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集客を人任せにすることの危険性

職業柄、出店に際しての集客方法について相談を受けることが多いのですが、イベントもしかりサービスもしかり、どんな分野でもつまるところは「集客」が問題になることが多いなあと最近感じています。

誰でも簡単に何かを「作る」ことができるようになった今、作ったはいいけれどどうやって広めたらいいんだろう…という悩みがでてくるのは必然ともいえそうです。

そんな中で最近これは危険だな、と感じているのは"集客を人任せにすること"

たとえば出店の話でいえば、商業施設やカフェ、既存のショップの一角に出店することもあると思います。

特にはじめたばかりでまだファンが少なかったり、これから認知度をあげていきたいというフェーズの時はこうしたもともと人が集まる場所に出店するというのはひとつの方法です。

それ自体は大事な出店戦略のひとつなのでなんら否定されるものではありませんが、その場所の集客に頼って自分自身で集客しようとしないのはとても危険なことだと思います。

その理由は
1. 集客のためのノウハウが蓄積できず、場所依存が大きくなってしまうこと
2. 出店するメリットを場所側に感じてもらいづらいこと
の2つです。

集客力を自分でもつことの重要性

まず1つめの集客ノウハウの蓄積ですが、現在はSNSやブログなどさまざまなかたちで発信ができます。

もちろんはじめは全くフォロワーがつかなくて心が折れそうになると思いますが、自分自身のファンを作ること、そしてトライ&エラーを通してノウハウを蓄積することはブランド運営を安定させるためにも非常に重要です。

文章の書き方や告知に使うプラットフォーム、集客のスケジュールなどを試行錯誤して「これくらいやれば最低でもこれくらいはいけるな」という感覚を持てると、出店場所選びもかなり楽になります。

反対に場所の集客力だけに頼って、自分の手で集客のための施策をしたことがないと、出店場所から不利な条件を突きつけられても拒否できませんし、その場所に出店できなくなったときにどうしようもなくなってしまいます。

そして集客力のある商業施設やショップにくるお客様はあくまで"その場所のファン"なので、出店したその場では購入してくれても他の出店場所やECではブランド名すら覚えてくれていないということも往々にしてあります。

出店した際にいかにお客様比率を
目的をもって来店してくださるお客様>たまたま通りがかったお客様
にできるかというのは非常に重要なポイントです。

Instagramでハッシュタグを工夫してつけてみたり、Facebookで広告を回してみたり、お金がなくてもできる工夫を積み重ねることで「あなたのブランドのために来ました」というお客様を増やしていく必要があると思います。

出店場所の立場になって考える

そして"集客"というのは出店したい側のブランドだけではなく、出店先となる商業施設やショップにとっても悩ましい問題です。

だからこそ彼らにとってもお客様を呼べるブランドにこそ場所を貸したいという思いがあります。

もちろん駆け出しのブランドに集客力を求めることは少ないと思いますが、これまでとは違う客層へのアプローチだったり、既存のお客様へ新鮮さを提供するなど何かしらのメリットがなければ、初回は出店できても2回、3回と続いて出店することはできません。

そうすると一度は集客力の高い場所に出店できて後が続かず、1.のノウハウの欠如と場所依存も相まって八方塞がりになってしまいます。

そうならないためにも、大きな結果がだせなくても集客の努力をしている姿勢を見せること、集客力以外にも出店場所が求めていることを察知して期待を超えられるようにする必要があると思います。

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集客の人任せは何の分野にもあって、新しくはじめたサービスは大きなところと組んで名前を売りたいし、有名な人やメディアに取り上げてもらえば自然と集客できる、という意識も少なからずあると思います。

でもそれはあくまで一過性のもので、そういった"人の力"に頼った集客は自分の実力を正しく反映していないことも多いはず。

以前はあちゅう氏がブログかTwitterで
「ライターは納品したら終わりではなく、その記事が公開されたらシェアやツイートをしてPV数をあげる努力まで求められている」
という主旨のことを言っていましたが、"その場所"の集客力をTakeしようとするだけの意識ではなく、Giveする意識、せめて努力しようという姿勢はどんな業界でも共通なのではないでしょうか。
(元記事を探したけど見つからなかったので発言内容はうろ覚え)

集客の極意というのは結局、回り道のようでもいかに自分のファンを作ってそれを強固にしていくか、それに尽きるのかもしれないと感じるここ最近です。

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