視するなど従来の理論を覆す点が多いのが特徴です。

作品の中でも監督やスカウトから「そんな理論で勝てるわけない!」と総スカンをくらうのですが、今でこそ当たり前の理論として取り入れているチームが多いものの当時の反発たるやこんな生易しいもんじゃなかっただろうよ…と思っていました。
なんせ私もちゃんと理論を知るまでは「えっなにその理論意味わかんない」と思ってたので。
得点圏にランナーを進めるのが重要でしょ!?的な。

で、この作品で一番思ったのはGMってこんなに重要なポジションなんだ…!ということ。
かれこれ10年くらい野球見てますが、GMって表にでてこない存在なのでなにしてる人なのかよくわかんないしあんまり興味ももてないんですよね。
12球団の監督の名前は全員わかるけど、GMは中日の落合さんくらいしかわかんない。

なんでも監督が決めてるんだと思ってたけど、全体の人事権はGMが握っていて、会社でいうと取締役の人事部長的なポジションなのね!と今さら理解しました。

作中でもスカウト陣と選手の獲得について議論(喧嘩?)するシーンがたくさんありましたが、よく編成権がどうのこのうのと言われてるのはこのことかー!という。
もちろん監督を誰にするか決めるのもGMです。

GMが作った戦力でどう戦うのかを決めるのが監督なので、GMが人事部長だとすると監督は営業部長的なポジションでしょうか。
そして球団オーナーが社長ですね。

そもそも弱いやつばっかり集められても、どうやって戦えっちゅーねん!という悩みは世のマネージャー陣共通のものだと思うので管理職になったらみなさん名監督の著作を読みましょう。

戦略を浸透させるということ

この作品の中で一番印象に残ったのは、ブラッド・ピット演じるGMのビリー・ビーンがセイバーメトリクスを全く受け入れようとしない現場に、その理論を浸透させるために強硬手段をとるシーン。

こっちは戦略があって指示してるのに、現場の人間がそれをちゃんと理解せずにうまく運用してくれない…という悩み、絶対管理職以上の人ならあると思います。
いや、後輩や部下を持った時点で多かれ少なかれみんな持つ悩みかも?

大半はそんな時「根気よく話す」「部下の話を聞いてうまく誘導する」的なことが本に書いてあったりもするのですが、ビリー・ビーンはバッサリ退路をたつ作戦を断行。笑

シーズン中に結果を出さなければならない差し迫った状況だからこそというのはあるにせよ、これって意外と有効なのかも?と思いました。

やっぱり大胆な戦略変更とか意識改革って現場レベルにまで腹落ちさせるのは難しくて、みんな「前のままでよかったのに」「上が面倒なこと言うから」「こんなの絶対うまくいかない」ってなっちゃうんですよね。
「話せばわかる」が常に通じるわけもなく。

作中でもチームがひとつにまとまったのは快進撃がはじまってから。

本当に心をひとつにするには勝つしかない。
勝つことが最大の着火剤。


連勝を重ねるごとに徐々に雰囲気がよくなって相乗効果が現れはじめるシーンを見ながらそんなことを思いました。

でもこれって鶏が先か卵が先かという話で、ちゃんと戦略を理解してそれぞれが最適な行動をとってくれないと結局勝てなかったりする。

だからこそ痛みを伴うことを覚悟してでも、現場に有無を言わさずバッサリ退路を断つ作戦も必要なのかも、なんて。

映画「マネーボール」、野球がわからなくてもマネジメントやプロフェッショナルとは何か?思い描くキャリアを手に入れられなかったときはどうあるべきなのか?などたくさんのことを考えさせられる良作だったのでおすすめです。

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